市の要請でクマ駆除も猟銃許可取り消し…渦中の裁判、原告男性が最高裁で正当性熱弁「命を懸けてやっている」

猟銃所持許可を取り消された北海道・砂川市のハンターの男性が、道に対し処分の撤回を求めた裁判で、27日、最高裁で当事者双方の意見を聞く口頭弁論が行われた。

オレンジ色のジャケットを羽織って裁判所に入る池上さん【写真:ENCOUNT編集部】
オレンジ色のジャケットを羽織って裁判所に入る池上さん【写真:ENCOUNT編集部】

市の要請を受けヒグマを駆除した後、猟銃所持免許を取り消し

 猟銃所持許可を取り消された北海道・砂川市のハンターの男性が、道に対し処分の撤回を求めた裁判で、27日、最高裁で当事者双方の意見を聞く口頭弁論が行われた。

 原告の北海道猟友会砂川支部長・池上治男さんは、2018年、砂川市の要請を受け、警察官立会いのもとヒグマを駆除。その際、「銃弾が到達するおそれのある建物に向かって発砲した」として、北海道公安委員会から猟銃所持許可を取り消された。

 処分の撤回を求めた裁判では、2021年、札幌地裁が一審判決で「許可取り消し処分は違法」と判断。しかし、24年の札幌高裁での二審判決では、発砲は違法で、許可取り消し処分は「裁量権の濫用とは言えない」として、逆転敗訴となっていた。

 この日、最高裁で開かれた弁論には、44席の傍聴券を求め120人が抽選に列をなした。池上さんは開廷前の午後2時50分頃、オレンジ色のジャケットを羽織り、弁護団とともに入廷。法廷ではあらためて駆除の正当性と処分の撤回を訴えた。一方、被告の北海道側は上告の棄却を求めている。

 閉廷後、囲み取材に応じた池上さんは「あの事案があってから7年がたちます。7年間耐え忍んできて、最高裁で陳述ができたことはある意味で良かった。弁論の場は短い時間でしたけど、言いたいこと、大事なことは言えたと思う」と感慨。「猟友会それぞれが使命感を持ってやっている。文字通り、自分の命を懸けてやっています。昨年は200件以上の人身被害がありました。私の先祖は秋田の出身ですが、北海道でも状況は一緒。異常なことは何年も前から危惧されていた」と、今回の裁判が駆除の現場に与える影響の大きさを口にした。

 報道陣から「ここまで長い間闘ってきたのは何のためですか」と問われると、「これはもう、私の信念である人のため。銃を持った以上は人のためにやっていきたい。人が殺されている、人が生きたまま食われる。そういう状態を皆さんに知ってもらいたい。人のためでなければ使命感は持てません。ただヒグマを殺すんだということではなく、あくまでも農家のため、そこに住む住民のためにやっている。そういう思いでやっているということを理解していただけたかと思っています」と話した。

 最高裁での弁論は判決を変えるために必要な手続きとされ、敗訴となった二審判決が見直される可能性もある。最高裁判決は3月27日を予定している。

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