サザン新作アルバム、約30年来のファン号泣のワケ 時空超えたアマチュア時代の“新曲”に感慨【記者コラム】
「音楽って、やっぱり気軽に楽しめるもんなんだよな」――。サザンオールスターズの新作アルバム『THANK YOU SO MUCH』を聴いて、改めてこう感じた。洋楽ロック・ポップス・歌謡曲・前衛的作品、社会派ソング……。“音楽怪獣”のサザンらしく、14曲が詰め込まれた本作も、幕の内弁当のような仕上がり。鮮やかで軽やかなサウンドに包まれた16枚目のアルバムは、これまで以上に、いい意味で“耳なじみがいい”。そして何より、歴代最高峰と言えるほど、極上メロディーの曲がそろっている。メロディーメーカーとしての桑田佳祐の才能が、あふれてこぼれ落ちている。大衆音楽のサザン、「ここに極まれり」だ。