ネイリストが“芸人の爪”を見にライブへ ネイル業界も驚くリンダカラー∞Denの発明 「芸人は視野が狭すぎる」の真意
お笑いトリオ・リンダカラー∞のDen(デン)は、決めゼリフ「JOKER」などを武器に、バラエティー番組で「カリスマ」キャラとして人気を博している。トリオの中では司令塔という立ち位置だが、その裏側には行動力と圧倒的なプロデュース能力が隠されていた。メンバーのりなぴっぴ・たいこーが活躍の場を広げるなか、彼はどのような目線でチームを導いているのか。

トリオの司令塔としての素顔
お笑いトリオ・リンダカラー∞のDen(デン)は、決めゼリフ「JOKER」などを武器に、バラエティー番組で「カリスマ」キャラとして人気を博している。トリオの中では司令塔という立ち位置だが、その裏側には行動力と圧倒的なプロデュース能力が隠されていた。メンバーのりなぴっぴ・たいこーが活躍の場を広げるなか、彼はどのような目線でチームを導いているのか。(取材・文=島田将斗)
圧倒的な自信と独特のオーラを放っているが、そのこだわりは指先にまで及んでいた。取材当日、Denの爪には特徴的なネイルが施されていた。
「まあ最初は話のタネになればいいかなと思ったんですけど……やってみたらね、こだわっちゃうんですよ。これパコッてくっつけたら僕の名前になるんですけど」
そう見せてくれたのは人差し指、中指、薬指の爪を合わせると「DEN」という文字が浮かび上がる“ギミック”。芸術的な指先をしているが、この独自デザインを見るために、ネイリストがわざわざライブへ足を運んできたこともあるという。
「これね、業界で発明らしくて。このネイルを見るためだけにネイリストが3人ライブに来たんですよ、わざわざ。僕の功績ですね、これは」
「発明する人はカリスマ」と笑うが、彼の行動力はネイルのデザインにとどまらない。パーソナリティーを務めるラジオ番組『サクラバシ919』では、自らスポンサー探しに動いているという。
「いやぁわけ分かんないっすけどね。社長さんとかトップの人って僕みたいなキャラめっちゃ好きなんですよ。それは上からもの言われることないから。僕はそういう社長さんに対しても別に忖度なく、対等にしゃべるから、キャラクターの性質上、ものすごく好かれるんですよ」
社長など集団のトップがいる場での仕事も増えているという。地方営業中には社長と意気投合することも。番組のために、そんな社長らとの会食を自らセッティングしてスポンサー営業を行っている。その根底には「とにかくまず動く」という強いマインドがある。
「とにかくまず『動く』は本当に僕の中では大事にしてる。りなぴっぴ入れたときも『先入れちゃえばいいか』みたいな。後からいろいろ……ついてくるもんだしって。お金とかも同じだと思っているので、動いた結果お金がついてくればいいなとか、人がついてくればいいなみたいな。失敗は当たり前なものだと思って動いてるかもしれないですね」
トリオの紅一点であり、独特の空気感を生み出しているりなぴっぴの加入も、最初は直感だったという。
「直感のほうが強いです。その上で『なぜ?』みたいなところを自分の中で言語化していったという感覚。一応自分が行った行動に関しては、なるべく言語化できるようにしています。感覚で~とか言ってたら、マジ天才ぶってる奴だと思われる。こういう理由で、こういう風にしたとは言えるようにはしています。りなぴっぴに関しては、最初から大喜利は強いなとは思っていましたけど」
そんなりなぴっぴはモデルやタロット占いなど、さまざまなジャンルで活躍の場を広げている。トリオの司令塔として、メンバーの自由な活動をどう捉えているのだろうか。
「『やりすぎだぞ?』って思う部分もありますけど(笑)。本音を言うと『ガンガンやりなさい』という感じですね。『好きにやりなさい』が本音。基本的には僕、りなぴっぴには何の制限もしたことないんですよ、聞かれたことに対してしか答えてない。好きなことやって、それでそっちが伸びれば。着地はこっちが作ればいいだけですから」

メンバーの読めない行動「笑いにするのが自分の役目」
「放任主義」という司令塔としての度量を示す、エピソードがある。
「先週ぐらいにりなぴっぴから『なんかちょっとヨーロッパ旅行行きたいですぅ』って言われたんです。『ダメですか?』って言われて。でもこれ『ダメ』っていうのはすげー簡単なことだなと思って。『もう休ませて行かせちゃおうかな、自分が思ったときに行ってこい』って言いました。その間に仕事が入ったとしても、りなぴっぴがいないということを僕やたいこーが笑いにすればいいだけ。着地はこっちでケツ持つし、正直リモートでりなぴっぴが収録やってても面白いかなって(笑)」
メンバーが勝手に行動したものを「笑いにするのが自分の役目」と言い切る。
「まあ一番悪は結局何も動かないこと。だからとにかく『好きなことやっていいんじゃない』って、言ってますね。意外と他のお笑いの人って、『なんでお笑いも頑張らずにそんなことやってるの?』って思ってる人が結構いると思う。『なんでこっちはネタ作ってんのに、お前は旅行とか行ってんだよ』って。僕はどちらかというと、その事象やトピックを振りにして笑いにしたほうが面白いかなみたいなスタンスでやってますね」
すべてを笑いに昇華させる器の大きさと、客観的なプロデュース視点。話題は「令和のお笑い芸人の生き方」へと及んだ。Denは、現代の芸人たちが抱える“弱点”を鋭く指摘した。
「今のテレビ業界とかそのメディアって、テレビの中で頑張るのも大事なんですけど、ここ(お笑いの中心)でめっちゃ跳ねるより、お笑い以外のことで跳ねた方がいいんです。その肩書きで逆輸入的に呼ばれることのほうが、今の時代は大事。最終的にはお笑いに落ち着かせるみたいなのができたら一番いいかな、っていう風に僕は思うんですけど。で、この芸人という生き物は視野が狭すぎてこれ気づいてないです」
ネタ作りには長けていても、自分自身をどう売るかという目線が抜け落ちていると同業者の背中を叩く。
「芸人ってネタを作る、ネタのプロデュースはめちゃくちゃうまいんですよ、ただ自分のセルフプロデュースは死ぬほど下手なんですよ。あんな面白いネタ書けるんですよ? ただ自分の売り方を全く分かってないです。たぶん令和の芸人って、その辺をうまく使わないと、やってけないんだろうなと思います
的確に時代の需要を読み解いている。今後の野望は他人をプロデュースすることだという。
「いずれ僕アイドルのプロデュースをしてみたいんですよ。僕の理想は僕の名前を全部隠してコンセプトアイドルを作って、それが売れたときに、例えば武道館(ぶどうかん)でやったときに、『プロデューサーをちょっとお呼びします』って。すっごいスモーク炊いた中から僕が出てくるっていうのがまあ(笑)。そんな野望もありますね」
メンバーの自由な挑戦を笑いに変え、「着地はこっちでケツを持つ」と言い切る圧倒的な器の広さ。Denが“理想の上司”として、世のビジネスマンから羨望のまなざしを向けられる日もそう遠くはないだろう。
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