園田あいかが選んだ芸能界への再挑戦 「辞めるつもり」で帰郷、地元・熊本で芽生えた覚悟

俳優の園田あいか(24)が、TOKYO MXで9月6日からスタートする『カガミタタリ』でドラマ初主演を務める。5歳で子役として活動をスタートさせてから19年。その道のりは決して平坦なものではなかった。一時は芸能界を離れるつもりで地元・熊本に戻り、アルバイトやエステセラピストの仕事も経験。そこから約2年を経て、再び俳優の道を選んだ。なぜ、園田はもう1度エンターテインメントの世界に戻るという決断をしたのだろうか。

インタビューに応じた園田あいか【写真:舛元清香】
インタビューに応じた園田あいか【写真:舛元清香】

『カガミタタリ』でドラマ初主演に挑戦

 俳優の園田あいか(24)が、TOKYO MXで9月6日からスタートする『カガミタタリ』でドラマ初主演を務める。5歳で子役として活動をスタートさせてから19年。その道のりは決して平坦なものではなかった。一時は芸能界を離れるつもりで地元・熊本に戻り、アルバイトやエステセラピストの仕事も経験。そこから約2年を経て、再び俳優の道を選んだ。なぜ、園田はもう1度エンターテインメントの世界に戻るという決断をしたのだろうか。(取材・文=中村彰洋)


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『カガミタタリ』は、園田にとってのドラマ初主演作であり、初挑戦のホラー作品となった。

「ドラマ主演は一つの目標だったのでうれしかったです。初のホラーで、『きゃー!』とか『いやー!』と台本にたくさん書いてあって、叫び声のバリエーションを作ることが一番難しかったです。全てが新鮮でした」

 NHK『テミスの不確かな法廷』、TBS系『時すでにおスシ!?』(いずれも2026年)など、話題作にも出演。今秋スタートのフジテレビ『お前のほうからキスしてくれよ』への出演も控えるなど、着実に存在感を示しつつある。日々挑戦を続けるオーディションとの向き合い方には、園田ならではの考え方があった。

「毎回台本をもらっていろんな役を演じることができる。お芝居が好きなので、合否を意識するのではなく、好きな演技をしにいくという感覚で臨んでいます。だから、何度ダメでも続けることができています。合否ばかり気にしていたら疲れてしまうんです。考え方を楽しい方向に持っていくようにしています」

『カガミタタリ』でドラマ初主演を務める園田あいか【写真:舛元清香】
『カガミタタリ』でドラマ初主演を務める園田あいか【写真:舛元清香】

 その向き合い方は、これまでとは大きく異なるものだった。「昔は合格したいという思いが強すぎて、力んだり、空回りしてしまったりしていました。努力も大事ですが、楽しんでいる人に勝てる人はいないんです。今はそこを一番大事にしています」。

 チームで1つの作品をより良いものに作り上げていくというプロセスにやりがいを感じるとも明かす。「みんなが同じ気持ちで、世の中にプラスのエネルギーを届けられるような作品を作っていくということにやりがいをすごく感じます」。

 こういった思いも、ここ数年で大きく変化した点だ。「もともとは一人が好き」だった園田にとって、数年前には想像もしていなかった感情だった。

「誰かと一緒に何かをするということが苦手でした。昔は本当に尖っていたと思います。『みんな敵!』みたいな(笑)。でも、今は『みんな味方で仲間じゃん!』と思っています。そういった考え方ができるようになって、チームでのお芝居が好きになりました。この1~2年で心境が変化していきました」

地元・熊本で過ごした日々について明かした【写真:舛元清香】
地元・熊本で過ごした日々について明かした【写真:舛元清香】

「もういいかな」…1度は芸能界引退を覚悟で地元に帰省

 5歳から地元・熊本で子役として活動を続け、14歳にして単身で上京。それ以来、ひたすらにエンタメの世界を走り続けてきた。しかし、20歳の頃に「もういいかな」という思いが脳裏をよぎった。「疲れてしまったんです。5歳からやってきて、14歳で上京して、ずっと一人で寂しかった。違う世界も見てみたくなったんです」。そこで取った選択が地元への帰省だった。

「引退」などを宣言するわけでもなく、表舞台からはひっそりと姿を消し、“日常”を過ごした。SNSを通じてファンとの交流を続けてはいたものの、「徐々にフェードアウトして、辞めるつもりでした」と当時の心境をこぼす。

「辞めた感覚で熊本に帰りました。14歳で上京し、家族との時間も過ごせていなかったので、実家での時間を過ごす中で、家族に対してものすごく素直になれました。自動車の免許を取ったり、留学をしようかなと考えたりもしました。バイト先を探していた時に出会ったのが、おばあちゃんが通っていたメナードというエステサロンでした。その店舗のオーナーさんとは、幼稚園の頃からの知り合いだったので、そういったつながりもあって、エステセラピストの資格を取って、そこで働くことになりました」

