爆風スランプが35年ぶり武道館単独公演、8000人が『Runner』熱唱 小泉今日子らサプライズ登場

デビュー42年目を迎えたロックバンド・爆風スランプが11日、1991年以来となる東京・日本武道館での単独公演を開催した。約8000人の観客を前に、『Runner』『大きな玉ねぎの下で』などアンコールを含む全24曲を熱演。さらにラッキィ池田、小島よしおがゲストとしてステージに立ち、小泉今日子もナレーションで登場し、35年ぶりとなる武道館公演に華を添えた。

35年ぶりに武道館単独公演を開催した爆風スランプ【写真:池村隆司】
35年ぶりに武道館単独公演を開催した爆風スランプ【写真:池村隆司】

あいにくの悪天候も「外は台風、中は爆風」

 デビュー42年目を迎えたロックバンド・爆風スランプが11日、1991年以来となる東京・日本武道館での単独公演を開催した。約8000人の観客を前に、『Runner』『大きな玉ねぎの下で』などアンコールを含む全24曲を熱演。さらにラッキィ池田、小島よしおがゲストとしてステージに立ち、小泉今日子もナレーションで登場し、35年ぶりとなる武道館公演に華を添えた。(取材・文=福嶋剛)

ポルシェ、マクラーレン、ベントレー…昭和を代表するアイドルの華麗なる愛車遍歴(JAF Mate Onlineへ)

 この日は台風15号が関東を直撃する大荒れの天気となったが、サンプラザ中野くんが「外は台風、中は爆風!」と名言を放ち、終始、悪天候を忘れてしまうくらいの熱気に包まれた。

 開演時刻の午後6時、場内に小泉今日子の『なんてったってアイドル』が流れ出すと、「日本武道館にお集まりの皆さん、こんばんは。小泉今日子です」と本人による前説アナウンスが響いた。大きな歓声に包まれる中、小泉は爆風スランプに提供してもらった『東の島にブタがいた』にまつわるエピソードを披露。「爆風スランプさんが35年ぶりに大きな玉ねぎの下に立ってくれるということで、きっと今夜も楽しいライブになると思います」とエールを送ると、「みなさん、私が『大きな』と言ったら『玉ねぎ』と返してくださいね」と客席とのコールアンドレスポンスを楽しんだ。

 小泉の前説が終わると、場内が暗転した。初期ナンバー『嗚呼!武道館』のBGMに合わせてメンバーがステージに登場し、1曲目は『大きな玉ねぎの下で』で幕を開けた。多くのファンはこの日のクライマックスで演奏されると予想していただけに、意表を突かれた形で驚きの声が上がった。

 バンドにとっては、メジャーデビューからわずか1年後の1985年、初の日本武道館公演を前に書き下ろした曲であり、ファンにとっても大切な1曲だ。この日も、入場時には屋根の上にある玉ねぎのオブジェをスマホで撮影するファンの姿が多く見られた。そんなエモーショナルなサプライズを1曲目から味わったファンは感動の表情を浮かべ、ペンライトを左右に揺らした。

 演奏を終えるとメンバーは深々と一礼。会場が感動に包まれたのも束の間、そこから一転、次は十八番のファンキーな初期ナンバーで畳みかける。中野が「You Can’t Do That むーりーだー」と叫び、ユーモラスな歌詞と超絶演奏を堪能できる『無理だ!(You Can’t Do That)』へ。平均年齢が65歳を超えたバンドだが、40年を超えるキャリアを全く感じさせないパワフルな演奏とパフォーマンスで圧倒した。続けてメンバー紹介を兼ねた定番曲『えらいこっちゃ』では、ファンキー末吉の火の出るようなパワフルなドラミング、バーベQ和佐田のチョッパーベース、そしてパッパラー河合の超絶ギターテクが次々とさく裂し、ファンのボルテージも最高潮に達した。

サンプラザ中野くんは第一声で35年分の思いを叫んだ【写真:池村隆司】
サンプラザ中野くんは第一声で35年分の思いを叫んだ【写真:池村隆司】

サンプラザ中野くんが台風直撃に「何でここなんだ!」

 中野くんは第一声で「おかえりー」「ただいまー」「おめでとうー」「ありがとうございます!」と35年分の思いを叫んだ。続けて「日本のロックバンドで35年空けて武道館でやるのは私たちが多分最初です!」と明かすと、どっと笑いが起きた。さらに「今日はどうしてもライブを見たいっていうチャンホン(台風15号)というのが外に来ていてね。わざわざ太平洋を渡って……。何でここなんだ!」と話すと、会場は大きな笑いに包まれた。

 次のコーナーでは『ひどく暑かった日のラヴソング』『月光』『リゾ・ラバ -Resort lovers-』と、今年の暑さを象徴する夏のナンバーを立て続けに披露した。演奏を終えると、改めてメンバー紹介コーナーへ。今回のサポートメンバーでキーボード奏者のジミー岩崎が紹介された。

