朝ドラ『ばけばけ』新キャラが強烈インパクト 女中・クマを演じる21歳・夏目透羽の素顔

NHKの連続テレビ小説『ばけばけ』(月~土曜午前8時※土曜は1週間の振り返り)は、16日放送の第96回から、舞台を島根・松江から熊本に移した。同日の放送から新たに登場し、強烈なインパクトを放つのが、松野家の女中・クマだ。熊本弁が特徴的な素直で真っすぐな頑張り屋さん。そんな愚直なキャラクターを演じたのが、夏目透羽(なつめ・とわ)だ。朝ドラ初出演を果たした21歳の素顔に迫った。

『ばけばけ』に女中・クマ役で出演する夏目透羽【写真:Jumpei Yamada(ブライトイデア)】
『ばけばけ』に女中・クマ役で出演する夏目透羽【写真:Jumpei Yamada(ブライトイデア)】

初朝ドラでつかんだ大役「チャンスをものに」

 NHKの連続テレビ小説『ばけばけ』(月~土曜午前8時※土曜は1週間の振り返り)は、16日放送の第96回から、舞台を島根・松江から熊本に移した。同日の放送から新たに登場し、強烈なインパクトを放つのが、松野家の女中・クマだ。熊本弁が特徴的な素直で真っすぐな頑張り屋さん。そんな愚直なキャラクターを演じたのが、夏目透羽(なつめ・とわ)だ。朝ドラ初出演を果たした21歳の素顔に迫った。(取材・文=中村彰洋)

『ばけばけ』のヒロインオーディションを受けていた夏目だったが、その座を射止めることはできず、悔しい日々を過ごしていた。イチ視聴者として、朝ドラを楽しむ中で、クマ役のオーディションの声が掛かった。当日に行われたのは、芝居の審査だけではなく、まさかのバレーボール。そこでの“ドジっぷり”が制作陣の目に留まった。

「ヒロインの時もワークショップのような形で、少し変わったオーディションでした。今回はスタッフの方とのバレーボールで、『1年前もこういう雰囲気だったな』と思い出しながら、楽しみました(笑)。

 5の倍数の時は手や腕を使わずに、頭や足を使うというルールでした。それを聞いた直後に、5の倍数で思いっきり腕で返してしまって……。周囲の方々は、『え、5の倍数だけど』とあ然としていました。私は気付かなくて、しばらくしてから、『あ、やっちゃった!』と焦ったことを覚えています(笑)」

 その日のうちに、合格の連絡が届いた。「マネジャーさんから電話をもらった瞬間に『バーンッ!』って赤い花火が上がったんです」。季節は秋となっていたが、祝福するかのように季節外れの花火が打ち上がったことをうれしそうに振り返った。

「初めての朝ドラのヒロインオーディションでは、落ちたことがすごく悔しかったです。『ばけばけ』の放送も始まっていて、『良い作品だな。出たかったな』と思っていた中で、出演が決まったので、うれしさよりも驚きの方が大きかったです。今思えば、バレーボールでのドジな部分と、クマちゃんが一生懸命で空回りしちゃう感じを重ねてもらえたのかもしれません」

“途中参加”という形で熊本編から松野家に加わることになったが、温かい撮影現場の雰囲気に救われた。

「視聴者として『ばけばけ』が好きだっただけに、私が入ることによって、松野家のすてきな雰囲気を壊してしまわないかという不安がありました。でも、(池脇)千鶴さんが、何気ない会話の中で私の不安を察してくださって、『あなたがおクマちゃんだから』と声を掛けてくださったんです。その言葉を聞いた時に、『私がおクマちゃんなんだから、不安な気持ちじゃダメだ』と気付かされました。そこからは、自分がおクマちゃんでいることに自信が持てました。初日が終わる頃には緊張や不安はなくなっていて、いかに楽しくやるかということを考えるようになっていました」

作品によって変幻自在な表情を見せる【写真:Jumpei Yamada(ブライトイデア)】
作品によって変幻自在な表情を見せる【写真:Jumpei Yamada(ブライトイデア)】

『再会~Silent Truth~』にも物語の展開を左右する美容師役で出演中

 やると決めたら一直線。そんなクマの性格は、夏目自身と通ずるものがある。「今まで演じてきた役の中では、1番自分に近いと思います」と明かす。

「ドジでどんくさいけど、やると決めたら、集中して周りが見えなくなってしまう感じが似ていると思います。でも、クマちゃんと違う部分が素直なところです。私は、強がってしまって素直になれない部分があります。クマちゃんを演じていく中で、真っすぐな姿が愛されている様子を目の当たりにして、素直に生きることの大切さを学びました」

 ヒロインのトキ役を務める髙石あかりとの共演も、刺激的な出来事だった。「役者としても人としても本当に憧れてしまうんです」と目を輝かせる。

「一緒にお芝居をしていると、圧倒的な演技に引き込まれて、私まで自然な演技ができるんです。撮影中に、あかりちゃんの誕生日を祝う日があって、現場にいたスタッフさんが涙を流しながら、喜んでいました。自分の誕生日に人を喜ばせられるって本当にすごいことだと思います。みんな笑顔で、その日の現場がすごく幸せすぎて……。改めてあかりちゃんのすごさを実感しました」

 初の朝ドラ出演にして、過去出演作の中で1番のセリフ量。間違いなく代表作の一つとなるだろう。また、時を同じくして、テレビ朝日系で放送中の連ドラ『再会~Silent Truth~』(火曜午後9時)では、井上真央演じる岩本万季子が経営する美容院で、美容師として働く多村美帆役も演じている。17日に放送される第6話では、物語の展開を左右する人物だ。メッシュの入った髪型で、『ばけばけ』とは雰囲気をガラリと変えている。

「私はメイクでガラッと変わるので、同じ人だと気付いてくださる方がいるかが楽しみです(笑)。自分でもテレビで見た時にどのように映るのかワクワクしています」

 朝ドラという大きな現場を経験したことで、今後の俳優業への向き合い方も大きく変化した。

「俳優を始めたばかりの頃は、漠然と『ビッグになりたい!』と思っていました。でも、『ばけばけ』の現場を経験して、楽しさを共有しながら撮影することの大切さを学びました。『ばけばけ』は自信を持って、皆さんに見てくださいと言える作品になっています。これからも、自分自身が面白さや楽しさを感じながら作品に出演していきたいです」

 2026年は夏目にとって、間違いなく飛躍の1年になる。「今年、運気が良いらしいんです」と笑いながらも、「チャンスをものにしなきゃいけないなと思っています」と気を引き締める。「変に力を入れすぎず、楽しむという気持ちを忘れずに、1つ1つの演技を丁寧にやっていきたいです」。

 人懐っこく笑ったかと思えば、どことなくはかなさを感じさせる表情を見せる。喜怒哀楽で見るものを楽しませる21歳は、今後どのように“化けて”いくのだろうか。

□夏目透羽(なつめ・とわ)2004年6月14日、埼玉県出身。24年にフジテレビ系『新宿野戦病院』でトー横キッズ・サラ役で出演。25年にTBS系で放送された『じゃああんたが作ってみろよ』では、白崎の彼女役で注目を集める。26年は、NHK連続テレビ小説『ばけばけ』のほか、テレビ朝日系『再会~Silent Truth~』や映画『恋愛裁判』など、注目作に多数出演している。CMでもニップン「オーマイプレミアム」に出演中。特技はもんじゃを焼くこと。

次のページへ (2/3) 【写真】夏目透羽の別カット
1 2 3
あなたの“気になる”を教えてください