親友の結婚がきっかけで婚活スタート…結婚相談所で知り合った男と結婚した女の末路
一緒にいると楽しいけれど、価値観の相違でもやもや…
智さんとの真剣交際が始まり、“結婚”を意識するにつれて「本当に彼でいいのか?」と考えることもあった。
「価値観の相違といいますか……。私は、1泊2日の旅行に行くなら温泉宿とかリゾートホテルに泊まりたいと思うのですが、彼は素泊まり3000円みたいな宿を選ぶ。もはや何色かも分からないくらい色の褪せた服を着たり、ゴルフバッグも底が抜けかけているものを使っていたり……。私よりも稼いでいるし、お金がないわけではない。よく言えば“倹約家”ですが、ただのケチというか……。デートの翌朝に、食事代の割り勘の請求がきたりして、せっかくの楽しい気持ちが台無しになることもありました」
それでも一緒にいる時間は楽しいし、コロナ禍でなかなか会えない期間も乗り越えて、交際期間が1年経った今年5月に結婚することになった。緊急事態宣言の解除後、奈津子さんは智さんの家に引っ越し、新婚生活をスタートさせる。
未だ続くコロナ禍の影響で義母に反対された結婚式
緊急事態宣言が解除された後もコロナ禍の影響がおさまることはない。奈津子さんの実家は山梨で、智さんの実家は千葉。智さんは山梨まであいさつへ行ったものの、両家の顔合わせはまだできていない。新型コロナの感染拡大を理由に、智さんの母親が拒否しているという。
「私は智さんの両親にあいさつしました。でも、私の両親が千葉へ出向くと言っても両家のあいさつは、『奈津子さんのご両親が新型コロナに感染したら大変でしょう』と、相手の両親から言われて実現していません。結婚式場の下見もして、人気の式場だから早々に仮予約を入れていたけれど、それもお義母さんからの『今やらなくてもいいでしょ』の一言で、キャンセルすることになりました」
コロナ禍だから、仕方がないか……と思っていた矢先に、唖然とすることが起こった。
「私が家にいない時に、お義母さんが千葉から片道1時間かけて電車に乗って、夫に会いに来ていたんです。そのたびに手料理を持ってきていて……。私が家に帰ると、冷蔵庫の中にタッパーに入ったおかずがいくつも入っていました。私も働いているし、ろくに料理も作っていないと思われているのかもしれないと思うと悲しくなります」
義母は物腰も柔らかく、結婚することも喜んでくれたそうだが、智さんは末っ子長男で、義母は未だに智さんにべったり。家族構成は知っていたものの、そこまでの関係だったとは予測できなかったという。生活費は完全に折半。奈津子さんの方が仕事の帰りが遅い日でも、智さんは炊飯器のスイッチすら押してくれず、洗濯物のたたみ方に“注文”をつけてきたりすることも。
「結婚できたけど、自分のしたかった結婚ってこれだったのかな? と思います。まぁ、子どももいないし、無理! もう限界! となったら別れたらいい……という気持ちがいつも心のどこかにあります。だからこそ結婚できたのかもしれません」
理想的な男性と出会い、結婚することができて幸せをつかんだはずなのに、明るく話すその表情はどこか満たされない感情がにじんでいた。