 続いては、新たに立ち上げたファンクラブでリクエストの一番多かった曲『それから』をしっとりと歌い上げた。さらに青春ソング『涙2(LOVEヴァージョン)』、日本テレビ系『進め!電波少年』の企画でお笑いコンビ・猿岩石に贈った応援歌『旅人よ~The Longest Journey』を歌った。

 中盤には和佐田たってのリクエストで末吉がボーカルを担当し、地元愛を歌った『坂出マイ・ラブ』を岩崎と3人で演奏。観客も歌に合わせて「ヨイショー!」と大きな掛け声で場内を盛り上げた。

 次は、ライブの定番でもあるギターを抱えた謎のマスクマン・世直しマンが登場し、『世直しロックンロール』を演奏。傍若無人に暴れまくり、終盤には謎の腕立て伏せを始めるなど予測不能な展開で観客を惑わせながら、最後はヘトヘトになり倒れ込むように舞台袖へと去っていった。

 続いて、ステージに戻った中野が「あの時の中高生が!」と叫ぶと、観客が「中高年!」と大声で返す、謎のコールアンドレスポンスで盛り上がった。爆風スランプならではの独特な世界観が会場を包み込んだ。

 次のコーナーは、中野が「もったいないメドレー」と命名した、メドレーで歌うにはもったいない新旧ナンバー『神話』『IKIGAI』『THE TSURAI』『Brave Love, TIGA』『恋愛妄想ショー』『勝負は時の運だから』をパフォーマンスした。

小島よしおとスペシャルコラボレーションも【写真:池村隆司】
小島よしおとスペシャルコラボレーションも【写真:池村隆司】

ラッキィ池田、小島よしおとスペシャルコラボレーション

 演奏を終えると、「爆風スランプのみんなー、35年ぶり!」という聞き覚えのある声が聴こえてきた。すると、35年前にもゲストとして武道館に立ったラッキィ池田と10人のダンサーが登場し、観客と振り付けを楽しみながら当時を再現した『東京ラテン系セニョリータ』を踊った。66歳を迎えたラッキィだが、変わらぬスタイルとキレキレのダンスに観客も驚いた。

 演奏を終えると、今度は海パン姿の小島よしおがステージに立ち、初期の未発表曲を新たに小島とレコーディングした『よしおと爆風の、ええじゃないか盆踊り~武道館で』を日本盆踊り協会の踊り手とコラボレーション。小島は「そんなの関係ねぇ!」「オッパッピー」とお決まりのセリフで会場を盛り上げた。

 ライブも終盤に差し掛かり、中野が「ここで走る曲をやります!」と『Runner』を紹介すると、観客と大合唱に。続けて河合の切り裂くギターリフから始まる『東の島にブタがいたVol.3』を演奏すると会場のテンションもマックスに達し、本編最後となる初期ナンバーの未発表曲『ほら、アホになる』へとなだれ込んだ。

『ほら、アホになる』は、メンバーが靴をくわえてヘッドバンキングするという危険なライブパフォーマンスが恒例だが、今回は入場時に配られたオリジナルスリッパを観客もメンバーとともに手に持ったりくわえたりしながら楽しんだ。また演奏の途中には、河合、中野、和佐田の3人がステージを降り、スリッパをくわえながら客席を一周するサプライズもあった。

 ステージに戻り、スリッパをアヒルの口のようにくわえたまま頭を上下に振ってヘッドバンキングを始めると、観客も一緒にスリッパをくわえながら頭を振った。怒涛の演奏を終えると、末吉が立ち上がりガッツポーズを見せた。観客と一緒に万歳三唱で締めると、中野も「やっとできたー!」と35年ぶりの喜びを爆発させた。そして「今日をもちまして爆風スランプは……。終わりはないです」と告げると、再び会場が笑い声に包まれた。続けて「なんと2027年にツアー決定!」と発表すると、大歓声が沸き起こった。

 最後に中野が「もう一回歌わせてください。またここでライブができる日を楽しみに頑張っていきたいと思います」と締めのあいさつをし、この日2回目となる『大きな玉ねぎの下で』をアンコールで歌い上げ、公演の幕を閉じた。なお最後の曲は撮影がOKとなり、観客はそれぞれこの日の思い出をスマホに収めた。

 この日の模様は、CSテレ朝チャンネルで10月10日に放送予定。また全国ツアーは『爆風スランプ 2027 Zepp TOUR』という仮タイトルで、2027年9月から10月にかけて愛知、大阪、北海道、福岡、東京の5都市で開催されることも発表された。さらに26年11月からは東京と神戸でファンクラブ限定ライブの開催も決定し、この日演奏されなかった名曲やレア曲を披露する予定だという。

次のページへ (2/2) 【写真】爆風スランプ、35年ぶり武道館単独公演の様子
1 2
あなたの“気になる”を教えてください