山村紅葉、65歳で初小説「母とは真逆」 美紗氏とのエピソード明かす「書くと母に怒られるような気が」

俳優の山村紅葉が11日、都内で行われた小説家デビュー作『祇園の秘密 血のすり替え』(双葉社)の出版記念取材会に出席した。

出版記念取材会に出席した山村紅葉【写真:ENCOUNT編集部】
出版記念取材会に出席した山村紅葉【写真:ENCOUNT編集部】

小説家デビュー作『祇園の秘密 血のすり替え』の出版記念取材会

 俳優の山村紅葉が11日、都内で行われた小説家デビュー作『祇園の秘密 血のすり替え』(双葉社)の出版記念取材会に出席した。

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 本書は、山村美紗氏が筆を置いた65歳という節目の年齢で、娘である山村紅葉が世に送り出す、特別な意味を持つデビュー作。物語は、由緒ある家に生まれた人間たちが背負う宿命と選択を軸に展開。伝統を守るための決断が、やがて次の世代に思いもよらぬ影響を及ぼしていく。京都という土地を舞台に、伝統芸能を継ぐものならではの美しさと閉鎖性、そして人間の欲望と葛藤が交錯する濃密な物語で、ラストで運命が反転する、ミステリーの新境地となっている。

 完成した本を手にした山村は「本当に書き上げられたんだっていうのが一番の感想で、母が亡くなった65歳で出版しないと意味がないと編集者の方に言われていて、エッセイは書いていましたが小説は初めてだったので、書き下ろしで一気にかなりの分量を書くのは自信がなかったんですけど、書いているうちにすごく楽しくなって、母が降りてきてくれているような気がしました」と声を弾ませた。

 執筆のきっかけについては「小さい時から詩とか読書感想文のコンクールで入賞していたんですけど、そのたびに母から『もっとこういう風に書かなきゃダメだ』とか『これは下手だ』とか散々言われて、自分には文章の才能がないと思い込んでいて、書くと母に怒られるような気がしていたんですけど、母が亡くなった歳になって生きているだけ丸もうけだし、怒る母もいないと思ったら、急に書く気持ちになりました」と打ち明けた。

 美紗氏の影響を問われると「母が本格的に小説家としてデビューしたのが40歳で、母の口癖が『今からでも遅くない』だったので、その言葉を思い出して書きました」と告白し、「書いているときはすっごく楽しかったんですが、校閲さんや営業さんから『もうちょっとこうしてください。ああしてください』という直しが大変で、母が言っていたもう一つの名言が『金もうけにラクはなし』だったので、それをちょっと思い出しました」とコメントして会場の笑いを誘った。

母からの『今からでも遅くない』の言葉を振り返りエールを送った【写真:ENCOUNT編集部】
母からの『今からでも遅くない』の言葉を振り返りエールを送った【写真:ENCOUNT編集部】

“拾われ子”疑惑や執筆の裏側を告白

 さらに、美紗氏から「あなたは三条大橋の下から拾ってきた」などと言われ、性格も真逆だったこともあり、本当の娘ではないかもと思っていた時もあったそうで「血液型も母子手帳にはO型って書いてあったのに、ブライダルチェックで健康診断を受けたらA型だったことが判明しまして、『やっぱり拾ってきた子だったんだ』って思ったんですけど、編集の方から『書くスピードが早い』とか、『文章が読みやすくて、お母さんと一緒ですね』って言ってもらったことがすごくうれしくて、もしかしたら母の本当の子だったのかもしれないと思ってちょっとうれしくなりました」と目を輝かせた。

 もし美紗氏が本書を見たらなんと言うと思うか尋ねられると「まずけなすところから始まるので、隠さないといけないですね。中学校のときに自分の詩が新聞に載ったときがあって、隠したんだけど見つかってすごく怒られた記憶があるので、隠してこっそりしておこうと思うんですけど、テレビも見るしスポーツ新聞も大好きなので、きっとバレて怒られていただろうなと思います。『こんな下手くそなものを出さないでよ、恥ずかしいから。見せてくれたら直してあげたのに』って言うと思います」と想像した。

 そして、書く上こだわった点については「意外性ですね。母もトリックとかで意外性があったし、母はいっぱい人殺していますから(笑)、私は殺すのはやめとこうかなと思って、読んだときにみんなが気持ちよくなってほしいなと思ったので、いろいろ苦労があったり、いろんなことはあっても、最終的にはどの登場人物も幸せになってほしいなと。苦労や努力が報われる結果に終わってほしいなと思ったので、その点はいろいろ考えました」と明かした。

 最後にエールを求められると「母が言っていた『今からでも遅くない』というのは、母が身をもって40から作家になっていますし、私も書けると思わなかった小説が65で書けたので、きっと無理なことはないと思います」といい、「私もこの本で、自分の無駄だったと思う経験が生きましたし、ホストクラブに行って、アフターのお寿司を食い逃げされた話とか本当なんですけど、年齢を重ねることによって不必要だったと思えることも、無駄なお金を使ったとか、無駄な時間を過ごしたということがいっぱいあると思うんですけど、年齢を重ねたからこそ出る厚みとか重みがきっとあると思うので、今の人は本当にお若いから、これから挑戦していただけたら私も励みになるので、ぜひ皆さんも、若い頃からやりたいと思っていたことでも何でも趣味でもいいと思うので挑戦してほしいですね」とメッセージを送った。

『祇園の秘密 血のすり替え』は6月17日に発売される。

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