土村芳、うそで男を転落させる魔性のヒロイン役に「この生き物はなんだろうって」

撮影は昨年の夏「現場はとにかく暑くて…」【写真:荒川祐史】
撮影は昨年の夏「現場はとにかく暑くて…」【写真:荒川祐史】

森崎ウィンと初共演「何度も引っ張っていただきました」

――すごく難しい役だなと思ったのですが、ご自身の難易度は?

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「難しかったです。ただ、撮影前に台本が全て出来上がっていたこと、深田監督演出のもと事前に共演する方々とリハーサルをさせていただけたことで、少しずつ浮世さんに近づいていけた感覚があります。1人ではもっと苦労していたと思うので、とてもありがたかったです」

――けいこがあったのは大きかったですか?

「作品の雰囲気とか空気感を知り得たってことがすごく大きかったです。おかげで撮影も変に余計な力を入れずに入ることができました。これは監督がおっしゃっていた言葉ですが、『役を100%理解することは必ずしも正しいこととは限らない。普段の生活でも、自分で自分のことが分からなくなる時もあるから』と。浮世さんに関しても、感覚的な余白が彼女の中にあった方がいいのかもしれないと思えるようになりました。」

――初共演の森崎さんはいかがでしたか?

「森崎さんはとても親しみを持てる、全然壁を感じさせない方でした。よく意見を聞きに来てくださったり、主演として細かいところまで目を配っていらっしゃるところもあり、何度も引っ張っていただきました」

――撮影で苦労したところは?

「撮影は昨年の夏でしたが、現場はとにかく暑くて。後半、浮世がひとり暮らししている部屋には冷房がなかったんです。すぐ汗が噴き出して、現場の皆さんもうフラフラ。一棟丸ごとアパートを借りていたので、冷房があった支度部屋から冷気を入れようと、巨大な筒を作って流すという一大イベントがありました。みんなで工夫して、楽しみながら作品を作っている感じがすごく素敵だなって思いました」

――浮世の心情の面では?

「伝え方に迷ったのは、夫の正さん(宇野祥平)が『家に帰ってきてくれ』と言われた時の『いいの?』という言葉です。私ならこのまま正さんについて行っても絶対にいい事はないと思ってしまいますが、そうしてしまう浮世さんの心情、彼女の自己評価の低さを改めて感じてしまい、浮世さんがさらに心配になってしまうシーンの1つでした」

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