久米宏さん、「やりたい番組で殺されるなら仕方ない」…ボディーガードを付けて臨んでいた命懸けの報道スタイル【記者コラム】
フリーアナウンサー・久米宏さん(享年81)の死去公表から2日経った。元日に亡くなり、死因は「肺がん」。訃報に接し、テレビ朝日系『ニュースステーション』の初代サブキャスターで久米さんと13年間コンビを組んだフリーアナウンサー・小宮悦子は14日、「テレビの何たるかを、一から教えていただきました」などとつづったコメントを発信した。久米さんについて「強烈な記憶」を残しているのは、本人をインタビューした記者たちも同じ。そのうちの一人、中野由喜記者が15日、「追悼文」をENCOUNTに寄せた。

インタビューで感じたリアルな「すごさ」
フリーアナウンサー・久米宏さん(享年81)の死去公表から2日経った。元日に亡くなり、死因は「肺がん」。訃報に接し、テレビ朝日系『ニュースステーション』の初代サブキャスターで久米さんと13年間コンビを組んだフリーアナウンサー・小宮悦子は14日、「テレビの何たるかを、一から教えていただきました」などとつづったコメントを発信した。久米さんについて「強烈な記憶」を残しているのは、本人をインタビューした記者たちも同じ。そのうちの一人、中野由喜記者が15日、「追悼文」をENCOUNTに寄せた。
新聞社で放送担当記者をしていた私にとって、久米さんは圧倒的な存在だった。初めてインタビューしたのは『ニュースステーション』が終了し、2年近くたった頃だった。テレビで見ていた通り、ズバズバとスピーディーに言葉を発し続けた。その頭の回転の速さと報道番組に携わるすさまじい覚悟に驚き、畏敬の念さえ感じた記憶も鮮明に残っている。
久米さんは約18年半の間、『ニュースステーション』のキャスターとして、報道番組の新たなスタイルを作り上げた。時の政権に対しても、歯に衣着せぬ言い方をする姿に度胸の良さとカッコよさを感じていた。だが、インタビューで、『ニュースステーション』のキャスターを始める際の「覚悟」を聞いた時、久米さんの本当のすごさを思い知らされた。
「自分の発言で殺される可能性もあると感じていた」
そう明かしたからだ。「やりたい番組で殺されるなら仕方ない」とも言っていた。つまり、「死」を覚悟した上で『ニュースステーション』に携わっていたのだ。その際、「人にはあまり言っていないこと」とした上で、一時期はボディーガードを付けていたことも告白した。
放送を中心とするメディアの中で、久米さんは「人と同じことは絶対に、やりたくない」と言って久米流のスタイルを作り上げ、常に新しい風を吹き込んでいた。軽妙なトークの裏には本当の意味での「命がけ」の姿があった。「テレビ離れ」が言われる今、久米さんならどんな久米流を見せてくれるのか……。もっともっと、久米流を見たかった。聴きたかった。
あなたの“気になる”を教えてください