桑田佳祐、古希を迎えたソロ活動にあふれる挑戦心 最新曲は驚きの連続…ファンに愛され続ける“人たらし”

古希を迎えて、お祝い返しかのようにぶち上げた「サプライズ新曲」に、一発で魅了された。桑田佳祐の最新曲『人誑し / ひとたらし』。イントロのイケイケなギターが高揚感をぐっと高め、ライブで会場が一体となって盛り上がること間違いなしのナンバーだ。70歳になった桑田が打ち出したキャッチコピーは「NEW 70’S ここからが始まりでしょ」。“まだまだこれから”ということをさらりと言ってのける。みなぎるパワーに圧倒される。真夏の全国アリーナツアーも決定し、チャレンジ精神にあふれて勢いの増す桑田。ファンにとって大忙しの2026年になりそうだ。

新曲『人誑し / ひとたらし』を発表した桑田佳祐
新曲『人誑し / ひとたらし』を発表した桑田佳祐

落語の要素もちりばめられた新曲『人誑し / ひとたらし』

 古希を迎えて、お祝い返しかのようにぶち上げた「サプライズ新曲」に、一発で魅了された。桑田佳祐の最新曲『人誑し / ひとたらし』。イントロのイケイケなギターが高揚感をぐっと高め、ライブで会場が一体となって盛り上がること間違いなしのナンバーだ。70歳になった桑田が打ち出したキャッチコピーは「NEW 70’S ここからが始まりでしょ」。“まだまだこれから”ということをさらりと言ってのける。みなぎるパワーに圧倒される。真夏の全国アリーナツアーも決定し、チャレンジ精神にあふれて勢いの増す桑田。ファンにとって大忙しの2026年になりそうだ。(文=吉原知也)

 アコースティックギターをかき鳴らす曲の始まり。エレキギターの怪しいリフが一気に弾ける。躍動感あるビートに乗りながらも、桑田のセクシーで独特な歌い回しが印象的で、“聴かせる”楽曲にも仕上がっている。サビで「Jump and Shout!!」などの英語歌詞を叫ぶ部分があるのだが、きっとライブ会場ではファンみんなでシャウトをして盛り上がるはずだ。

 歌詞にも、「論破」「ガラスの天井(当て字で『そら』と歌唱)」など、日本の今を切り取るような言葉がちりばめられ、落語の言い回しも入っている。4月3日に先行配信スタート、6月24日にCDシングル発売の『人誑し / ひとたらし』は、多面的で、不思議な魅力が詰まっている。

 何より、今までで“耳にしたことがない”作風だ。1978年のデビューから48年。サザンオールスターズのバンドで、またはソロ活動で、毎年必ずと言っていいほど新曲を出し続けている桑田の才能とバイタリティーは、世界を見渡しても音楽界屈指だと言える。これまで数えきれないほどの曲を作り、歌詞を書いてきた。70歳の年に発表した最新曲が、昔の曲と“かぶってない”ことに衝撃を覚える。これが、常に変化と新しさを追求する桑田の真骨頂だ。

 毎回ファンをびっくりさせる桑田らしさにも感服した。昨年2025年はサザンの新作アルバムに全国ツアーで、“サザンの1年”になった。年明けに筆者は「今年は桑田ソロかなあ」と想像していた(今年はサザンかソロかを年始にぼんやりと予想するのは“ファンあるある”でもある)。26年は、かつて桑田が結成したロックバンド・KUWATA BANDの40周年のメモリアルでもあるので、「まさかのサプライズがあるかも」といった妄想も膨らませていた。

 2月26日、桑田の70歳の誕生日。ソロ新曲リリースや全国ツアー開催など、どかんとニュース発表があり、度肝を抜かれた。

 心をわしづかみにされたのは、『人誑し / ひとたらし』のイントロをBGMにしたティザー映像(告知映像)だ。舞台は能楽堂。2人の能楽師がいる舞台に、全身黒づくめで足袋を履いた桑田が神妙な面持ちで現れ、座って“お辞儀”をする。エレキギターを弾くかっこいい姿も挿入され、そして、「ここからが始まりでしょ」のキャッチコピーがどんと表示される。50秒足らずだが、伝統芸能を取り入れた斬新で独創的な映像表現。何度見てもしびれる。ちなみに、桑田の弾くギターは、桑田が敬愛するザ・ビートルズのジョン・レノンが使っていたエピフォン・カジノのようなモデルに見える。ギター好きとしては心震えるものがある。

真夏の全国アリーナツアー決定で大反響

 今年のソロ活動は、挑戦心をひしひしと感じる。完全書き下ろしの『人誑し / ひとたらし』は、落語をテーマにした漫画が原作のテレビアニメ『あかね噺』(テレビ朝日系、4月4日から放送開始)のオープニング主題歌だ。桑田がアニメ主題歌の作詞・作曲のいずれも手がけるのは、デビュー以来のキャリアで初めてだという。また、情報解禁時に公開されたスペシャル映像では、桑田本人がアニメのアフレコを行っている。これもかなりレアな試みだ。

“初めて尽くし”は続く。真夏の全国アリーナツアーだ。7月から9月まで、全国10カ所22公演を予定。サザンオールスターズとして全国ツアーを開催した翌年に、桑田佳祐ソロとして大規模ツアーを開催するのは「キャリア史上初」とのことだ。この精力的なライブ活動。全国に住むファンに会いに行くという桑田のファン思いの心意気が伝わってくる。

 しかも、10か所中5か所が、ソロとしてもバンドとしても初めて訪れる会場だ。Kアリーナ横浜、GLION ARENA KOBE、TOYOTA ARENA TOKYOなど、近年開業したフレッシュな会場で桑田のライブパフォーマンスが見られることも注目ポイントだ。

 安直な表現かもしれないが、多くのファンに長く愛され、ファンの人生に元気を与え続ける桑田佳祐こそ、最高の「人たらし」。“進化が止まらない音楽”を、今年も存分に楽しんでいきたい。

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