“顔までタトゥー”の予約客を入店拒否 飲食店の対応が物議 「他のお客様が…」店主が明かした真意

顔や頭にタトゥー(入れ墨)を入れている客に対して、「入店を断らせていただきました」。予約客の入店拒否を巡るSNS投稿が波紋を呼んだ。欧米ではタトゥーは自己表現の文化という考え方が広まっている一方で、日本では温泉・プール施設などで入場規制される場合があるなど、議論が尽きない。当事者である都内の海鮮居酒屋の男性店主がENCOUNT編集部の取材に応じ、自身の見解や詳細を明かした。

タトゥー客の入店拒否が話題に(写真はイメージ)【写真:写真AC】
タトゥー客の入店拒否が話題に(写真はイメージ)【写真:写真AC】

「店の評判が下がることの方が今後の売上に関わってくる」

 顔や頭にタトゥー(入れ墨)を入れている客に対して、「入店を断らせていただきました」。予約客の入店拒否を巡るSNS投稿が波紋を呼んだ。欧米ではタトゥーは自己表現の文化という考え方が広まっている一方で、日本では温泉・プール施設などで入場規制される場合があるなど、議論が尽きない。当事者である都内の海鮮居酒屋の男性店主がENCOUNT編集部の取材に応じ、自身の見解や詳細を明かした。

 熟成魚の料理と日本酒が自慢の居酒屋。店主はすし職人として20年間働いてきた経験を生かし、腕を振るっている。

 今年1月中旬、電話予約で5人の来店を受け付けた。のれんをくぐった客の姿を見て、店主は驚いたという。「男性5名のうち1人が頭・顔・首にタトゥーが入っていました。年齢は50~60歳ぐらい。店頭に張り出している入店お断りを伝えたところ、怒声を浴びせてきました」。

 店では昨年2月に、「お客様が安心して飲食を楽しむために」との趣旨で、入店お断りのケースを公表。「他のお客様を怖がらせるような格好の方」などの具体的な項目を規定している。

 今回、来店客と押し問答になったが、最終的に帰ってもらったという。店主は店舗のXアカウント(@kaisentucchi)を通して出来事を報告。当日の状況について、「あーだこーだ言ってきましたが、『他のお客様を怖がらせるような身なりの方は当店はお断りしています。例外はありませんし、店頭にもお断りで書いてます』と言って帰ってもらった。『売上なくしたね』とか『タトゥーはファッションなの!!』とか言ってましたが、頭や顔、首にまで落書き入れている人がまともな人と思えないし、そんな人達を相手にしたくないです」とつづった。

 入店拒否の理由。店主は「当店は『お客様が安心して楽しく飲食ができる店』を念頭に営業しています。今回断った理由として、タトゥー(入れ墨)を見せびらかす人が店に入れると他のお客様が怖がって帰ってしまう、そういう人たちの売上より店の評判が下がることの方が今後の売上に関わってくる、と判断しました」と説明。

 そのうえで、「世間一般的にタトゥーに関しては反社会勢力のイメージが根強くあると思います。もし自分が一般のお客様の立場なら怖くてすぐ帰るし、そういう人が来る店には怖くて二度と行きません。そういう人を入れてしまうと店のイメージがネガティブなものになることが予想されますし、他のお客様に絡んだりして何か問題が起きる前に『断る』という判断をしただけです」と強調した。

 タトゥーに関する社会的な受容を巡って、物議が絶えない。「個人的な見解では、タトゥーに関して入れたい人は入れればいいんじゃない? と思っています。友達に入れている人はいます。現在若者の中で入れる人が増えていると感じていますが、日本では反社会勢力や暴力行為をする人というネガティブなイメージは拭えません。TPOをわきまえて他のお客様を怖がらせないようにタトゥーを隠している人ならタトゥーと呼びますが、見せびらかして他の方を怖がらせるような人は『落書き』と呼んでいます。頭などにまで入れている人が他人に迷惑行為をしないイメージがありますか?」。

 店としての今後の方針として、「これからも【安心して楽しく飲食できる店】を念頭に営業している以上、ネガティブなイメージが強い『見せびらかす人』は断ります。現在はちゃんと隠している方は断りませんが、今後こういうニュース等で『隠してるからいいだろ!』とか言ってくる人がいると全面的にお断りすることになります」との考えを示した。

 投稿は反響を呼び、5000件以上のリポスト。「よく言った。拍手」「多様性の時代とはいえ、他のお客さんが安心して過ごせる環境を守るための店主さんの毅然とした対応、支持します」「ちゃんと断れるあなた偉い」「タトゥーを入れる自由と、入店を断る自由。両方あわせて多様化かと」「別に騒いでないならとも思いますが、、」「お店なのでお客を選んで当然 お客も店選びをしているのだからね」など、さまざまな意見が寄せられている。

 店主は昨年11月に交通事故被害に遭い、体が痛む中で営業を再開した。さらなる店づくりに励んでいくといい、「大きな反響があり、議論が起こってるとは思いますが、店でお客様が楽しく飲食できるように設定したルールです。迷惑行為、反社会勢力等、そういうことから一般のお客様や店を守るために一定のルールを設けています」と話している。

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