土村芳、うそで男を転落させる魔性のヒロイン役に「この生き物はなんだろうって」
名古屋の地方局メ~テレ製作の連続ドラマが反響を呼び、約4時間の劇場映画版が第73回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション2020に選出されたのが「本気のしるし 劇場版」(公開中)だ。職場の2人の女性とあいまいな関係を続ける主人公・辻(森崎ウィン)が魅惑的なうそつきのヒロイン・浮世と出会ったことから、思わぬ転落人生を歩むという異色のラブ・サスペンス。そのヒロインを好演したのが女優の土村芳だ。今作にかける意気込みを聞いた。
インタビュー、公開中「本気のしるし 劇場版」を語る
名古屋の地方局メ~テレ製作の連続ドラマが反響を呼び、約4時間の劇場映画版が第73回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション2020に選出されたのが「本気のしるし 劇場版」(公開中)だ。職場の2人の女性とあいまいな関係を続ける主人公・辻(森崎ウィン)が魅惑的なうそつきのヒロイン・浮世と出会ったことから、思わぬ転落人生を歩むという異色のラブ・サスペンス。そのヒロインを好演したのが女優の土村芳だ。今作にかける意気込みを聞いた。
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――監督は、「淵に立つ」でカンヌ国際映画祭ある視点部門に出品された深田晃司さん。お仕事されて、いかがでしたか?
「深田監督の作品は拝見していたので、とても緊張していましたが、お会いした時の監督は穏やかな印象で、自然と緊張も解れました。この期間を通して色んなお話も聞けて、とても勉強になりましたし、現場に集まった皆さんも、きっとそんな監督のお人柄や作品に魅了された方々なんだろうなと感じました。現場は程よい緊張感の中、物語とは裏腹に和やかで居心地の良さを感じました」
――「本気のしるし」は星里もちるさんの同名コミック。どういう経緯で決まりましたか?
「抜粋された原作を読ませていただいた上で、オーディションで3つのシーンをやらせていただきました。浮世さんは本当にとらえどころがないんですが、興味をそそられるキャラクターでした。オーディションはあんまりのめり込み過ぎてしまうと、落ちた時に落ち込みますので、決まった時はこれで打ち込める、と思いました」
――その場しのぎのうそで主人公を翻弄する、とらえどころのないヒロイン・浮世が素晴らしかったです。
「本当ですか、そう言って頂けるうれしいです。はじめに浮世さんのキャラクターとしての軸を探そうとしたのですが、浮世さんは、それがすごく見えづらい。グラグラしている。でも、そのグラグラがないと、多分浮世さんではないのかもしれないと思ったり。最初は浮世さんのことが分からなすぎて、イライラもしない(笑)。この生き物はなんだろうって不思議な気持ちでした」
――役との共通点を見いだすのも難しそうです。
「私とはかけ離れている役ではあるんですけど、ただその分知りたい気持ちは沸き起こっていました。しいて共通点があるとすれば、形は違えど私も不器用な面はあるかなと思います。物語の途中、彼女の心情が分かる話が出てきて、浮世さんへの見方が変わり、寄り添ってみたいと思えました。その場しのぎの行動が目立つ裏で、時々ちらっと見えるピュアな部分、ひたむきさに見ている人も浮世さんを追いかけてしまいたい要素があるんだろうと思い、そういう部分を大事にさせていただきました」