「健康になりたければ油を変えろ」 アントニオ猪木にファスティングを勧めた人物とその理由
早いもので、来月1日にはアントニオ猪木の4度目の命日がやってくる。猪木といえば、現役時代は糖尿病に苦しめられていたが、1990年代、猪木から直接電話を受け、それに関して相談された人物がいる。杏林予防医学研究所の山田豊文氏である。

猪木と山田氏をつないだ佐川急便の佐川清会長
早いもので、来月1日にはアントニオ猪木の4度目の命日がやってくる。猪木といえば、現役時代は糖尿病に苦しめられていたが、1990年代、猪木から直接電話を受け、それに関して相談された人物がいる。杏林予防医学研究所の山田豊文氏である。(取材・文=“Show”大谷泰顕)
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猪木と山田氏を引き合わせたのは、猪木の最大の支援者でもあった「佐川急便の佐川清会長」だった。その際、山田氏は猪木に「マグネシウムを摂ったほうがいい」と話し、しばらくすると「山田式ミネラルファスティング」を勧めた。
「ミネラルファスティング」とは、マグネシウムなどを含む専用ドリンクを用いた断食に加え、「健康になりたければ油を変えなさい」「マゴワヤサシイ※」「牛乳は悪魔の飲み物」「マーガリンはヤメなさい」……といった山田理論を主軸に、食習慣や生活習慣も見直すトータルパッケージの健康法のこと。
こうした理論は、現在ではさまざまなジャンルの幅広い層に広がっている。事実、その言動と理論に恩恵を受けた人物が各ジャンルに相当数存在するのだ。
実際、猪木はその効果を実感し、自身の弟子たちにミネラルファスティングを勧めはじめた。猪木の弟子のなかで、最もその効果が見た目に反映されたのは、“暴走王”小川直也になるだろう。
柔道のメダリストからプロレス界に転身した小川は、1997年4月に橋本真也を相手に東京ドームでプロデビューを果たしたが、師匠・猪木から「まだプロレスラーのカラダになっていない」と柔道着を脱いで戦うことを許されなかった。
似たようなタイミングで猪木から小川にミネラルファスティングの指令が入る。
その話は小川のYouTubeチャンネル「暴走王ch」でも披露していたが、小川によると、「期間は3日間。2日前から準備期間に入り、朝から(ミネラルファスティング専用の)ジュースを飲んで、青汁飲んで昼も一緒。夕方ちょこっと飲んで、夜また飲む」を3日間繰り返す。練習は極力控えたという。
当時を振り返り、小川は「最初は大変だった。おなかが減るから、頭にぷかぷか浮かぶのよ、牛丼とかカレーライスとか、かつ丼とか……」と証言していた。
結果、小川はそれまで128キロあった体重をミネラルファスティングによって113キロまで落とすことに成功。小川は新日本プロレスやゼロワン、ハッスルや総合格闘技PRIDEのリングでも活躍したが、柔道着を脱いで、グッドシェイプになった肉体は魅力満載だった。
格闘技界では大相撲の元横綱・白鵬もその一人。白鵬はミネラルファスティングにより体重を8キロ落とした。現役時代は「数日の断食は年1回。ただし、1日1食などの調整はよく行っている」と話していたという。結果、大相撲最多優勝記録45回を達成した。
山田氏いわく、「格闘技は体重の重いほうが絶対に有利。(大相撲は)階級差がない。相撲の場合は減量するなんてことはあり得なかったわけですよ。白鵬が偉いのはそれをやって、次の場所に全勝優勝してみせたこと。これが白鵬のすごさですね」と語る。

「汚いものの上にきれいなものを置いてもダメ。まずは掃除が先」という基本理念
さらに、山田氏のミネラルファスティング理論はプロ野球界にも広がっている。
「ピッチャーなんて連投でカラダがガタガタになっているから、その年はいいけど、翌年必ず成績が落ちる」「ミネラルファスティングは修復能力を高めてくれる。だから選手寿命がどんどん長くなる。落合(博満)さんは45歳までやったもんね」と話し、ミネラルファスティングの効果を説いた。
野球選手の場合は、主にシーズンオフに試す場合が多いという。アスリートならずとも試してみる価値はありそうだ。
もちろん初めて断食を試す場合は無理は禁物だが、小川が話していた通り、数日前から準備し、無事に3日間のミネラルファスティングを終えると、余計なものが抜け、頭とカラダがスッキリする。さらに食の感覚がリセットされるため、終了後には無駄な食べ物を食べることを避けるようになる。個人差はあるものの、効果を実感すれば定期的に試していくようになるだろう。
山田氏は「どんな場合でもまずは掃除をしてから。汚いものの上にきれいなものを置いてもダメ。まずは掃除が先」とミネラルファスティングの基本理念を明かした。
山田氏が最後に猪木に会ったのは、亡くなる2か月ほど前、猪木にとって終の住処となった東京・白金のマンションだった。その前には「入院していた千葉県の病院にも見舞いに行った」と話した。
亡くなる前の猪木は、難病アミロイドーシスと診断されたが、主治医がいることもあり、その方針を尊重した。体を温めることなどのアプローチを通じて、協力できる範囲でサポートしていたという。
「猪木さんは特別な人。恩人ですね。器の大きな人だった」
かつて猪木が住んでいたニューヨークや南国パラオ共和国にある猪木島などにも一緒に行ったという猪木との思い出を懐かしそうに語りながら山田氏は肩を落としたが、猪木のみならず、山田氏の言葉やミネラルファスティングをはじめとする理論で救われた人物は数えきれない。今後もその輪は確実に広がっていくに違いない。
(一部敬称略)
※「マゴワヤサシイ」とは、豆、ゴマ、ワカメ(海藻類)、野菜、魚(魚介類)、シイタケ、イモという古くからある和食での食生活を推奨するもの。油にしても、サラダ油やゴマ油などではなく、「良質な亜麻仁油を1日にカレースプーンで2杯摂ること」を提案している。
山田氏は「同じような色をした油でも体への影響は全く違う。質の悪い油はがんを促進し、良質な油はがん細胞を少なくする」と話す。
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