「スターダムを辞めるメリットはない」岩谷麻優が明かすマリーゴールド移籍の舞台裏、1年残留を決めた責任感

2011年1月23日、その後「女子プロレス界のアイコン」と呼ばれるようになる選手がデビューした。それから15年、2026年1月24日に15周年記念試合で林下詩美を挑戦者に迎え、GHC女子王座の防衛戦を行ったわけだが、岩谷の15年目・2025年は激動の1年となった。インタビュー前編では、スターダムからマリーゴールドへ移籍した裏側に迫った。

2025年を振り返った岩谷麻優【写真:橋場了吾】
2025年を振り返った岩谷麻優【写真:橋場了吾】

バカげた選択と思ったことも…でも実際はやりがいしかない

 2011年1月23日、その後「女子プロレス界のアイコン」と呼ばれるようになる選手がデビューした。それから15年、2026年1月24日に15周年記念試合で林下詩美を挑戦者に迎え、GHC女子王座の防衛戦を行ったわけだが、岩谷の15年目・2025年は激動の1年となった。インタビュー前編では、スターダムからマリーゴールドへ移籍した裏側に迫った。(取材・文=橋場了吾)

 2024年5月に産声を上げた女子プロレスの新団体マリーゴールド。その旗揚げ戦には、スターダムから移籍した5選手が参加したが、その中には岩谷麻優の名前はなかった。マリーゴールドの代表であるロッシー小川との関係性を考えると、岩谷はいの一番に移籍してもおかしくないと思っていたファンは少なくないだろう。

「めちゃくちゃ悩みましたし、残った方が安泰ではあるものの、でも行きたい気持ちもありましたし……悩みに悩んだんですけど、『家出レスラー』(岩谷の自伝映画)がありましたから、ここで自分が移籍してこの映画がダメになってしまうと、自分だけではなく周りの関わってくれた人たち全員に迷惑がかかるなと思って、1年間は映画のため、そしてスターダムのために頑張ろうと思って残りました。

 あとはIWGP女子王座を落としたら、スターダムではやり尽くしたなという気持ちもあったので……。(IWGPを)目標にしている選手はいると思うんですけど、自分の場合は全部制覇した上でのIWGPだったので、そのベルトがあったからこそ、(スターダムでの)居場所があると思っていて。なくしたタイミングで(退団する)、という話し合いはしていました」

 2025年4月27日、朱里に敗れIWGP女子王座を失った岩谷は翌28日にスターダム退団発表を行い、5月1日にマリーゴールドに電撃入団を果たした。

「本当、(スターダムを)やめるメリットってなくて(笑)。自分でもバカげた選択をしたんじゃないかと思っていましたし、とんでもないところに行こうとしているのかなという不安がありました。でも、実際(マリーゴールドに)入ったらそんなことはなくて、やりがいしかないですね。技のミスっていうのも、自分も技はミスしちゃいますし、その後のリカバリをどうするかということも大事だと思いますし、意外にみんなできるじゃんというのが正直な感想でした。みんな大丈夫や、と思いました。むしろ打撃は思いっきり殴ってくるんで、気持ちが入っていてちょっとびっくりしていますね」

マリーゴールド移籍後は2本のベルトを獲得【写真:(C)マリーゴールド】
マリーゴールド移籍後は2本のベルトを獲得【写真:(C)マリーゴールド】

初心に戻る意味合いを込めて、スーパーフライ王座を最初に狙った

 もちろん、1年ぶりに出会った仲間たちが気にならないわけではなかったが……。

「『マリーゴールドでいい選手は誰ですか?』と聞かれたときには、やっぱり(ビクトリア)弓月の名前を挙げますけど、みんな知っているわけで。それは当たり前という前提で、ほかの子を(挑戦者に)選んでいる感じです。(弓月は)天才だと思います。プロレスが天職なんじゃないかと思うくらいですね。正直、うらやましいです。若くてあのキャリアであんな動きができるんですから、とんでもない選手になりそうだなと思いますよ」

 岩谷はその弓月からマリーゴールドに移籍し1か月も経たずして、スーパーフライ王座を奪取した。しかしこの王座は、いわゆる団体の最高峰王座ではない。

「自分が移籍してやるからには、グラウンドスラム(団体のベルト総獲り)を狙っていきたいというのはあるので、いきなり赤(マリーゴールド・ワールド王座)を狙うのもそれはそれでいいと思うんですけど、それよりはスーパーフライから徐々に攻めていきたかったんですよね。スターダムで初めて獲ったベルトはハイスピード王座だったんですが、初心に戻る意味合いを込めて、スーパーフライを最初に狙ったというのはあります。(筆者「次はUNですか?」)また(王者が)弓月か……弓月からベルトをはがすのは岩谷麻優ということで(笑)」

 その後岩谷は、対戦経験がほとんどない選手たちを挑戦者に指名した。

「最初に(スーパーフライの)タイトルマッチをしたのは松井珠紗なんですけど、あの子はすごくいいなと思いますね。動きもキレがありますし、プロレスをめっちゃ見ているんだろうな、本当に好きでやっているんだろうなっていうのが伝わってきましたね。もっと多くの方々に知られていい選手なんだろうなと思いました。

 元スターダムの子たちは、麻優が何を言わなくてもできている子ですし、麻優のファンでいてくれた方々がマリーゴールドを初めて見に来てくれても知っていますし見たこともあるじゃないですか。でも、スターダム以外見たことがない方々がいっぱい見に来てくれるとなると、あえて(スターダム出身以外の選手の)名前を出すようにしているかもしれないですね」

(29日公開の後編へ続く)

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