「韓国での6年間が自分を支えている」…YG初の日本人練習生・NOAが語った初主演までの「苦悩と孤独」
シンガー・ソングライターで俳優のNOAが、今月12日スタートのMBS連続ドラマ『救い、巣喰われ』(木曜深夜0時59分)でドラマ単独初主演を務める。共感する部分もあるという主人公・千秋をどのように演じたのか。12歳で渡韓し、現地で6年間スキルを磨いた25歳に、そのキャリアも踏まえて聞いた。

連続ドラマ『救い、巣喰われ』で闇を抱える人気俳優
シンガー・ソングライターで俳優のNOAが、今月12日スタートのMBS連続ドラマ『救い、巣喰われ』(木曜深夜0時59分)でドラマ単独初主演を務める。共感する部分もあるという主人公・千秋をどのように演じたのか。12歳で渡韓し、現地で6年間スキルを磨いた25歳に、そのキャリアも踏まえて聞いた。(取材・文=ふくだりょうこ)
『救い、巣喰われ』の原作は、原案・琴子、漫画:カモによる同名漫画。心に闇を抱える人気俳優・宝生千秋(NOA)と駆け出しのアイドル・南瀬天(阪口珠美)が出会うことで、互いの運命を大きく変えていくヤンデレ系ラブ・サスペンスとなっている。NOAは映画、舞台も含めて初主演だが、「プレッシャーよりもワクワクが大きかったです」と言った。
「主演というものに対して、自分が演じられるようになるまでまだまだ遠い気持ちがあったので、率直にうれしかったです。主演となったら、自分がどういう風になっていくのか楽しみでしたね」
同時に、座長としての責任感も口にした。
「座長という立場として、『もっともっと引っ張っていかなきゃ』とは思います。今まで見てきた主演の方たちの振る舞い方を『真似しよう』と思っていますし、ちょっとした気配りはしっかりできるようにしたいですね。ただ、アーティストの現場だと、それこそ自分が常に座長なので、そういう意味では慣れているといえば慣れているかもしれません」
作品に対しては、「読んでいくうちにどんどん、どんどんひかれていった」と強い引力を感じていた。
「ラブストーリーの部分もあるんですけど、サスペンス的な要素もあったり、常に緊張感があります。これを映像化するとなったときに、自分が千秋を演じさせていただくことに光栄な気持ちになりましたね」
千秋は、元アイドルで現在は俳優として活動している設定。さわやかな表情とは裏腹に、冷たい一面も持っている。そんな彼のことをNOAはどう受け止めたのか。
「少し表現が良くないだけで、本当はいいやつなんじゃないかと思いますけどね。すごく一途ですし。もちろん、人に対しての扱い方では首を傾げる部分はあると思いますけど、『ただ悪い奴じゃないんだろうな』って。僕はすごく好きですね」
役作りは台本や脚本を読み込むことはもちろん、頭の中で千秋を動かしていき、自分なりに千秋への研究を深めていった。
「『たぶん、声が低いんだろうな』とか、天に対してだけ特別な顔を見せるのが千秋だと思うので、『天の前にいる時はどんな感じなんだろう』と考えたり。僕はどちらかというと声が高くなりがちなので、作品に入る前から低めな声で話すように意識していました。あと、動作一つをとってみても早い人ではないんだろうな、と。余裕がある感じというか。実際に演じるときでも心がけていた部分です」
そんな千秋に対して、NOAはドラマ公式サイトでも「どこか共感を覚えたところがある」というコメントを残している。その点について聞いてみると、キーワードとして出てきたのは「孤独」だった。
「『千秋はすごく孤独を感じやすい人なんだろうな』と思っています。僕も孤独を感じやすいので、孤独を感じたときに起こすアクションが違うだけで、孤独の感じ方や、少し闇入りしてしまうところはちょっと似ています」
孤独感に関しては、「この仕事をしているからこそ」とも言った。
