俳優志望になったのは、高校1年のとき、先輩に勧められて演劇部に入ったのがきっかけ。舞台で拍手を受ける快感が忘れられなくなったのだ。父親は猛反対し、怒って野球のバットを持ってヒョンビンを追い回したという。

　しかし、ヒョンビンの意志が固いとわかると、父親は俳優志望者のエリート校・中央大学の演劇科に合格することを、認める条件として提示。ヒョンビンは見事、合格して進学。大学でも演劇部で活動していた。

「同時に、高校のときにスカウトしてきた芸能事務所と契約し、早速、芸能活動をスタートさせた。休学してまで臨んだ映画が途中でポシャる不運はありましたが、20歳で出演したデビュー作のドラマ『ボディガード』ですぐに注目されました。チョイ役だったのですが、さすがです」(韓流に詳しい芸能ライター)

　その翌年に出演したドラマ「アイルランド」で主演し新人賞を受賞。多くの俳優が“苦節○年”と長い下積みを経験するが、ヒョンビンはほとんど下積みを経験していない。

　スター俳優でも、性格は派手ではなくおとなしい。感情の起伏が少なく、落ち着いている。きれい好きで、掃除もこまめにやる。親しい友だちとの酒席は好きだが、酒はあまり強くなく、酔って醜態をさらしてスキャンダルになったことはない。

「韓国では飲酒運転で逮捕されたり、事故を起こしたりする芸能人が少なくないなか、ヒョンビンはそんなスキャンダルがまったくありません」(韓流に詳しい芸能ライター・前出)

　私生活が話題になるのは、熱愛報道が出たときだけだ。07年に1歳年下の無名女優ファン・ジヒョンとの交際が明らかに。翌08年、ドラマ「彼らが生きる世界」で共演した、1歳年上のスター女優ソン・ヘギョと交際に発展した。16～17年は8歳年下の人気女優カン・ソラと交際。しかし、いずれも破局。相手の女優は3人とも、その後、ほかの男性と結婚しているが、ヒョンビンは独身のままだ。

「『愛の不時着』で共演した女優ソン・イェジンとも、何度も交際説が取り沙汰されています。ヒョンビンの理想は、自身の母親のような良妻賢母タイプ。ソン・イェジンは人気女優で家庭におさまるタイプではないから、交際説の真偽は不明ですが、結婚は難しいかもしれません」(韓流に詳しい芸能ライター・前出)

　仕事の面では、ヒット連発で、当然ギャラもうなぎのぼり。「愛の不時着」の出演料は1話あたり1億5000万ウォン(約1355万円)ともいわれている。

　しっかり稼いでも散財せず、堅実に貯金するタイプのヒョンビンは、13年、「貯蓄の日」(10月最終週の火曜日)に大統領から表彰された。当時の貯金の額は35億ウォン(約3億1605万円)。そのほかに、ソウルの一等地・清潭洞に実勢価格で100億ウォン(約9億340万円)もの超高級マンションを所有している。また、09年には、両親に27億ウォン(約2億4392万円)もの超高級マンションをプレゼントしている。

「稼いだお金の管理は、両親に任せています。子どもが稼いだお金の管理を親にまかせるのは、韓国では珍しい話ではなく、むしろ親孝行の証。16年には事務所を独立しているので、さらに両親はお金の管理が大変になっているでしょう」(雑誌記者・前出)

　ヒョンビンにふさわしい女性を探すのは難しそうだ――。