ラーメン店が子連れ客のマナーに苦言→“レビュー荒らし”に発展 店主が明かす飲食店の苦悩
券売機で前払いのラーメン店。家族連れ客の子どもが先に席を立ち、いつの間にか親たちがいなくなった。テーブルを片付けようとしたスタッフが驚がく。使いたい放題のティッシュが山積みで、床にはスープや麺がぐちゃぐちゃにこぼれたままになっていたのだ。「最近子供連れ家族のマナーの悪さが目立ちます」。看過できずにSNSで注意喚起を発信した。ところが、口コミで低評価を付けられる理不尽に見舞われ……。「おかしいことはおかしいと言っていかないといけないと思います」。ラーメン店の店長が、ネット社会で飲食店側が立たされている苦境について打ち明けた。

マナーの悪さが原因で「中学生未満は入店禁止」のケースも
券売機で前払いのラーメン店。家族連れ客の子どもが先に席を立ち、いつの間にか親たちがいなくなった。テーブルを片付けようとしたスタッフが驚がく。使いたい放題のティッシュが山積みで、床にはスープや麺がぐちゃぐちゃにこぼれたままになっていたのだ。「最近子供連れ家族のマナーの悪さが目立ちます」。看過できずにSNSで注意喚起を発信した。ところが、口コミで低評価を付けられる理不尽に見舞われ……。「おかしいことはおかしいと言っていかないといけないと思います」。ラーメン店の店長が、ネット社会で飲食店側が立たされている苦境について打ち明けた。
「子供連れだからしょうがないとは言え 最低限のマナーは必要でしょう お金を払っていれば何しても良いという事では無い 最近子供連れ家族のマナーの悪さが目立ちます 子供の問題じゃない、対処しない親の問題です 一応言っておきますが、当店に長く通って頂いている常連様のご家族はこんな事はしません」
マナー違反の実態をXでつづったのは、静岡・焼津市のラーメン専門店「麺創房LEO」。2013年創業、23年にリニューアルした個人経営のラーメン専門店だ。カウンター席(7席)とテーブル席(6席)を構える店内。子どもの来店はウエルカムで、ベビーカーも受け入れている。
店長によると、問題の客は夫婦と親族女性、幼い子ども3人の6人家族だった。テーブル席に座り、ラーメンとつけ麺を合わせて4人前注文し、大人が子どもに取り分けながら食事をしていた。食事後の様子はちょっとした違和感があったという。
「一般的には『ごちそうさま』など声をかけていただくことが大半ですが、この家族は食べ終わってから子どもだけが先にパッと外に出て、次に親族女性が出て行きました。最終的に父親と母親も黙って席を立って。帰ったのか分からない状況でした」。その後、片付けに入ったスタッフが確認すると、テーブルも床もごみ・食べ残しが散乱状態になっていた。「『これはひど過ぎるよね』とスタッフみんなで話していました。ここまで汚されるのはまれです」と振り返る。
悩みながらも発信に至った今回のSNS投稿。この迷惑客だけでなく、子連れ客によるマナー違反が続いていることが背景にある。
「実は子どもがトイレを汚して、おしっこをまき散らしたまま黙って帰ってしまった家族連れ客がいたんです。次のお客さんが入ろうとした時にびちょびちょの状態になっていて。営業中の飲食店でこういうことをされると、お店としては本当にダメージが大きいんです」とため息をつく。
問われる親子連れ客のモラル。同業のラーメン店では、マナーの悪さが原因で、中学生未満は「入店禁止」に踏み切ったケースもあるという。「個人経営の店では、スタッフ人員や受け入れ態勢に限度があり、子どもの入店禁止という選択肢が出てきてしまいます。マナーの悪い人が増えると、その一部の人たちのせいで、多くの良識ある子連れのお客さんが外食できる範囲がどんどん狭まっていく。『あなたのせいでイメージが悪くなっているんですよ』。マナー違反の大人たちにそう伝えたいです」。
業界のこんな実情も。子連れ客はラーメン店にとっては収益面で課題があるという。「小さい子どもはラーメン1杯を食べ切れません。親の分を食べ分けることになると思います。例えば4人前の注文で6席を使うことになると、実は店としては痛いんです。ラーメン店はもともと利益率が高くない薄利多売の商売です。いかに多くのお客さんに来てもらうか。回転率が命なのです。子連れ客で座席を多く使い、滞在時間が長くなり、さらにティッシュを大量に使われ、店を汚されてしまうと掃除に人手と時間も使われてしまいます。極端に言うと赤字になってしまう。商売として考えると、『じゃあ何のために受け入れるの?』となってしまうのです」。ジレンマを打ち明ける。
麺創房としては、子どもの受け入れを継続していく方針だ。店長は「私自身も子どもが大好きなので、ぜひラーメンを食べてほしいと思っています。少子化で子どもが少なくなっている中で、親・親族としては子どもがかわいくて大事にしてやりたい。その強い思いはよく分かります。ただ、『子どもがやったことだから何でもあり』という考え方は違うと思います。『うちの子はかわいいんだから、これくらい許してやってよ』という感覚を持つ親が増えてきたように感じています」と話す。

ネット嫌がらせ 「店がつぶれてしまう可能性だってある」
2月下旬の投稿には、共感・同情の声が相次いだ。「これはなかなか酷い」「子連れほんとマナー悪い」「想像を絶するわ」といった驚きのほか、「この惨劇を見てしまうと、次回汚いお店と勘違いされて、客足遠のきますよね………」「だからお子様連れはお断りいたします、ってのが増えてくるんだよね」「お客さんは神様は時代遅れです」「これは絶対なし! 綺麗にして帰るのは親の仕事よね」といった意見が寄せられた。
さらに、「ウチの店に来る子供連れの家族やグループ、ほとんどが同じ状態で帰って行きます」「深夜営業の飲食に子供連れてくる親はほぼコレ、オムツ交換して隠す様に置いて行く」など、同様の経験を持つ飲食店関係者からの投稿も目立った。
啓発を訴える投稿が反響を呼ぶと、思わぬ被害が店に降りかかった。「Googleマップの口コミで『星1』を6件ほど付けられました。店側としては思い悩んだ末に、マナー向上を願って注意喚起を発信したのに、来店したことがないような人が、店の考え方が気に入らないからといって低評価を付ける。面白がってやる人が出てくる。これは嫌がらせだと思っています」。店長は憤る。
ネット社会において、飲食店側から積極的に魅力を広めることができたり、高評価レビューの拡散で集客につながるなど、SNSにはメリットも多い。一方で、負の側面は深刻さを増している。
「飲食店はネット社会になって、立場が極端に弱くなりました。お客さんに注意しなければいけないことがあっても、SNSやネットで報復を受けることが怖くて泣き寝入りしている店は多いです。その場での直接的なクレームなら、まだ対応できる。でも、顔の見えないところから一方的に嫌がらせを受けても、草むらから石を投げられても、こちらには何も対抗手段がないんです」
改めて痛感したネット時代の怖さ。店長は「ウチは13年間営業してきて、ある程度経営が安定しているから、多少の中傷被害はあったとしても、こうしてはっきり言えたところはあります。これが開業して数年で炎上が起きたら、その店がつぶれてしまう可能性だってあるんです。嫌がらせを簡単に書き込めるようなシステムになっていることも問題だと思っています」。事態改善への強い思いを口にした。
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