「私生活の中では感じにくいんですよ。仕事をしていて、例えばライブの翌日が空いていて一人でいると、急に孤独を感じたり。あと、クリエイティブなことを一人でやるので、仕事終わりに車を運転していたら、急にすごく寂しくなったり。この仕事をする上で、孤独を感じるのは仕方がないことだと最近、思ってきています。僕の場合、家族や友達と時間を過ごして解消しているんですけど、千秋はちょっと良くない方法でやってしまっているだけで」
また、千秋とNOAは俳優という共通点がありつつ、元アイドルとシンガー・ソングライターという相違点も。NOAは12歳で渡韓。6年間、スキルを磨いた。当時のことを「自分で言うのもあれですけど、12歳で韓国に行く決心ができたことは素晴らしいなと思いますね」と振り返る。
「今だと、『1年後にはこうなっていないといけない』とか、現実的な問題の方が見えてくるというか。当時は何も考えていなかったので、自分の中では大きなことじゃなかったと思います。『ひたすら自分がやりたいこと、楽しみなことをやる』という意味で行きました。『その決断力がすごいな』とまず思いますし、6年間で得た経験も今につながっているので忘れてはいけない初心ですね」
もちろん、「6年間での経験は、全てが今に生きている」とも語った。
「曲を作ることも当時から本格的に学び、その頃に作った曲が今の自分の曲として出たりもするので、『本当につながっているな』と思います。あと、(韓国で)デビューしていないとは言え、あの年齢から事務所の中でいろんな大人と話したり、接したことも少なからず、自分が仕事をする中で『考え方とか冷静さを保てている理由なんじゃないかな』と思いますね」

帰国後にコロナ禍「自分のしたいことが…」
帰国してから約8年。当時思い描いていた姿には近づいているのだろうか。
「それこそデビューした瞬間は、自分が描いていたビジョンじゃなさすぎて本当に1週間くらいで、『辞めようかな』ってなっちゃったんですけど。プラス、コロナ禍があったので、自分がしたいライブもできませんでしたし。でも、コロナが明けてからライブやいろんなことができるようになって、やっと自分が思い描いてたビジョンに近づいてきているという風に思い始めました」
そして、同作主演に合わせてシンガー・ソングライター・NOAとして、エンディング主題歌『Say Yes』を書き下ろした。
「曲を書く時はすでに台本も原作も読ませていただいていたので、千秋になりきって曲を書きました。なので『救い、巣食われ』に合うようにというよりは、千秋が思うことを書こうと意識していました。なので、普段、僕が書く歌詞より強気ですし、今までにはない歌詞の書き方、曲の作りでメロディーも含め楽しかったです。レコーディングは夜だったんですけど、昼はずっとドラマの撮影をしていたので、千秋のままいけた感もありました」
最後に作品のテーマの一つでもある「執着」にちなんで、最近、自身が執着しているものを聞いてみると、「シャワーの時間」と即答した。
「癒される時間というのもあるんですけど、頭皮マッサージをするアイテムがあってそれをめっちゃ使っています。むくみ解消にもなるし、頭もスッキリします。あとは撮影が早かったりするので、朝は最後に冷水で体を洗ったりして。シャワーというのは自分の中でスイッチになるタイミングだったりするので、こだわってやっているかもしれません」
話してみると等身大の25歳。だが、積み重ねたキャリアは財産であり、その未来は可能性に満ちている。
□NOA(ノア)2000年3月13日、東京生まれ。作曲、作詞、ダンスの振付まで手掛け、日本語、英語、韓国語を操るトリリンガルアーティスト。12歳で韓国に渡り、YGエンターテインメントの日本人初練習生として過ごした。2021年、ユニバーサルミュージックからメジャーデビュー。俳優としても、映画『山田くんとLv999の恋をする』、TBS系連続ドラマ『君の花になる』などに出演している。
『救い、巣喰われ』(放送時間)
MBS 木曜深夜0時59分
※MBSでの第1話は深夜1時9分開始、第2話は深夜2時33分開始
tvk 木曜午後11時30分
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