【DEEP】試合4日前に父の急逝、前十字靭帯断裂も…JUICYが掴んだ執念のTKO勝ち「お父さんが見に来た試合は全部負けてた」

格闘技イベント「DAYS Presents DEEP JEWELS 54」が6日、東京・ニューピアホールで行われた。第3試合のストロー級の一戦では、JUICY(URUSHI DOJO)が堀井かりん(クロスポイント・パラエストラ拝島)に1R・TKO勝ちを収めた。鮮やかな逆転劇で会場を沸かせたJUICYだったが、試合後のインタビューで明かしたのは、4日前に最愛の父が亡くなっていたという事実だった。

取材に応じたJUICY【写真:ENCOUNT編集部】
取材に応じたJUICY【写真:ENCOUNT編集部】

過酷な減量も「最後、父がやってくれました」

 格闘技イベント「DAYS Presents DEEP JEWELS 54」が6日、東京・ニューピアホールで行われた。第3試合のストロー級の一戦では、JUICY(URUSHI DOJO)が堀井かりん(クロスポイント・パラエストラ拝島)に1R・TKO勝ちを収めた。鮮やかな逆転劇で会場を沸かせたJUICYだったが、試合後のインタビューで明かしたのは、4日前に最愛の父が亡くなっていたという事実だった。

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 選手層や次なる展開を求めて過酷な減量を経て臨んだストロー級での初陣。2か月で65キロから52キロへ落とすことに成功したが、試合は柔道出身のJUICYにとって想定外の展開から始まった。開始早々にバックポジションを奪われる大ピンチ。会場がざわつく中、約3分間にわたりチョークの対処に追われることになった。

「対処の仕方が分からなくて『どうしよう』と考えて時間を使ってしまいました。でも、後ろでだんだん相手の息が上がってくる音が聞こえたんです。首さえ入ってなきゃ大丈夫だと思っていました」

 相手のスタミナ切れを見逃さず、一気に立ち上がり、時間を確認。約2分間残っている。「ここからは私のターン」と猛反撃を開始した。「この1Rで死んでもいいと思って振りました」という言葉通り、殺傷能力のある左右のパンチを浴びせ続け、見事なTKO勝ちを収めた。

 ゴングが鳴った瞬間から去るまで涙を流していた。その裏には、勝利への安どだけでなく、直前に亡くなった父への強い思いがあった。

「父はずっとがん闘病をしていて……試合の4日前に亡くなりました。柔道をやっていた小さい頃から、お父さんが見に来た試合は全部負けていたんです。だから今回は、絶対に最後お父さんの前で勝ってあげたいと思っていました」

 不安だったという過酷な減量も、父を失った悲しみが結果的に背中を押す形となった。「ショックで食欲なんてなくなるんで、体重も一気に落ちてクリアしました。最後、父がやってくれましたね。絶対まだ見てたと思うんで、勝てて本当によかったです」と涙を流した。

 さらに、抱えていた不安はそれだけではなかった。実は、膝の前十字靭帯が断裂したまま試合に強行出場していたのだ。

「違和感はずっとあって、スポーツの病院にかかったら、もう靭帯が切れてバコバコだったんです。試合が決まっていたし、ちょうど父が9月ぐらいに亡くなるかもしれないと余命宣告を受けていて。最後にお父さんに見せてあげたいと思って、死に物狂いで練習しました」

 文字通り、勝利は満身創痍でつかみ取った。今後は10月に膝の手術を行い、長期離脱に入るという。

「年齢的にも、これから上を目指していくためにも、最後に思い切りやれるコンディションでやりたいなと思って手術を決めました。1年後、また成長した姿を見せられるようにリハビリをして戻ってきます」

 長期離脱となるが、心は決して折れていない。かつて試合から離れていた時期、有名でなかったにもかかわらず街中でファンから「試合見に行っています」と声をかけられたことが復帰の大きな原動力になったという。「ファンの人の力はすごい大きい」と語るJUICYにとって、応援してくれるファンの存在こそが次なる戦いへの支えとなる。

 試合後、会場のロビーでは、多くのファンがJUICYを囲んでいた。応援団だけではない。そこには外国人という新規ファンの姿もあった。

 亡き父へ誓った勝利を果たし、新たな階級でのスタートも切った今大会。手術と過酷なリハビリを乗り越えた先で、JUICYがどうなっているのか。いまから待ち遠しい。

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