友近、なりきり芸の原点とは 人間観察が好きだった幼少期「人のことをじっと見ている子でした」

お笑い芸人の友近が、『2時間サスペンス THE MOVIE シリーズ』の第1弾『テレビショッピングの女王 青池春香の事件チャンネル』(今月6日公開)で俳優・名取裕子とダブル主演を務めている。ENCOUNTは、公開前に友近をインタビュー。2時間サスペンスへの特別な思い、演技のへこだわり、なりきり芸のルーツに迫った。

インタビューに応じた友近【写真:藤岡雅樹】
インタビューに応じた友近【写真:藤岡雅樹】

デビューから25年「お客さんがすべてだと実感」

 お笑い芸人の友近が、『2時間サスペンス THE MOVIE シリーズ』の第1弾『テレビショッピングの女王 青池春香の事件チャンネル』(今月6日公開)で俳優・名取裕子とダブル主演を務めている。ENCOUNTは、公開前に友近をインタビュー。2時間サスペンスへの特別な思い、演技のへこだわり、なりきり芸のルーツに迫った。(取材・文=イシイヒデキ)

――本題に入る前に、YouTubeで公開された『友近サスペンス劇場』が再生回数460万回超になった感想をお願いします。

「ありがとうございます(笑)。若い方は『この映像はなんなんだ?』と違和感があったようで、不思議なドラマがやっているというので見始めて『思わず最後まで見ちゃった』という方が多かったです。ショート動画の時代と言われているのに、たくさんの方に見ていただけたことをうれしく思っています」

――さて、『2時間サスペンス THE MOVIE』第1弾は、名取さんとバディを組むダブル主演作となりました。共演していかがでしたか。

「昔から作品を見ていて憧れていたので、バディという形でご一緒できて光栄です。台本に落とし込まれているせりふをそれ以上に面白く演じられていて、あらためてすごい方なんだと感じました」

――息の合った掛け合いが印象的でしたが、どんな打ち合わせをしたのでしょうか。

「話し合いはしていなくて、名取さんの素晴らしいお芝居と、私が昔からやってきた芸人としての間、それが上手くマッチしたのではないかと思っています」

――実演販売の女王・長野吉江を演じて、苦労したことはありますか。

「私は芸人ですので、自分で面白いものを作り出して、せりふも全部自分で作ってきました。ドラマや映画に出演する際は、『いただいた台本でどう面白くするのか』というのが昔からの課題でした。今作は、ベタベタな大阪のおばちゃんに徹しようと思ったのですが、監督から『もっと大阪のおばちゃんっぽく』とリクエストがあり、そこが難しかったです」

――コントでキャラクターを演じてきたことが、俳優としての役作りに生かされることはあるのでしょうか。

「実演販売はリズムが大事だと思い、その練習をたくさんしました。私が25年やってきたネタの中で一番に難しい『ヒール講談』というネタがあるのですが、長せりふを言ってリズムを大事にしてやってきたネタです。それに似ているところがありましたね」

――演技でこだわったポイントを教えてください。

「私のコントは、デフォルメするより『いそうやな』というリアルなキャラクターをやっているので、ドラマや映画の演技もあまりデフォルメしたくないと思っていました。今回はTHE大阪のおばちゃんとリクエストがあったので、逆にコントっぽく演じたかもしれません」

今後の活動について語った友近【写真:藤岡雅樹】
今後の活動について語った友近【写真:藤岡雅樹】

――なりきり芸を始めたきっかけを教えてください。

「子どもの頃から何かになりきったり、ものまねが好きで家遊びが芸になったという感じです。姉や価値観の合う友達に見せていたことが今の芸につながっています。人間観察も好きで人のことをじっと見ている子でした」

――今後、俳優として演じてみたい役はありますか。

「過去を抱えながら幼稚園の先生をしているとか、影のある役をやってみたいです。朝ドラの『あさが来た』(NHK)でやらせていただいた主人公を支える女中・うめのように、『この人を生涯守っていく』という人を支える役が好きなので、どこまで自分が表現できるかチャレンジしてみたいです」

――デビューから25年が経ちました。芸人人生の歩みをどう思いますか。

「面白いものを共感し合える仲間が周りにたくさんいましたし、お客さんが理解して認めてくれると思えば、ずっと頑張っていけるという気持ちになり、お客さんがすべてだと実感しています。たくさんの方に支えていただいた水谷千重子の全国ツアーを通じて、『お客さんに喜んでいただけることをしたい』と強く思うようになりました。『こんなことをしたら、お客さんを巻き込んで楽しいことができる』と考えていたら、あっという間に過ぎていった25年でした」

――今後、芸人としての活動はどのように思い描いていますか。

「今は芸人の活動もさまざまで、『自分はこれが長けているんだ』と一番得意な分野を伸ばしていく人がたくさんいます。私の場合、何かになりきるということが得意で、そこに特化した仕事を増やしていって活動の幅が広がりました。これからも自分が楽しくできる仕事を自分で取りにいきながら活動していきたいですね」

□友近(ともちか) 1973年8月2日、愛媛県生まれ。2000年にデビューし、03年にNHK新人演芸大賞で大賞、04年にABCお笑い新人グランプリで優秀新人賞を受賞。演歌歌手・水谷千重子、関西のおじさん・西尾一男などのキャラクターで人気を博している。俳優としても多くの舞台、ドラマ、映画に出演。18年公開の映画『嘘八百』では、第28回日本映画批評家大賞助演女優賞を受賞した。血液型B。

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