山崎育三郎「昔のSMAPさんのように」 令和のボーイズグループ発掘で掲げた異例の審査基準

ミュージカル界のプリンスとして絶大な人気を誇る俳優・山崎育三郎(40)が、新たな挑戦に踏み出した。自身がプロデュースする日本初のミュージカル×ボーイズグループオーディション『OK!Diamonds』だ。最大の特徴は「ジャッジしない」という異例のコンセプト。そこには、昭和のスパルタ指導で苦痛を味わった山崎自身の原体験と、次世代のエンターテインメントへの壮大な野望があった。

インタビューに応じた山崎育三郎【写真:舛元清香】
インタビューに応じた山崎育三郎【写真:舛元清香】

日本初ミュージカル×ボーイズグループオーディションをプロデュース

 ミュージカル界のプリンスとして絶大な人気を誇る俳優・山崎育三郎(40)が、新たな挑戦に踏み出した。自身がプロデュースする日本初のミュージカル×ボーイズグループオーディション『OK!Diamonds』だ。最大の特徴は「ジャッジしない」という異例のコンセプト。そこには、昭和のスパルタ指導で苦痛を味わった山崎自身の原体験と、次世代のエンターテインメントへの壮大な野望があった。(取材・文=平辻哲也)

 オーディションは募集開始からまだ10日ほどだが、すでに山崎のもとには想像以上の応募が殺到している。

「本当に幅広い年齢層に参加していただいています。クラシック出身の方からJ-POP、R&Bまで、すでに初めて見るようなポジションになっているという実感がありますね」

 送られてきた動画の第一声を聞いただけで、人の心をつかむ“原石”との出会いもすでにあったという。

 このグループで山崎が目指している青写真は、非常にスケールが大きい。

「コンサートもできれば、もしかしたらミュージカルも作れれば、この子たちで映画もできるかもしれない。ドラマもできるかもしれない。番組を持ってバラエティーまでも、という意味では、昔のSMAPさんじゃないですけど、僕はなんかすごい面白い、何でもできる、この令和時代にふさわしいグループを作れる可能性があるんじゃないかなと思っているんです」

 そんな未知の可能性を秘めた才能を集めるにあたり、最も目を引くのが「ジャッジしない」とうたっている点だ。そこには、山崎自身が若いころに経験した厳しいオーディションや稽古場への強烈なアンチテーゼがある。

「自分自身が割とジャッジをされてきたんです。昭和のあの雰囲気の中で、毎回オーディションは威圧感を感じていましたし、稽古場の空気もピリピリしていました。自分が表現する以前の戦いがいつもあって、自分が自由に表現できない空間だから、ずっと苦しくて。やったことに対して罵倒されたり、今の時代じゃ言えないようなことも言われて悔しい思いをたくさんしました」

山崎育三郎が日本初ミュージカル×ボーイズグループオーディションをプロデュース【写真:舛元清香】
山崎育三郎が日本初ミュージカル×ボーイズグループオーディションをプロデュース【写真:舛元清香】

転機となった演出家ダレン・ヤップ氏との出会い

 厳しい環境ではい上がるには、体育会系の根性が必要だった。

「本来ならもっと繊細だけれども魅力的な方は、あの時代に埋もれてしまったかもしれない。いつか自分がこういう立場になったら、そういうのは絶対にやめようと思っていました」

 転機となったのは2014年ごろ、20代半ばだ。ミュージカル『ミス・サイゴン』の新演出を手掛けた演出家、ダレン・ヤップ氏との出会いだった。

「オーディションのときから何をやっても褒めまくるんです。『全部正解だよ。君たちがやっていること全部美しいし素晴らしい』と。とにかく否定しないで受け止める。それぞれを信じて自分らしくいられる空間を作ったときに、素晴らしい稽古でありシーンが生まれました」

 さらに山崎は、日本のエンタメ界が抱える独特の空気感にもメスを入れる。

「ブロードウェーを見に行ったとき、それぞれの観客が自分の感性で面白かったら『うわあ』って言うし、つまらなかったら『あああ』って感じる。日本人の繊細な部分でもある“共感の文化”が、周りが今拍手しているかとか、自分が本当は面白いと思っても迷惑をかけちゃいけないと思って笑いはこらえるとか。みんなの空気を読んでみたいなものが、どっか邪魔するところがあって」。だからこそ、ある意味で空気を読まずに「行けちゃう強さ」が大事なのだと語る。

「ミュージカルの今の俳優さんを見ていても実は、ミュージカル俳優を目指していたわけではなくて、いろんな人生の流れで自分が輝く場所がミュージカルだったっていうメンバーもたくさんいて。僕のように子どものころから目指してた方が少数派なんです」

 ミュージカルは誰がやってもいい場所であり、ピースがはまればいろんな人にチャンスがある。「とにかく来てくださった方は自分らしくそこにいてほしい」と山崎。ジャッジの恐怖や“空気を読む文化”から解放されたとき、人はどれほどの輝きを放つのか。山崎が発掘する“ダイヤモンド”の誕生が待ち遠しい。

□山崎育三郎(やまざき・いくさぶろう)1986年1月18日、東京都生まれ。12歳だった1998年『アルゴミュージカル』で主演。2007年にミュージカル『レ・ミゼラブル』のマリウス役で抜てき。以降、『モーツァルト!』『エリザベート』など数々の名作に出演し、“ミュージカル界のプリンス”としてけん引。15年のTBS系連続ドラマ『下町ロケット』を機に映像作品へも本格進出し、近年の主な出演作にNHK連続テレビ小説『エール』、NHK大河ドラマ『青天を衝け』、テレビ朝日系の主演ドラマ『リエゾン -こどものこころ診療所-』などがある。俳優業のほか、歌手活動や日本テレビ系『おしゃれクリップ』のMCなど多岐にわたり活躍。25年は自身が企画して実現したミュージカル『昭和元禄落語心中』が10万人を動員する大ヒットを記録した。

□オーディション概要
山崎育三郎プロデュース 日本初のミュージカル×ボーイズグループオーディション『OK!Diamonds』
応募期間: 2026年3月6日(金)午前8時~4月7日(火)午後11時59分
応募資格:男性(年齢制限なし)。特定の芸能プロダクションなどに所属していない国内在住の方。
応募方法:公式サイトの応募フォームより、自身を解放した自由な「歌唱パフォーマンス動画(ジャンル不問、1分以内)」を送付(1次審査)。
2次審査(面談審査):2026年4月29日、5月16日に東京、5月4日・5日に大阪、5月23日に福岡にて実施予定。
合格後の活動:株式会社研音/株式会社ソニー・ミュージックレーベルズの専属アーティストとして、グループ・ソロ問わず各種芸能活動(オリジナル楽曲のリリース、ライブ活動、ミュージカル出演など)を行う。

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