清水尋也、撮影現場は毎回、地獄「酸欠みたいになって気絶しかけたのは人生初」

今年、「青くて痛くて脆い」「妖怪人間ベラ」「甘いお酒でうがい」と映画出演作が相次いでいる若手実力派の清水尋也。最新作「青い、森」(11月6日公開)では、幼い時に両親を亡くし、祖父に育てられた青年・波を鮮烈に演じている。デビュー当時からまったくタイプの違った役柄を器用にこなす清水の現在地は?

インタビューに応じた清水尋也【写真:ENCOUNT編集部】
インタビューに応じた清水尋也【写真:ENCOUNT編集部】

インタビュー6日公開の映画「青い、森」で主演

 今年、「青くて痛くて脆い」「妖怪人間ベラ」「甘いお酒でうがい」と映画出演作が相次いでいる若手実力派の清水尋也。最新作「青い、森」(11月6日公開)では、幼い時に両親を亡くし、祖父に育てられた青年・波を鮮烈に演じている。デビュー当時からまったくタイプの違った役柄を器用にこなす清水の現在地は?

――本作は過去に傷を持った青年・波の突然の失踪をきっかけに、再び失踪現場に戻る仲間2人(門下秀太郎、田中偉登)の姿を描く。台本の第一印象を教えてください。

「変わっている作品だなと思いましたね。最後も曖昧で爽快感ある作品ではないですけど、そのゆだね方がいいと思いました。答えを探す必要はなくて、大事なのはその過程。10代の彼らが時間が経って、いろんなものを見つけていき、もがく。物語は神秘的な要素が入っていて飛躍していますが、そこに伴う感情はリアル。心地いいなと思いました」

――完成作を見た時の感想は?

「僕が演じる波が消えてからの2人(門下、田中)の芝居に感動して、すごいなと思いました。僕は自分の出演シーン以外、2人になってからの芝居は見ていなかったので。門下が1つ上で、偉登は同い年。もともと中学生の時から知っているので、年上なのに呼び捨てです(笑)」

――ほぼ同い年ということで、役にすんなり入ることができましたか。

「そうですね。台本はきっちり書き込まれているわけではなく、その場で演じて決まっていた部分も多いです。監督が『ここ、いいじゃん』というノリで撮ったところもあったし、ライブ感のある撮影でした。そもそも、僕は基本的に役を作り込まないんです。台本も全体をつかむために1、2回読む程度、前日に台詞を覚えて、現場に行く。一人で芝居をするわけではないので、現場にたってみないと、分からないと思っています」

――そのやり方はいつから?

「いつからですかね……。(デビュー作の)ドラマ『高校入試』(2012年)のオーディションで役をいただいた時は、本当に何も分からない状態でした。現場にマネジャーさんも来なかったですし、芸能界のルールも知らなくて、良くも悪くも好きにやるしかなかった。ダメと言われたことはやめればいいと思っていました。なので、やっているうちに自分にはこういうアプローチが合っているんだなと思いました」

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