『ヘキサゴン』で歌手デビューから16年…MATSURI松岡卓弥が激白、番組終了後に陥った“家なき子”の極貧生活

6人組昭和歌謡&ポップスグループ・MATSURIの松岡卓弥(36)は、メジャーデビュー2年目で充実した日々を送っている。フジテレビ系『クイズ!ヘキサゴン2』から始まった16年の芸歴。松岡がENCOUNTに、その山あり谷ありのキャリアを語った。

インタビューに応じたMATSURIの松岡卓弥【写真:高田啓矢】
インタビューに応じたMATSURIの松岡卓弥【写真:高田啓矢】

3度目のデビュー、波乱の芸能生活

 6人組昭和歌謡&ポップスグループ・MATSURIの松岡卓弥(36)は、メジャーデビュー2年目で充実した日々を送っている。フジテレビ系『クイズ!ヘキサゴン2』から始まった16年の芸歴。松岡がENCOUNTに、その山あり谷ありのキャリアを語った。(取材・文=大宮高史)

 MATSURIは昨年の日本レコード大賞でSHOW-WAとともに新人賞を受賞した。松岡自身は今年、4月期の日本テレビ系連続ドラマ『10回切って倒れない木はない』でドラマ初出演も果たした。ホテルのベルマン・夏目孝彦役で屈託のない笑顔を見せた。

「ドラマの撮影は初めてだったのですが、携わっているスタッフさんの人数に驚きました。それにセットの仕組みも面白くて。壁を取り外して撮影したり、普通の柱だと思っていたものがパッと外せたり。今まで視聴者として見ていた世界の裏側を知って、お芝居しながら感動していました」

 テレビ番組自体には、19年前から縁がある。2009年にフジテレビ系『クイズ!ヘキサゴン2』から生まれた『ヘキサゴンで歌いたい人オーディション』に応募して合格し、翌年10年に3人組ユニット・サーターアンダギーの一員としてデビューした。ライブ活動とともに『ヘキサゴン2』本編でもおバカキャラで愛された。

「僕は最年少メンバーだったので、かわいがってもらえました。ただ、ヘキサゴンという後ろ盾があってのユニットだったので、番組が終わってしまうと僕たちも1年ちょっとしか続きませんでした」

 11年9月に番組が終わり、サーターアンダギーも13年3月に解散。その後、ソロ歌手や俳優として活動を続けるも、現実は厳しかった。

「番組の看板ごと好きでいてくれたファンの方は、ソロの僕には興味がないのが現実でした。どんどん離れていって、毎週ライブをやってもお客さんが5人ということも当たり前でした。サーターアンダギーの時は寮住まいでしたが、独立したら家賃を払う余裕がなくなりました。キャリーケースだけを持って、友達の家に泊まらせてもらう時期もありました。そんな『家なき子』状態は半年くらい続きました」

 それでもアルバイトはせず、芸能一本で続けてきたが33歳の時、「突発性難聴」で活動を休止せざるを得なくなった。だが、数か月後にMATSURIのきっかけとなる秋元康氏プロデュースの「夢をあきらめるな!男性グループオーディション」を見つけた。

「もう応募できるオーディションもなくなってきました。そこに『応募条件25歳以上』の文字を見つけて、『これが受からなかったら、SNSも全て消して引退しよう』と決めて挑みました。

 選考の現場でも、退路を絶った覚悟を伝えていた。

「『これがダメだったら地元に帰ります。命懸けで来ました』と言いました。最終審査には秋元康さんがサプライズでいらっしゃいました。僕を含め何人かがその場で生歌唱をリクエストされたんですが、僕が歌い終わった時だけ、秋元さんが拍手してくれたような記憶があります。どうして僕にだけ拍手してくれたのか、いつか聞いてみたいです(笑)」

 合格者12人の1人に選ばれ、SHOW-WAとMATSURI がスタート。松岡も昨年1月にMATSURIの初シングル『アヴァンチュール中目黒』で3度目のデビューとなった。

「MATSURIは僕も含めて皆経歴がユニークですが、元看護師の鈴木渉なんてオーディションの途中で、仕事を辞めてきたそうです。僕以外にも歌手をやっていて、結果が出なくて辞めようか迷っていたメンバーもいます。それだけ覚悟を持った仲間たちだし、大人たちなので、自分ができないことを補っていける関係です」

芝居への挑戦も力強く語った【写真:高田啓矢】
芝居への挑戦も力強く語った【写真:高田啓矢】

ボーイズグループ戦国時代を生き抜く原動力

 MATSURIでも愛されキャラでいるところは、『ヘキサゴン』の頃と変わらない。

「自分では普通にしているつもりなんです(笑)。それがテレビに出て、天然とかおバカキャラって言われるようになりました。島田紳助さんにもイジってもらえて『僕って天然なんだ』と気づいて(笑)。今も性格はあまり変わっていませんが、6人いるんだから、このキャラクターでいいのかなと思います」

 兄弟グループのSHOW―WAは「デビューは彼らの方がちょっと先で、ずっと背中を追いかけてさせてもらっています。刺激になります」という存在だ。さらに世はボーイズグループ戦国時代。MATSURIが得意とする「ちょっぴりレトロでムーディーなポップス」は、他のグループもヒットさせてきた。そうした現状への本音を問うと、松岡は力強く答えた。

「確かに本当にたくさんのグループがいらっしゃいますね。でも、MATSURIにはメンバーがここに来るまでに味わってきた悔しさや、泥臭さがあります。その分、6人とも個性は強いですし、得意なこともバラバラ。個々の場所で活躍して、その力をまたグループに持ち帰ってパワーアップするような集団になっていけると思います」

 芝居への挑戦も、グループへの貢献の一環だという。

「お芝居をやっているメンバーは僕しかいないので、演技を磨いてどんどん呼んでいただけるようになりたいです。ドラマも初めてでスタートラインに立ったばかりですが、いつか主演をいただいて、その主題歌をMATSURIで歌いたいですね」

 8月から12月まで、全国10都市でのツアーを予定。かつてのように、ガラガラの客席を見て肩を落とすつもりはない。

「サーターアンダギーを知っているファンの方が、MATSURIのライブにも来てくれるようになりました。僕たちはツアーでは歌で魅せるグループらしく、アカペラにも挑戦してみようと思います。この勢いのまま僕が40歳になるまでには、絶対に日本武道館に立ちたいですね」

 令和に出現した泥臭く個性的な「歌う男たち」。現実にある戦国時代も、松岡は愛きょうと歌で生き抜いていく。

□松岡卓弥(まつおか・たくや) 1989年8月1日、兵庫県生まれ。2010年にサーターアンダギーとしてデビュー。23年に「夢をあきらめるな!オーディション」に合格し25年1月にMATSURIとして『アヴァンチュール中目黒』でデビュー。同年の日本レコード大賞新人賞を受賞。172センチ。

<MATSURI 2ndコンサートツアー>

8月8日 Niterra日本特殊陶業市民会館ビレッジホール(愛知)
8月29日 SENDAI GIGS(宮城)
9月22日 神戸新聞 松方ホール(兵庫)
10月16日 倉敷市芸文館(岡山)
10月23日 高崎市文化会館 ホール(群馬)
11月6日 Zepp Osaka Bayside(大阪)
11月23日 喜多方プラザ文化センター せせらぎホール(福島)
11月29日 福岡国際会議場メインホール(福岡)
12月6日 Zepp DiverCity(東京)

次のページへ (2/2) 【写真】松岡卓弥のインタビュー別カット
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