GoToトラベルが山谷にもたらす影響は? 格安ホテル「もう限界です」悲痛…現地ルポ
キャンペーンそのものが格安宿泊施設に追い打ちをかける可能性も
裏通りにあるゲストハウスのスタッフは「うちはそもそも認可が下りなかった。メールだけ来て、理由は教えてくれません」と漏らす。一方、軒先に「1泊2250円」と書かれたある宿泊所の管理人は「8月くらいに事務局からの通知は来ましたけどね、うちなんかはやってもしようがないですよ。ほとんどが定住者の方。生活保護には関係のない話。はなから期待なんかしていない」と諦め顔だ。
さらに、今回のキャンペーンが恩恵となるどころか、それらの格安宿泊施設に追い打ちをかける可能性もあるという。おしゃれな外観が印象的なあるモーテルでは「実は、9月までの方がまだ予約が入ってました。それが10月1日になった途端パッタリ。高級ホテルにお客さんが流れてるんです。国が補助金を出すということで、いい面ばかりが報じられていますが、われわれみたいなモーテルやドミトリーはGoToで潰されると思ってる。キャンペーンが終わったら高級ホテルしか残らないということもありえますよ」と皮肉な現実を口にする。
「もうご覧になってきたかと思いますが、外国人が来ない、仕事もない今の山谷には、生活保護受給者しかいない。このままではかつてのドヤ街に逆戻りするどころか、もっとひどいことになるかもしれません」
格安ホテルとインバウンド需要が結びつき、ようやくネガティブなイメージを払拭しつつあった山谷。GoToキャンペーンが終わったあと、そこにはどんな光景が広がっているだろうか。
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【写真】「玉姫公園」の様子