真飛聖&内田監督が、緊急事態宣言前日に特別授業「映画がストップする意味を考えて」

第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作「ミッドナイトスワン」の内田英治監督と女優・真飛聖が24日、東京・中目黒のワタナベエデュケーショングループで特別授業を行い、映画の舞台ウラ、俳優としての心構えを伝授した。

特別授業を行った女優の真飛聖【写真:ENCOUNT編集部】
特別授業を行った女優の真飛聖【写真:ENCOUNT編集部】

ワタナベエデュケーショングループで特別授業開催 表現者としての生き方示す

 第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作「ミッドナイトスワン」の内田英治監督と女優・真飛聖が24日、東京・中目黒のワタナベエデュケーショングループで特別授業を行い、映画の舞台ウラ、俳優としての心構えを伝授した。

 これは、ワタナベエンターテインメント所属のアーティストが講師となり、自身の経験やノウハウをもとに、エンタメ界での活躍を目指すスクール在校生からの悩みや質問を一緒に考え、プロフェッショナルな表現者とともに夢をかなえるための方法を考える特別授業の一環。

 最新ドラマ「列島制覇-非道のうさぎ-」(U-NEXTで配信中)でも再びタッグを組んだ2人。この日は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う3度目の緊急事態宣言前日となり、内田監督は「『ミッドナイトスワン』は9月25日に公開され、8か月間上映が続いていますが、上映もストップするだろう。映画は生活の一番後ろのほうにあるものだが、これを機に芸術や映画がストップする意味を考えてほしい」。真飛も「最初の宣言の時は舞台のお稽古中でした。また本番に臨もうとしている人が同じ気持ちになっていると思います。ただ、私は心を動かす仕事が好きだと感じた1年だった。充電時間にしたらステップアップできる」と前向きな気持ちを見せた。

 授業では、「オーディションに受かるコツ」も披露。内田監督は「俳優は技術者。『泣いて』と言われたら、その場で泣けないといけない。海外では俳優はエリートで、アカデミックな存在。僕は演技を見せてくれる時ではなく、役者たちが待っている時、素の部分を見ている。まずは打席に立つことが大事。役者の仕事は待っていても来ない。自分はインディーズでやってきたが、インディーズの精神で映画を作ってみるのもいい」などと話した。

特別授業を行った内田英治監督【写真:ENCOUNT編集部】
特別授業を行った内田英治監督【写真:ENCOUNT編集部】

 真飛も「心が動いたものを大切にしたい。宝塚時代は“心、素直に”と言っていたが、内田監督にはいろいろ見抜かれてしまった。監督との出会いが大きかった。自分はできる上司役、クールビューティー役が多く、そのイメージを持たれてしまうけど、普段の自分とは違って苦しかったりもする。たまにバラエティーに出て、変なやつと思われると、ホッとするんです」と素直な気持ちも吐露。「日常の生活が大事。料理好き、お母さん役が増えてきたので、何気ないことが役に立っている。いろんなものに興味を持った方がいい」とアドバイスを送った。

 最後に、真飛は「キラキラしたまなざしを近くで感じ、自分自身、初心にかえりました。自分自身、どうなるかは分からないですが、悔いのないようにやりたいです。皆さんも、これからチャンスはあるので、怖がらずに進んでいってください。現場で会えたら、うれしいです」。内田監督は「シビアに言えば、この場にいる9割くらいはいなくなる。でも、本当にやりたいなら、続けないといけない。コロナもあって、厳しい競争社会だが、自分をプロデュースして、映画を見まくって、知識を仕入れて、表現を続けて欲しい」とエールを送っていた。

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