 約2年間、エステセラピストとして過ごしていく中で、新たな思いが芽生えるようになった。「エステセラピストになって、すごく人生が救われたんです。自分をケアすることが自己愛につながって、自分の心の健康にもつながる。もちろんきれいにもなれる。この素晴らしさをたくさんの方に伝えたいと思うようになりました」。

 エンターテインメントの世界への思いが徐々によみがえっていく中で、背中を押したのが、メナードのイメージキャラクターを務める深田恭子の存在だった。

「ポスターなど店内のいたるところに深田さんがいるんです。当時は辞めたつもりだったので、『あの頃は楽しかったなー』と思いながらながめていました。美しいって心も体も元気になって、見ているだけで元気が出てきて幸せなんです。これこそエンターテインメントなんだなと、深田さんにとても感化されていました。私も、こういった素晴らしさを伝えることができるのかなと考えるようになりました」

 もう1度芸能界に戻りたいと考える中で、たどり着いたのが、憧れの深田が所属する事務所・ホリプロだった。これまでにお世話になった人たちと連絡を取り、面接の機会を手に入れ、2025年6月にホリプロ所属となった。

「私の表現を通して、人々にプラスのエネルギーを届けたいと思ったんです。セラピストは1対1でそれを届ける。でも、エンタメの世界は1対何万人という規模で届けることができる。そういった部分の魅力を改めて感じたんです。セラピストを経験したからこそ、1対1、一人一人の大切さを学ぶこともできました。みんなそれぞれに人生があって、悩みがある。そういったことが分かったからこそ、たくさんの方々に届けるとなった時でも、思いを伝えやすくなった気がしています」

憧れの深田恭子と同じホリプロ所属に【写真:舛元清香】
憧れの深田恭子と同じホリプロ所属に【写真:舛元清香】

地元・熊本での2年間で変化した価値観「自分の気持ちを大事にすることが1番重要」

 熊本で過ごした約2年という期間で考え方や価値観が大きく変化した。それは園田のこれからの人生に大きな影響を与えていた。

「ガラガラ変わりましたね。人の目なんて気にする必要もない。私がどう思うかが大切なんです。どんなにつらいことでも、そこにやりがいを感じていたらやる。自分の心の基準が定まりました。私の目というレンズを通して、この世界を映している。これは私にしか見られない“私という人生”の映画だと思っているんです。人の気持ちを想像することはできても、想像しかできない。だからこそ、自分の気持ちを大事にすることが1番重要なんだと強く思った時期でした」

 現在は、明確に3つの目標を掲げている。1つ目はメナードのイメージキャラクターになること。2つ目は、藤井道人監督の作品に再び出演すること。3つ目は、園田がこれまでも頻繁に発信し続けている「オフホワイト」と「ホーリー」を掛け合わせた造語「ofw(オフホワイティー)」を掲げた美容やお香のブランドを作ることだ。「ofw」という言葉には白でも黒でもない、「第三の視点」を持つことで人生が楽になるという園田ならではの思いが込められている。

 再始動から約1年。徐々にその目標も現実のものになりつつある。

「先日、メナードの撮影の見学に行かせていただきました。しかも、ポスターでしか見たことのなかった深田さんにも実際にお会いして、ごあいさつすることができました。深田さんから『ぜひ私にもエステしていただきたいです』と言っていただけて、何気ない言葉ではありましたが、それすらも私の中では大きなものでした。エステをやってよかった、この世界に戻ってきてよかったと思いました」

撮影中も多彩な表情を披露した園田あいか【写真:舛元清香】
撮影中も多彩な表情を披露した園田あいか【写真:舛元清香】

「五感と心に届くような発信をしていきたい」。繊細で独特な感性を持っている園田だからこそ、表現できるカタチがあるのかもしれない。悩み、葛藤したその先にあった答えが、何十人、何千人、何万人にプラスのエネルギーを与えたいという真っすぐな思いだった。

「ものすごく広くなってしまいますが、エンターテインメントの力で、地球に住んでいる人たちの心も体も元気にしたいということが一番の目標です。この先、生きている限りは、エンターテインメントの世界で表現を続けていると思います。これは、1回辞めようとして、もう1回戻ってきたからこそ、本気で言えることです」

□園田あいか(そのだ・あいか)2002年9月3日、熊本県出身。マドリード国際映画祭 最優秀外国語短編映画賞を受賞した映画『Smile』(21年)にて初映画出演、初主演を果たして、俳優デビュー。25年6月にホリプロ所属を発表。以降、NHK『テミスの不確かな法廷』、TBS系『時すでにおスシ!?』(26年)などに出演。9月からはTOKYO MX『カガミタタリ』でドラマ初主演、フジテレビ『お前のほうからキスしてくれよ』への出演を控える。

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