GoToトラベルが山谷にもたらす影響は? 格安ホテル「もう限界です」悲痛…現地ルポ

東京・山谷にあるホテル(一部加工をしています)【写真:ENCOUNT編集部】
東京・山谷にあるホテル(一部加工をしています)【写真:ENCOUNT編集部】

「安いビジネスホテルはもう限界です」

「お客さんにもいろんな方がいますが、多くはお仕事で長期滞在される方やリタイアされた方。前払いで10泊取って、5泊で仕事が終わってキャンセルということもあるが、その際にはキャンセル分のクーポンを返してもらわないといけない。でも、たかだか数千円分のクーポンなんて1日で使っちゃうでしょ。その場合は現金で回収しろと事務局は言うわけです。そんなこと言えるわけがない」

 仮に、感染が拡大しGoTo対象地域から除外された場合、その日からすべての宿泊料金が正規料金となり、それまでに配布したクーポンの回収もすべて宿泊施設が担当することになる。「基準が高級ホテル。宿泊料金が前払いのところや、10泊や場合によっては1か月以上も長期滞在するケースがあることを分かってない」と不満を漏らす。

 それでも、給付金の申請が通っただけこの辺り一帯の宿泊施設では恵まれたほうだ。感染が流行し始めた3月からずっと休業を余儀なくされているという向かいのホテルでは「1日からGoToが始まったので約半年ぶりに開けてみましたが、まだ3人くらいしか来てませんよ。やっぱり安いホテルじゃGoToのお得感がないから、客足が戻ることはない。都の補助金も1泊9000円以上の宿泊施設でないと下りないし、安いビジネスホテルはもう限界です」と切実な思いを吐露する。

次のページへ (3/4) キャンペーンそのものが格安宿泊施設に追い打ちをかける可能性も
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