元テレ東・田口尚平氏が語る独立後の手応え “局アナ脱却”で自分のアンテナを研ぎ澄ます現在地
8月11日、東京ビッグサイト 西3ホールにて「TikTok for Gaming GG祭2026 - Powered by BytePlus」が開催された。人気タイトルの公式大会やステージイベント、出展ブースなど多彩なコンテンツが展開される中、総合MCの一人としてステージの進行を務めたのが、元テレビ東京アナウンサーで現在は株式会社Gamchew代表の田口尚平氏だ。イベント直後の同氏に、現場で感じたファン層の特異さ、地上波テレビとネットイベントでのMC術の違い、そして「オタクを極める」と決意して独立した現在のキャリア観について話を聞いた。

東京ビッグサイトを埋め尽くしたネットカルチャーの熱狂
8月11日、東京ビッグサイト 西3ホールにて「TikTok for Gaming GG祭2026 – Powered by BytePlus」が開催された。人気タイトルの公式大会やステージイベント、出展ブースなど多彩なコンテンツが展開される中、総合MCの一人としてステージの進行を務めたのが、元テレビ東京アナウンサーで現在は株式会社Gamchew代表の田口尚平氏だ。イベント直後の同氏に、現場で感じたファン層の特異さ、地上波テレビとネットイベントでのMC術の違い、そして「オタクを極める」と決意して独立した現在のキャリア観について話を聞いた。
会場となった東京ビッグサイト 西3ホールには、TikTokで活躍するゲームLIVEクリエイター総勢40組が集結。ステージでは『Pokemon Champions』や『Identity V 第五人格』のTikTok公式大会がリアル開催及びLIVE配信されたほか、公式アンバサダーを務めるゴンゴール(ブチギレ氏原&サカモト)やガーリィレコードらお笑い芸人・クリエイター陣も登場し、トークやパフォーマンスで会場の熱気を高めた。
音楽ライブやパズルゲーム『ブロックブラスト』の生プレイなど目まぐるしいプログラムが進行する一方、会場内には1対1でクリエイターと会話ができるファン交流ブースや限定グッズ販売、協賛企業ブースやフードエリアが並び、終日大きなにぎわいを見せていた。
来場者の中心は10~20代の若年層だが、親御さんきっかけで一緒に足を運んだ子どもたちから、40~50代の保護者世代まで客層は幅広い。普段はスマホ画面の向こう側にいる配信者やコンテンツが、大規模な物理空間にそのまま立ち現れたかのような熱量が終日会場を包み込んでいた。

「親子での来場が目立つ」TikTok LIVEならではの客層と“家族推し”エコノミー
テレビ東京時代にスポーツやバラエティーなど数々の現場を踏み、現在は「オタクを極める」を掲げてエンタメ領域で活躍する元テレ東アナウンサーの田口氏。今回、TikTok関連のオフラインイベントで初MCを務めた彼に、ステージ上から見渡した現場の印象を聞いた。
「すごい熱気でしたね。自分自身、どういう方々がクリエイターの皆さんを応援しているのか興味があったのですが、親御さんきっかけでお子さんと一緒に来られているご家族の姿が非常に目立ち、なるほどという驚きがありました。かと思えば40代、50代ぐらいの方もいらっしゃって、デモグラフィックとしては本当に幅広い。プラットフォームならではのファン層であり、マーケティングの現れだなと思いました」
田口氏がテレビ東京にアナウンサーとして入社した2015年当時と比べても、エンタメの消費構造は大きく変化しているという。
「2015年当時は、ポケモンやサンリオといった長年続いてきたIP(知的財産)を家族単位で楽しむという形が主だったと思うのですが、現在は1人のクリエイターを家族単位で推すというエコノミーが当たり前になっています。親御さんきっかけで配信を知り、お子さんと一緒に観るようになったり、逆に子供が見ているコンテンツに親が巻き込まれてファンになったりする。生活の中に深くエンタメが入り込んでいて、今のゲーム配信文脈におけるエンゲージメントの深さを現場で改めて発見することができました」

「辞めてよかった」…局アナの基礎体力と「オタクを極める」独立後の現在地
局アナを退職後、早稲田大学院でMBAを取得し、株式会社Gamchewを設立して「オタクを極める」活動を続けている田口氏。こうした熱狂的な現場の中心に立ち続ける現在のキャリアについて尋ねると、迷いのない言葉が返ってきた。
「いや、それはもう(局アナを)辞めてよかったと思っていますよ(笑)。もちろん、局アナ時代は興味の薄い領域も含めて幅広く経験させていただき、そこでアナウンサーとしての基礎体力がついたことには心から感謝しています。ただ、人生は一度きりなので、培った基礎技術を駆使して、自分の興味がありバリューが出せる領域でバリバリ仕事をしたいですね。一回り年齢が違うクリエイターたちと対等に話していても、ゲームやエンタメという共通言語があれば同じ熱量で盛り上がれる。若いカルチャーに触れ続けられるのは非常に勉強になります。いずれテレ東には仕事で恩返しができればうれしいな、と思っています」
プレイヤー(MC)として現場の最前線に立ち続ける一方で、会社代表として企業のPRやイベント制作、ビジネス支援を率いる経営者の一面を持つ田口氏。元局アナとしての発信力とMBAで培った経営的視点を掛け合わせ、エンタメ市場の構造変化と自らの役割を冷静に見極めている。
「Gamchewというチームを作って1年がたち、PRやイベント制作の領域にも手が伸びてきました。『自分たちが面白いと思うものを同じ方向を向いて伝えよう』というメンバーが集まっています。市場も追いついてきていて、熱量を持ったイベントや番組を作ることでファンエンゲージメントが高まるという認識は、IPサイドにも広がっていますよね。今回、TikTok Gamingのイベントで『Pokemon Champions』の公式称号をかけた大会が行われたのも、長年ポケモンの仕事に携わってきた身としては感慨深かったです」
今後は単なる司会者にとどまらず、IP(知的財産)とプラットフォームをつなぐ架け橋として、ビジネスの現場を駆動させていきたいと野心をのぞかせる。
「具体的には名前は出しづらいですけど、若い層へのリーチを模索している作品やメーカーはまだまだたくさんあります。そうした課題を抱えるプラットフォームとコンテンツの間に立ち、そこにしっかり刺していくような『補給線を引く仕事』ができたらいいなと思っています。同時に、今回のイベントを通して、まだ自分たちがリーチできていない層へのアプローチなど、エンゲージメントを高めるための新たな打ち手を引き続き考えていきたいですね」
※TikTokは13歳以上、TikTok LIVEは18歳以上が対象年齢。
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