飲み物にも「セキュリティー」を 指紋認証付きボトルが特許取得、異物混入や取り違えを防ぐ新習慣

近年、飲料への異物混入や、学校や職場での「水筒の取り違え」などが相次ぎ、「飲み物の安全」を意識する動きが広がっている。そうした中、本人の指紋でのみ開閉できるスマートボトル「c-mon(シーモン)」が、構造上の独自性を評価され特許を取得した。販売する株式会社ハスラックに開発の背景を聞いた。

本人の指紋でのみ開閉できるスマートボトル「c-mon」
本人の指紋でのみ開閉できるスマートボトル「c-mon」

「飲み物にも安全管理という選択肢を」という発想から開発

 近年、飲料への異物混入や、学校や職場での「水筒の取り違え」などが相次ぎ、「飲み物の安全」を意識する動きが広がっている。そうした中、本人の指紋でのみ開閉できるスマートボトル「c-mon(シーモン)」が、構造上の独自性を評価され特許を取得した。販売する株式会社ハスラックに開発の背景を聞いた。

「c-mon」は、登録した本人の指紋でのみ開閉できるロック機能を備えたスマートボトル。飲み物の容器にセキュリティー機能を持たせることで、「飲み物にも安全管理という選択肢を」という発想から2025年6月27日に先行販売された。価格は500ミリリットルが6980円(税込み)、320ミリリットルが6600円(税込み)。

 ネット上は「なんて便利なボトル」「すごい!」「水筒に指紋認証って天才すぎん?」「未来感ある~!」といった声が上がった。

 背景にあったのは、飲み物を取り巻く日常の環境。学校や塾、職場の共有スペース、スポーツジムなどでは、飲み物は手元から離れる機会が多い一方、第三者が触れられる距離に置かれがち。こうした状況を同社では“日常の隙間にあるリスク”と捉え、いたずらや取り違え、誤飲といった不安を軽減するため、「本人だけが開けられるボトル」という発想に至ったという。

 利用シーンは幅広い。学校や塾、習い事で机や共有スペースにボトルを置く場面のほか、部活動やクラブ活動など人の出入りが多い環境、公園やイベント、スポーツ観戦など荷物から目を離しやすい場面など多岐に及ぶ。誤飲防止に加え、取り違え防止や「勝手に開けられない」という心理的な抑止効果も期待されている。

 開発で最大の課題となったのは、指紋認証センサーを飲料ボトルに搭載することだった。センサーは精密機器のため、水分や結露、汚れ、衝撃といった日常環境に耐えられる構造が必要になる。特に、水回りでの使用を前提としたセンサー周辺の防湿・結露対策には重点を置いたという。また、認証から開閉までのスピード、誤作動を防ぐ仕組み、携帯性やメンテナンス性など、日常的な使いやすさとの両立にもこだわった。

 今回の特許については、「こうした“日常環境で成立させるための構造上の工夫・開閉機構まわりの独自性”が評価されたものと捉えています」と説明する。一方で「まだまだ改良できるとも考えていますので、今後も商品開発を進めていきます」としており、今後も商品開発を進めていく方針だ。

指紋は最大15件まで登録可能

 当初は子ども向けや保護者の安心を主な用途として想定していたが、実際にはオフィスやスポーツジムなどでも「共有スペースに置いても安心」「衛生的に自分専用を守れる」といった声が寄せられているという。想定を超えて、さまざまなシーンで需要が広がりつつある。

 ボトル本体には耐食性に優れたSUS316ステンレスを採用しており、スポーツ飲料などの使用にも対応する。ただし炭酸飲料は、内圧変化による構造への負荷が大きくなる可能性があるため推奨していない。つけ置き洗いやキャップユニットの食洗機使用も、センサーなどの精密部品保護の観点から不可としている。なお、ボトル本体のみであれば食洗機の使用は可能。

 日常の手入れとしては、洗浄後にセンサー周辺の水分を拭き取り、しっかり乾燥させることが推奨されている。

 利便性の面では、指紋は最大15件まで登録可能。家族での共有や、左右の指を登録して使うことにも対応する。充電はUSB Type-Cで行い、満充電の場合、1日20回の開閉を想定して約2~3か月使用できるとしている。

 飲み物を「本人だけが開けられる」という新しい発想のボトル。特許取得を機に、日常生活における飲料の管理のあり方に新たな選択肢を提示する製品として注目されそうだ。

次のページへ (2/2) 【写真】株式会社ハスラックが取得したスマートボトル「c-mon」の特許証
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