時価1億円のポケモンカードがまさかの価格に…ただでは済まない中古市場のワナ プロも見分け困難
今年、シリーズ30周年を迎えた「ポケモン」。2027年にはシリーズ最新作「ポケットモンスター ウインド・ウェーブ」の発売が決定、アニメやグッズ展開など幅広い分野で絶大な人気を集める世界的コンテンツとなっている。ポケモン人気が過熱するなか、価格が高騰し、大量の買い占めや転売行為などの問題も起きているのが「ポケモンカードゲーム」だ。カードショップを狙った盗難や強盗事件も発生するなか、ネット上のフリマサイトでは中国製とみられる偽造品が出品、トラブルが相次いでいる。いったい何が起こっているのか。ポケモンカードを投資対象として売買する“ポケカ投資家”に、詳しい話を聞いた。

大量の偽造品が市場に流れ、多くの店舗で買取停止の措置が取られたことも
今年、シリーズ30周年を迎えた「ポケモン」。2027年にはシリーズ最新作「ポケットモンスター ウインド・ウェーブ」の発売が決定、アニメやグッズ展開など幅広い分野で絶大な人気を集める世界的コンテンツとなっている。ポケモン人気が過熱するなか、価格が高騰し、大量の買い占めや転売行為などの問題も起きているのが「ポケモンカードゲーム」だ。カードショップを狙った盗難や強盗事件も発生するなか、ネット上のフリマサイトでは中国製とみられる偽造品が出品、トラブルが相次いでいる。いったい何が起こっているのか。ポケモンカードを投資対象として売買する“ポケカ投資家”に、詳しい話を聞いた。
今年2月、アメリカのオークションで希少価値が極めて高い幻のレアカード「ポケモンイラストレーター」が約25億円(約1650万ドル)で落札、トレーディングカード史上最高額としてギネス世界記録を更新した。一方、年々高騰化するポケモンカードを巡っては、転売目的の大量買い占めなどの問題行為が横行。カードショップへの盗難や強盗被害も相次いでおり、昨年8月にマクドナルドのハッピーセットとコラボした際には食品の大量投棄が発生するなど、大きな社会問題となっている。
そんななか、カード愛好家が注意を呼び掛けているのが、中国製とみられる「偽造カード」の存在だ。ネット上のフリマサイトでは、時価1億円とも言われる「旧裏・初版 かいりきリザードン」に対し、3500円という破格の値段設定がなされている。他にも、前述の「ポケモンイラストレーター」が4万9500円など、通常の相場ではあり得ないほどの安価で出品されている。相場に対し異様に安いということを除けば、本物のカードとは見分けがつかないほど精巧な作りで、その多くは中国系の通販サイトを介した出品となっている。
「これだけ相場と価格が乖離(かいり)していれば、普通はすぐにおかしいと分かりますが、ポケモンカードを始めたばかりの人や、これだけ精巧な偽物が出回っていると知らない人は、お得だと思ってつい飛びついてしまうこともある」と語るのは、ポケモンカードを投資対象とした「ポケカ投資」で利益を得ているムンピカさん。
ポケカ投資とは、カードショップなどで人気が高く状態のいいカードを仕入れ、カード専門の鑑定機関を通じて価値の保証をした上で再度売却、差額で利益を得るという投資方法で、株や仮想通貨同様、近年若い世代を中心に市場が拡大。株トレーダーでもあるムンピカさんは、SNSを通じ、カード相場の分析や売買の注意点といった有益情報を発信している。
「鑑定されたカードは鑑定時の状態を保存するため、専用の樹脂性ケースでレーザー圧着され、基本的に取り出すことができなくなります。ケースには鑑定価値を証明するシリアルナンバーや偽造防止のホログラムなど、高額紙幣にも劣らないほど処理が施され、その価値が保証されるという仕組みになっています。
ただ、数年前からこのケースやホログラムまでも偽造したカードが出回っており、23年頃には大量の偽造品が市場に流れ、多くの店舗で買取停止の措置が取られたこともありました。詳しい人はホログラムの反射や微妙な印刷のズレなどで見分けることができますが、一般の人の判別はまず不可能。フリマサイトの写真のみで、実際に現物を前にしないとプロでも判別は難しい。中には写真自体は本物で、購入して送られてきたものが偽物というケースもあります」
しかし、なぜ何十万円、場合によっては何億円もするような高額カードの偽造品が、破格に安い設定で出品されているのか。ムンピカさんは「出品者側への訴訟リスクを下げるための予防線では」と見解を語る。
「被害額が何十万円、何百万円となれば訴えてくる人は多いでしょう。一方、数千円程度であれば訴訟費用の方が高くつき、現実的には泣き寝入りせざるを得ない。そこうまくつけ込んだ価格設定になっているのかなと。他にも『鑑賞用』『展示品』『海外品』『ACG』など、偽造品であることを示唆する隠語が記載されているケースもあります。あくまでも偽物ですよと記載することで、訴訟された際の言い訳になるということでしょう」
現状は相場より極端に安いという点で判別可能な偽造カードだが、1枚3500円という価格設定が妥当かどうか、カードを始めたばかりの子どもや保護者には判断がつかない。当然、メーカーに対しては深刻な著作権侵害にもあたり得る。
「偽造カードは個人がコピー機で複製したようなものではなく、明らかに工場で大量生産されたものです。今のところ、実物が手元にある状態でルーペやブラックライトを用いれば判別が可能ですが、カードの偽造技術は紙幣などにも応用が利くもの。公式メーカーの対応は全く追いついていないのが現状です」
たかがカードでは済まない、深刻な事態にもつながり得るポケカ偽造。早急な対応が求められている。
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