NHK番組欠席で波紋…高市首相の持病「関節リウマチ」、医師が警鐘 握手の影響「十分にあり得ます」
高市早苗首相が自身の「関節リウマチ」の持病について明かしたことが、大きな話題を呼んでいる。今月1日午前のNHK討論番組を急きょ欠席したことを受け、自身のXを通して、衆院選の遊説会場で支援者と握手をした際に痛めてしまったと説明した。関節リウマチとはどんな病気なのか。「見た目では分かりにくい痛み」に苦しむ患者が多いという。みかわ整形外科クリニック(大阪市)の院長を務める整形外科医の三河聡志医師に聞いた。

「正しい理解と配慮が広がることで、患者さんが安心して社会参加できる環境が整います」
高市早苗首相が自身の「関節リウマチ」の持病について明かしたことが、大きな話題を呼んでいる。今月1日午前のNHK討論番組を急きょ欠席したことを受け、自身のXを通して、衆院選の遊説会場で支援者と握手をした際に痛めてしまったと説明した。関節リウマチとはどんな病気なのか。「見た目では分かりにくい痛み」に苦しむ患者が多いという。みかわ整形外科クリニック(大阪市)の院長を務める整形外科医の三河聡志医師に聞いた。
関節リウマチとは、自己免疫の異常によって、関節の滑膜(関節の内側を覆っている組織)に慢性的な炎症が起こる病気。三河医師は「国内患者数は約70~80万人とされ、30~50代の女性に多い傾向があります」と説明する。
炎症が続くことで関節の腫れ・痛み・こわばりが生じ、進行すると「関節破壊や変形を来します。症状は炎症性の痛みが主体で、朝のこわばりが特徴的です」。治療は「抗リウマチ薬(DMARDs)を中心に、症状を抑え進行を防ぐことが目的で、完全に『治す』と言うより、『寛解を維持する』長期管理が基本です。リハビリは関節可動域や筋力維持を目的に行います」とのことだ。
日常生活にも影響が出てしまうといい、「患者さんは『見た目では分かりにくい痛み』や、日によって症状が変動することに苦しんでいます。無理をすると悪化する一方、動かなすぎても機能低下を招くため、適度な活動量の調整が重要です。冷え・疲労・感染症は悪化要因となります」と解説する。昨年10月の首相就任後、「働いて働いて……」の言葉とともに、トップギアで走り出した高市首相。米国トランプ大統領との会談を始め、各国首脳との外交日程を次々とこなし、睡眠時間を削って、早朝から働く姿に心配の声も上がっていた。疲労が症状を悪化させてしまったのか。
それでは、家族や職場の人たちは、関節リウマチの当事者にどのように接していけばよいのか。「周囲の人は『今日は調子が悪いかもしれない』という前提で、無理をさせない配慮や柔軟な対応が望まれます。本人の意思を尊重しつつ、必要な時に手を差し伸べる姿勢が大切です」。一定の気遣いと配慮が求められるという。
高市首相は1日に自身のXを通して、「ここ数日の遊説会場で、熱烈に支援してくださる方々と握手した際、手を強く引っ張られて痛めてしまいました。関節リウマチの持病がありまして、手が腫れてしまいました」と、関節リウマチを抱えていることについて言及した。
実際に握手によって、痛みや腫れが引き起こされるものなのか。三河医師は「炎症がある関節では、強い握手や手を引っ張られる刺激により、痛みや腫れが一時的に悪化することは十分にあり得ます。特に手指や手関節はリウマチの好発部位(症状が起こりやすい体の場所)であり、外力が加わることで滑膜炎が増悪するケースは珍しくありません。必ずしも関節破壊が進行するわけではありませんが、症状の悪化は起こり得ます」と、握手でも症状が悪化する可能性について指摘する。
日々患者の治療にあたる医師として、「関節リウマチは医学的に管理が必要な慢性疾患です。患者さんは日常の何気ない動作や人との接触にも気を使いながら生活しています。正しい理解と配慮が広がることで、患者さんが安心して社会参加できる環境が整います。症状の有無にかかわらず、相手を思いやる姿勢が何より重要です」とのメッセージを寄せた。
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