いじめ、自傷行為、オーバードーズ…21歳・まいきちの“光と影” 過去をさらけ出した理由
インフルエンサーで俳優としても活動するまいきちが、21歳の誕生日を迎えた1月31日に『まいきち1stフォトエッセイ 承認欲求』(KADOKAWA)を発売した。著内では、学生時代に経験したいじめ、母親との複雑な関係、さらには自傷行為やオーバードーズと暗闇の中で、もがき苦しんだ経験が赤裸々につづられている。インフルエンサーというキラキラな活動の裏側に宿っていた影の側面。なぜこのタイミングで告白するに至ったのか。まいきちの本心を聞いた。

壮絶人生を書籍化した理由「隠して生きるのはやっぱりしんどい」
インフルエンサーで俳優としても活動するまいきちが、21歳の誕生日を迎えた1月31日に『まいきち1stフォトエッセイ 承認欲求』(KADOKAWA)を発売した。著内では、学生時代に経験したいじめ、母親との複雑な関係、さらには自傷行為やオーバードーズと暗闇の中で、もがき苦しんだ経験が赤裸々につづられている。インフルエンサーというキラキラな活動の裏側に宿っていた影の側面。なぜこのタイミングで告白するに至ったのか。まいきちの本心を聞いた。(取材・文=中村彰洋)
まいきちにとって初となるフォトエッセイ。「ここまで赤裸々に自分の人生を話したのは初めて」と明かす。2024年10月に発売したデジタル写真集『眠れない夢』のインタビュー内でも自傷行為については触れていたが、今回は母との関係や、まいきちになる前の真以采(まいあ)だった自分、暗闇の中にいた学生時代、そして、そこから立ち直る過程までをも詳細に明かしている。
「自分の経験してきたことが、マジョリティではないことは分かっていました。学校にちゃんと行って楽しむ、みたいな経験の方が少なくて……。いろんな人と話しているうちに、私にとっての普通は、他の人から見た普通ではないんだなと気付いたんです」
発売日は21歳の誕生日。まいきちとして活動を始めた11歳から、ちょうど10年の節目でもあった。「二十歳の人生って、一般的に見たらそんなに濃くはないと思います」としつつも、「形にして残したい」という思いが、執筆を後押ししたという。
「動画では毎日自分を残してきたけど、人生を文章にすることって、これから先、簡単にはできることではないと思います。正直、怖さもありましたが、それ以上に『理解してほしい』という気持ちが強かったです」
全てをさらけ出すことへの葛藤も大きかった。離れていく人がいるかもしれない。その不安と向き合いながらも、最終的に覚悟を決めた理由はシンプルだった。
「離れてしまう人がいたとしても、全部を知った上で認めてくれる人が少しでもいるという事実で生きていきたいと思ったんです。隠して活動していくのは、やっぱりしんどいです」
製作の過程で、過去の自分とたくさん向き合った。中3から高3にかけての最も苦しかった時期の記憶も呼び起こされた。
「一番つらかった時期の記憶は、無意識に鍵をかけていました。『つらくなかった』と自分にうそをついて生きてきた部分もあったので、それを思い出すことは正直きつかったです」
写真にも、まいきちの意志が色濃く反映されている。海辺で白いワンピースといった“王道”を避け、下着姿での室内撮影を選んだのも、その一つだった。「引きこもりだったので、水着なんて着たことがない。自分の人生に似合わないと思ったんです」。
中でも象徴的なのが、実際にネット上で送られてきた誹謗中傷の言葉を壁一面に貼り、その中で撮影したカットだ。「アンチも含めて、これが私の人生なんだって」。

インフルエンサー活動をやめなかった理由は「承認欲求」
小中学生と苛烈ないじめを経験してきた。無視をされたり、上履きに釘が刺さっていたり、SNS上で個人情報がさらされたりもした。時には“便所飯”をすることもあった。それでも、「当時は『嫉妬か。かわいいって生きづらいな』ぐらいに思って、あまり落ち込むことはなかったです」と、自傷行為に走ることはなかった。
しかし、コロナ禍がまいきちの人生を狂わせた。外出を自粛していたにもかかわらず、コロナに感染。当時の所属事務所を通じて公表した途端に、「そのまま死ね」といった心無いDMが大量に届いた。
「リアルでいじめを受けても、ネットだけは自分の居場所だと思っていました。だからこそ、そんな場所からも攻撃されるようになったことが一番しんどかったです。現実逃避したくて、自傷行為やオーバードーズにすがってしまいました」
同著内では、そんな内容も隠すことなくつづっているが、「それを誇りたいわけじゃない」と断言。「その時の自分は、そうするしかなかったんだと思います」と胸中を明かす。
そんな現実に直面しながらも、インフルエンサー活動をやめなかった理由は「承認欲求」だった。
「SNS投稿を辞めたら楽になると分かっていても、負けず嫌いだし、まだやりきってない感覚がありました。私は承認欲求が人より強いんです。それも自分の個性だと思っています」
まいきちがこの本で伝えたい思いは、単なる“再生の物語”ではない。
「当たり前ができない自分に罪悪感を抱いている人は多いと思います。『立ち直れますよ』『人生どうにかなりますよ』ということを言いたいわけじゃないんです。あなたのペースでいいんです。それを罪悪感に感じる必要はないということだけは、この本を通じて伝わるといいなと思っています」
「幸せになるのを怖がらないでほしい」。不幸に慣れると、幸せが怖くなる。その感覚を知っているからこそ、この言葉を伝えたいと真っすぐに語る。
「当時の自分には『大丈夫だよ』じゃなくて、『よく頑張ったね』『よく耐えたね』って声を掛けてあげたいです。『幸せになっていいんだよ』って」
□まいきち 2005年1月30日、大阪府出身。1歳からキッズモデルとして芸能活動をスタート。11歳から“まいきち”としての活動をスタートさせた。その後は、TikTokを中心にインフルエンサーとして注目を集める。26年には映画『とれ!』に出演するなど俳優活動にも力を入れている。1月31日の21歳の誕生日に初のフォトエッセイ『承認欲求』を発売した。
あなたの“気になる”を教えてください