喫煙所が「足りてない」 横浜市の“路上禁煙”加速に愛煙家が悲鳴「たばこ税で整備を」
神奈川・横浜市で受動喫煙対策が加速している。同市では2025年4月から市内の公園が全面禁煙化。さらに、27年3月に開催される「GREEN×EXPO 2027(国際園芸博覧会)」を見据え、市全域で「路上喫煙」を禁止とする条例改正が検討されている。この方針に非喫煙者から歓迎の声が上がる一方で、愛煙家からは不安の声も漏れる。同市に住む愛煙家に話を聞いた。

「路上喫煙」全面禁止に向け市民意見を募集
神奈川・横浜市で受動喫煙対策が加速している。同市では2025年4月から市内の公園が全面禁煙化。さらに、27年3月に開催される「GREEN×EXPO 2027(国際園芸博覧会)」を見据え、市全域で「路上喫煙」を禁止とする条例改正が検討されている。この方針に非喫煙者から歓迎の声が上がる一方で、愛煙家からは不安の声も漏れる。同市に住む愛煙家に話を聞いた。
「路上喫煙禁止に対して、反発する気持ちはないですが、喫煙所の整備もしっかり進めて欲しい」
こう語るのは同市に住む30代の男性。3年前に紙巻きたばこから加熱式たばこに切り替えたが、禁煙の意思はないという。
「こういった話題の際、必ずといっていいほど出る意見が『禁煙すればいい』だと思います。ですが、たばこは酒と同様に、“嗜好品”として合法的に販売されているもの。他人に迷惑をかけない範囲で楽しむのであれば、あとは個人の自由なのではないでしょうか」
しかし、喫煙者のマナーについて厳しい意見も絶えない。禁止エリアでの喫煙、副流煙や臭いへの配慮不足などが挙げられるが、男性は間接的な理由として“喫煙所の不足”を指摘した。
「喫煙マナーは守るべきものですが、整備が進んでいないことも問題では。横浜駅のような大きな駅の周りには市営の喫煙所がいくつかありますが、そのほかの駅にはない。もちろん住宅街にもないですし、1本吸うためにわざわざ喫煙室のあるカフェを探すエリアもあります。このまま“全面禁止”だけを進めると、結果的にマナー違反を誘発するのではないかと心配です」
大阪市では25年1月から路上喫煙禁止に
25年1月から先んじて市全域での路上喫煙禁止を条例で定めた大阪市では、300か所以上の喫煙所を確保し、施行後1年で「路上喫煙率は4割減った」と発表している。しかし、依然として「喫煙所が足りない」という声とともに、違反者が後を絶たない現状も報道されている。
横浜市に住む20代の女性は「大阪市ではかなり喫煙所を作ったにも関わらず、まだまだ足りていないというニュースを見ました。喫煙所がすし詰め状態で、見てるだけでも苦しそうだなと……。今の横浜でも喫煙所が混雑して、喫煙者でも煙が気になることがあるので、路上喫煙禁止とする前に、まずは受け皿となる喫煙所の整備を優先してほしいです」と市への期待を明かした。
当然、喫煙所の確保にはコストがかかる。非喫煙者から「市税を喫煙者のためだけに使うのは納得できない」といった意見が出るのも無理はない。こうした声に対し、同市に住む50代の男性は「たばこ1箱の価格に対する税の割合は6割ほど。かなりの税収になっているはずですが、そこから整備を進めることはできないのでしょうか」と切実だ。
事実、横浜市における令和6年度の市たばこ税決算額は約230億円にものぼる。しかし、たばこ税は一般財源として、社会保障や教育、インフラ整備など、公共サービス全般に利用されている。そのため、たばこ税のすべてが喫煙環境に還元されるわけではないのが実情だ。
横浜市における必要喫煙所数は614か所との民間調査会社による試算もあるが、現在、市が設置している公衆喫煙所は計17か所(26年1月時点)にとどまる。市は27年1月の路上喫煙全面禁止に向け、民間喫煙所の整備助成などを通じて箇所数を拡大する計画だ。また、ウェブ上での喫煙所マップの周知も強化するという。
条例改正は、2月13日から3月15日の期間で実施される市民意見の募集結果を反映させたうえで、27年1月頃の施行が予定されている。民間喫煙所の整備助成は、あくまで“重点地区”にとどまるようだが、実現の際、果たして十分な「吸える場所」は確保されているのか。今後の市の動向に注目が集まる。
あなたの“気になる”を教えてください