芸能人が「エエなぁー」と絶賛 近鉄の新型車両に“すごい座席” 乗客に「想定外の使われ方」も
タレントの森脇健児が自身のSNSで「近鉄電車の新車両にできた優しい座席 やさしば! エエなぁー」と投稿し、注目を集めている座席がある。この投稿には「これは優しい!」「かわいい雰囲気」「必要としている人が座れますように」と多くの反響が寄せられた。近畿日本鉄道(近鉄)が2024年10月から導入を開始した新型車両「8A系」。その最大の特徴の一つが、車内に設けられたフリースペースの「やさしば」。なぜこのようなユニークな座席が誕生したのか、近鉄の担当者に詳しく話を聞いた。

「肩身の狭い思い」を解消 10月7日にデビューした「やさしば」
タレントの森脇健児が自身のSNSで「近鉄電車の新車両にできた優しい座席 やさしば! エエなぁー」と投稿し、注目を集めている座席がある。この投稿には「これは優しい!」「かわいい雰囲気」「必要としている人が座れますように」と多くの反響が寄せられた。近畿日本鉄道(近鉄)が2024年10月から導入を開始した新型車両「8A系」。その最大の特徴の一つが、車内に設けられたフリースペースの「やさしば」。なぜこのようなユニークな座席が誕生したのか、近鉄の担当者に詳しく話を聞いた。
新型車両に設けられた緑色の座席。ベビーカーやスーツケースを持つ人が、周囲を気にせず利用できるように設計されたコーナー型のスペース。床面にはキャリーケースなどが動かないよう、車輪を引っかけるストッパーが設置されている。
「やさしば」の運用が始まったのは、新型車両8A系のデビュー日である2024年10月7日だった。導入のきっかけは、これまで有効活用できていなかった「扉横の袖仕切りスペース」を生かすことと、ベビーカー利用者などの「心理的な負担」を軽減することにあった。
近鉄担当者は次のように話す。
「車内でスーツケースやベビーカーなど大型の荷物をお持ちのお客様が、優先座席や一般席で他のお客様に遠慮し、肩身の狭い思いをしながら乗車されているという現状がありました。そうした方々が気兼ねなく座っていただける場所を提供することが、サービス向上につながると考えたためです」
鮮やかな緑色が目を引くデザインには、「車内のオアシスとしてくつろげる場所にしたい」という願いが込められている。床面のシールから座席に至るまで、芝生をイメージ。また、設置数や配置についても、緻密な調査に基づいているという。
「設置数については、過去の営業車両に乗車し急行などの列車に添乗して、スーツケースやベビーカーの持ち込み数をカウントしその平均の結果、1両あたり2台となったため、荷物スペースを2か所としました。配置については、当社の優先座席は4扉あるうち、両端の2か所からは優先座席があるが、中央の2か所の扉から乗車すると様々な方に配慮できる座席がないため、中央の2か所の扉近傍にそれぞれ対角面でやさしばを配置しました」
運用開始後、利用者からは「これまでの優先座席とは違って誰でも使え、特に大型荷物をお持ちのお客様が使いやすい」といった好意的な意見が多く寄せられているという。
一方で、鉄道側も驚く「想定外の使われ方」もあった。
「シニアの方がお持ちのシルバーカーや、ギター、弓道の弓をお持ちの方など近鉄側の想定を超えるさまざまな方がこのスペースを利用されているのを確認しています」。近鉄側は、こうした利用についても歓迎している。
通勤ラッシュなど混雑時については、現時点で大きな課題はないものの、「普通の座席が8割程度埋まってから『やさしば』が埋まる傾向がある」とのこと。利用をためらう空気もあることから、近鉄としては、この場所が優先座席ではなく、通常の座席と同じように利用できることを今後も周知していきたい考えだ。
鉄道移動の新しい「優しさ」の形として注目される「やさしば」。近鉄の新しい顔である8A系とともに、乗客の心にゆとりを生む存在となりそうだ。
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