伊澤星花チャレンジ完結 伊澤星花&COROが1期生・竹林エルに送る「ありがとう」と「一緒に頑張ろう」

格闘技イベント「DAYS Presents DEEP JEWELS 54」が6日、東京・ニューピアホールで行われた。メインイベントの49キロ級マッチでは、“伊澤星花チャレンジ”の竹林エルが彩綺(和術慧舟會hearts)に3R・4分19秒でTKO勝ちを収めた。3年越しに果たしたリベンジを一番近くで見ていたセコンドのCOROは目を潤ませ、伊澤星花は愛弟子と一緒になって喜びを爆発させていた。

愛弟子への思いを明かしたCORO(左)と伊澤星花【写真:ENCOUNT編集部】
愛弟子への思いを明かしたCORO(左)と伊澤星花【写真:ENCOUNT編集部】

2人は試合をする竹林エルよりも緊張「本当に怖かった」

 格闘技イベント「DAYS Presents DEEP JEWELS 54」が6日、東京・ニューピアホールで行われた。メインイベントの49キロ級マッチでは、“伊澤星花チャレンジ”の竹林エルが彩綺(和術慧舟會hearts)に3R・4分19秒でTKO勝ちを収めた。3年越しに果たしたリベンジを一番近くで見ていたセコンドのCOROは目を潤ませ、伊澤星花は愛弟子と一緒になって喜びを爆発させていた。(取材・文=島田将斗)

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 この試合は昨年9月に始動した若手育成企画“伊澤星花チャレンジ”の集大成となる一戦だった。オーディションを経て、成本優良(現在のリングネームはダイナマイト・ユラ)、岡美紀、竹林エルの3人が1期生として合格。千葉・松戸の地で寮生活を送り、厳しい練習だけでなく、社会常識やプロモーションまで徹底的にたたき込まれてきたが、成本が早々に離脱。柔道エリートのバックボーンから期待されていた岡美紀も体調を崩し、プロジェクトを去った。

 最後までやり切ったのは竹林ただひとりだった。(※山内梨緒は1.5期生として加入)

 そんな竹林が、3年前に顎を折られ長期休養を余儀なくされた因縁の相手・彩綺に挑む。この試合、誰よりも緊張していたのは、1年間一番近くで見守ってきた2人の師匠だった。

「めちゃくちゃ緊張しました。多分、エル本人よりも自分たちの方が緊張していたよね。エルが長期離脱する原因になった彩綺選手。そして、この企画の最後の戦いが彩綺選手になるという、本当に運命というか因縁があって。実際に試合をしていて怖い場面もあったし、過去の悪いシーンがどうしてもイメージできてしまうからこそ、こっちの不安がすごかったんです。いままでの試合で一番の恐怖でした」(伊澤)

 決してまな弟子を信じていなかったわけではない。COROが「やれることは全部やってきたけれど、彩綺選手もこの間にやってきていただろうし」と明かすと、伊澤も「昔のトラウマはどうしても拭えないところがある。本当に試合になったら体が硬くなっちゃうのかなとか、安心できない材料が多かったからこそ、本当に怖かった」と率直な思いを吐露した。

3人中2人が脱落…竹林エルは生き残った「しがみついてついてきてくれた」

 竹林はチャレンジ生になる前から、打撃系の選手として知られていた。しかし、ジムにきた1年前は「何も知らない」状態だったという。

「いざ来てみたら打撃も知らなかった。本当に位置取りとか、角度とか、高さの調整とか……本当に基礎からね」(伊澤)

「まず前のエルって組みがなかった。全部の底上げをして、その全部を出して勝った試合だなって思いますね」(CORO)

 その言葉通り、試合では竹林が機敏なフットワークを見せ、素早いコンビネーションを打ち込んだ。彩綺の重いミドルキックをもらい一瞬引く場面もあったが、スタンドだけで勝負せず、虚を突いたような絶妙なタイミングでタックルに入りテイクダウン。グラウンドではチョークを狙ったほか、ケージ際の攻防ではうまく相手を固定し、強烈な膝蹴りをボディーへと打ち込んだ。3Rにわたって総合的な“MMA”を見せて削りきり、最後は相手の気持ちを折ってのTKO勝ち。トータルで見れば圧倒的な試合運びだった。

 リング上でたくましく成長した姿を見せた。その戦いぶりを見届けた師匠2人の胸にも、並々ならぬ思いがこみ上げていた。

 地方から上京し、親元を離れての格闘技漬けの日々。休日は疲れて部屋からほとんど出られない。同期2人が離脱していく中、竹林だけは決して逃げなかった。伊澤は熱い思いを打ち明けた。

「本当にキツいことをやらせているし、厳しい環境の中で2人が辞めてしまった。それでもエルは、どんなに厳しくしてもしがみついてついてきてくれた。その気持ちがあったからこそ今日を迎えられたと思っています。指導者として、エルのこの1年間に携わらせてくれてありがとうという気持ちがすごく強いです」

 企画としての「伊澤星花チャレンジ」はこの日で一つの区切りを迎えた。しかし、師弟関係がここで終わるわけではない。COROも次なるステージを見据え、エールを送った。

「この1年を通して、エルは格闘家としても人としても成長できたと思っています。チャレンジは終わったけれど、ここからが本当のスタート。これからも一緒にチャンピオンを目指してやっていくので、一緒に頑張ろう」

 師弟の絆の強さを何よりも感じさせたのは、試合中の3人の阿吽の呼吸だ。伊澤とCOROが的確な指示を出せば、竹林はその通りに実行していく。逆に竹林が自ら有利な状況を作りだせば、「そうだ!」と言わんばかりにセコンドの2人も大きな声で後押しをした。この結束力は、試合を重ねるごとに強固なものになっていた。

 一人の格闘家を見事に開花させ、ここまでの信頼関係を築き上げたRoys GYMの2人の指導力と情熱も見事というほかない。

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