柳家さん喬「全員の名前が変わるのは珍しい」 落語協会新真打ち、命名の経緯明かす

落語協会の新真打ち5人、柳家圭花改め2代目華形家八百八(44)、三遊亭ふう丈改め2代目三遊亭円丈(41)、柳家小はぜ改め3代目柳家小はん(43)、三遊亭伊織改め三遊亭歌奈女(38)、入船辰乃助改め8代目船遊亭扇歌(40)が24日、都内で会見した。同協会の柳家さん喬会長(77)が「5人それぞれの名前が変わるのは近年では珍しい」と驚くほどの珍事。新しい芸名への思いなどを師弟で明かした。(取材・文=渡邉寧久)

落語協会の新真打ち5人の会見を行った【写真:ENCOUNT編集部】
落語協会の新真打ち5人の会見を行った【写真:ENCOUNT編集部】

華形家八百八は74年ぶり、船遊亭扇歌は約100年ぶり、三遊亭円丈は5年ぶりに復活

 落語協会の新真打ち5人、柳家圭花改め2代目華形家八百八(44)、三遊亭ふう丈改め2代目三遊亭円丈(41)、柳家小はぜ改め3代目柳家小はん(43)、三遊亭伊織改め三遊亭歌奈女(38)、入船辰乃助改め8代目船遊亭扇歌(40)が24日、都内で会見した。同協会の柳家さん喬会長(77)が「5人それぞれの名前が変わるのは近年では珍しい」と驚くほどの珍事。新しい芸名への思いなどを師弟で明かした。(取材・文=渡邉寧久)

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 華形家八百八の名跡が寄席に戻って来るのは74年ぶり。命名の経緯について当人は「師匠(の柳家花緑)が持っていると聞いた時から、できたら名乗りたいなと思っていた名前でございます。師匠に相談したら、二つ返事でいいんじゃないか、と言っていただいて名乗れる名前です」と説明。「この名前を汚すことなく大きくしていけたらいいなと思います」を意気込みを伝えた。

 先代を知っている落語ファンがほとんどいない中での襲名。その違和感を花緑が皮膚感覚を交え「私の落語会に出演して『近々真打ちになります』と新しい芸名を発表すると、客席が『えええ』と半分引いているような感じ」と伝え「この名前の魅力が彼が作っていくことを期待しています」と弟子のさらなる成長に思いを寄せた。

 新作落語の巨匠、三遊亭円丈(2021年11月没)の死後、兄弟子である三遊亭天どん(53)の預かり弟子になったふう丈は、名跡を継ぐことに「最初の師匠の円丈を2代目として襲名させていただきます。この名前を継ぐということは、これからも新作を作り続ける使命があると思っています。円丈を小さくしないように、“円丈を返上”しないように」と会見用に考えて来たという洒落をぶち込んだが、周囲の反応はほぼほぼゼロ。「受けなかったですね」とすぐさま反省の姿勢を示した。

 天どんは「本人がなりたいと言いました。どうかしていると思います」を笑わせた後、「円丈の名前を大きくするか小さくするかは本人次第です」と、新作落語を作り続けるハードさに立ち向かって来た自らの経験から、弟子に厳しさを伝えた。

 弟子が3代目柳家小はんを名乗ることになった師匠の柳家はん治(71)は、「(2代目小はんの)未亡人に相談したら快く『継いでください』と。小はぜの芸風と小はんという名前は似合っていると思います。期待をしています」と柔らかなまなざしで、弟子と目を合わせた。

 3代目小はんは「小はぜのままでいいという気持ちもありましたが、師匠は変えた方がいいと言ってくれました。小はんには、はん治の『はん』が入っているので、何だかうれしくて。(記者会見の席次の)名札を見ていても、小はんになれることをれしく思います」と表情を崩した。

 三遊亭歌奈女の師匠、三遊亭歌武蔵(57)は、命名の裏側におかみさん(=妻)の助言があったことを明かす。

「家内が『伊織さんはお山っぽい女と言う名前が入った方が艶っぽいんじゃないか』と。少々まじめ過ぎるくらいの男でございます。もうちょっと肩の力を抜いてやっていったらいいのかなと思っています。100で行くんじゃなくて60ぐらいの力でアクセルを踏んでくれたらいい」と少しばかり羽目を外すことを提案。「最近、落語屋ばかりが増えて落語家が少なくなっている。落語家にならないように説に願っています」と意味深な言い回しで弟子を鼓舞した。

 師匠のエールに歌奈女は「覚えが悪い私をここまで育ててくれた師匠に、本当に感謝です。(三遊亭)円歌一門には(襲名できる)名前がないので、新しい名前を作ろうということになりました。円歌一門の魅力を広げて行けるように、芸人らしい芸人でいられるように頑張って行こうと思っています」と、まじめそうな口調で語った。

「100年ぐらい名乗る者はおりませんでした。8代目も本当ははっきりしないんですが、末広がりでいいんじゃないかと」と高座さながらの口調で語るのは、船遊亭扇歌の師匠・入船亭扇辰(62)。「5人弟子がいますが、いい意味で図々しい。扇辰一門の秘密兵器と思っていましたけど、これからは前に出て落語界をけん引してもらえると、師匠としてはうれしい限りです」と期待を伝えた。

 扇歌は「初代の扇歌という人は、都々逸を作った人、江戸中に広めた人です。都々逸をやる人がどんどん減っている、都々逸という漢字すら読めなくなっているのが今の現状です」と関係者に伝えられたという都々逸の衰退ぶりを吐露。「襲名をきっかけに都々逸を、私がもっと活躍して都々逸が広まるきっかけづくりができれば、私がこの名前を継いだ意義があったと思います」と、都々逸復活に一肌脱ぐことを誓った。

 襲名披露興行は、3月21日の上野鈴本演芸場から、新宿末広亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場、国立演芸場寄席まで45日間行われる。

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