17歳で「女優になりたい」→SNSバズらせ芸能界入り 朝ドラの怪演も話題…22歳・片岡凜の夢は小説家デビュー
NHK連続テレビ小説『虎に翼』(2024年前期)で高校生・美佐江役の“怪演”ぶりが話題を呼んだ俳優・片岡凜。現在22歳の若さで、すでにフジテレビ系月9枠、TBS系日曜劇場といった大舞台を次々に経験し、昨年12月26日公開のアニメーション映画『この本を盗む者は』では、声優初挑戦にして主人公の声を務めた。快進撃を続ける今、その歩みの原点にある思いや、表現者としての“野望”に迫った。

アニメーション映画『この本を盗む者は』で声優初挑戦
NHK連続テレビ小説『虎に翼』(2024年前期)で高校生・美佐江役の“怪演”ぶりが話題を呼んだ俳優・片岡凜。現在22歳の若さで、すでにフジテレビ系月9枠、TBS系日曜劇場といった大舞台を次々に経験し、昨年12月26日公開のアニメーション映画『この本を盗む者は』では、声優初挑戦にして主人公の声を務めた。快進撃を続ける今、その歩みの原点にある思いや、表現者としての“野望”に迫った。(取材・文=猪俣創平)
本作は、2021年本屋大賞でノミネートを果たした深緑野分氏による同名小説が原作。架空の書物の街・読長町を舞台に、2人の少女が本の世界を旅する謎解き冒険ファンタジーだ。片岡は本嫌いな主人公の高校生・御倉深冬の声を、深冬を冒険へと誘う謎の少女・真白の声は俳優の田牧そらが担当した。
声だけで感情や物語を紡ぐという挑戦は、片岡にとって新たな学びの連続だった。
「事前に声を録音して聞きながらお芝居することはこれまでもあったんですけど、今回の作品に挑む時は、自分の声が意外と『淡々と聞こえる』という印象がありました。しっかり感情を入れたつもりでも、声がフラットに聞こえがちなんだと思いました」
その気づきが、収録中の意識を大きく変えた。「本番では自分が思ってるよりも振れ幅を持たせて表現することを意識しましたし、『もっと強く言っていいんだ』という感覚もつかめました」。
自身の声と向き合った経験は「今後もすごく生きてくる大事なポイントだと思います」と、俳優として実写の芝居にも確実につながると手応えもつかんだ。
本の世界が描かれる今作。片岡にとっても本はなくてはならない存在のようで、「よく仕事前に読むことが多いです。私は文字を読むことで集中力が高まるタイプなので、例えば電車移動の時など、仕事前の集中力を高めたい時に本をよく読みます」と明かし、好きなジャンルはサスペンスとミステリーだという。
そんな読書家の片岡といえば、日常の出来事をユーモラスにつづったXの投稿でも注目を集めている。その言葉選びや文章から“文才”を感じるファンも多い。本好きとしての経験が生きているのかと問いかけると、「ありがとうございます(笑)。(文才が)にじみ出ていますか?」と照れ笑いして逆に記者に問いかけつつ、「私は小説を書くのも好きなんです。小学生の時から、家でずっと(パソコンで)カタカタやっています」と瞳をキラリ。今も続ける習慣を明かした。
思わぬ言葉に、小説家デビューの可能性を聞くと、「はい、興味があります。やってみたいですね!」と声を弾ませ、爽やかな笑みを浮かべた。
Xで“バズりの常連”だが、実はSNSでの発信をきっかけに芸能界入りしたユニークな経歴を持つ。
「高校生の時に自分の将来をどうしようかとすごく迷っていました。進学校に通っていたので、周りのみんなは進路が決まっていく中で、私だけが決まっていなくて……。小さい頃から漠然と『表現者になりたい』という気持ちはあったんです。昔、『ブレイキング・バッド』(2008~13年)という海外ドラマを見て、胸の中が“グッ”と動かされ、自分のやりたいことがやっと分かった気がしたんです。進路を考えていた時にそのことを思い出して、『女優になりたい』と決めました。そこで、まずは私のことを世の中の人に知ってもらおうと考えて、TikTokを始めました」

『虎に翼』の美佐江役で話題に「感謝の気持ちでいっぱいです」
高校時代の2021年春からTikTok、インスタグラムへ投稿を続けると、現在の所属事務所・フラームからスカウトされ同年12月、所属した。ようやく声がかかった瞬間の気持ちは、今も忘れていない。
「ずっとTikTokを投稿しながら、『誰かに私を見つけてほしい』と思ってやっていました。今の会社のスタッフさんが声をかけてくださった時は、『あ、やっと見つけてくれた』という安心感がすごくありましたし、この仕事を全力でがんばろうと決意しました」
22年に俳優デビューすると、同年にTBS系連続ドラマ『石子と羽男-そんなコトで訴えます?-』でドラマ初出演を果たした。大きな飛躍となったのが、24年前期のNHK連続テレビ小説『虎に翼』への出演だ。売春や窃盗事件に関与した疑いを持つ謎の多い高校生・美佐江役を怪演し、たちまち話題になった。
「本当にたくさんの方が見てくださったので、感謝の気持ちでいっぱいです。当時、街に出ると、『片岡凜だ!』じゃなくて『美佐江だ!』って言われることが多かったですね(笑)。すごくうれしかったです」
その後も快進撃は止まらない。同年、フジテレビ系月9ドラマ『嘘解きレトリック』、TBS系日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』といった話題作への出演が続いた。さらに、26年1月期にはテレビ東京系『キンパとおにぎり~恋するふたりは似ていてちがう~』、日本テレビ系『パンダより恋が苦手な私たち』への連ドラ出演も控えている。
「どんどん出ていきたいです。いろんな方に私の出ている作品を見ていただきたいですし、作品ごとに『毎回、顔が違う人だな』と思われたいんです。私自身、まだ何者なのか分かっていないところが多いです。だからこそ『私はいま何にでもなれる』と。漠然としていますけど、そこに対する自信があります」
さらに将来の展望について話が及ぶと、海外への意欲ものぞかせた。
「高校はインターナショナルスクールに通っていて、英語は必死に勉強していました。海外の作品にも、いつか出てみたい気持ちがずっとありますし、英語もいつか仕事に生かせたらいいなと思っています」
デビューから約3年。改めて、本作で声優初挑戦にして主人公の声を務めた心境を聞くと、「未熟な私にこんなお仕事をいただけて、本当にありがたいです。もちろん芸歴に関係なく、今後も『この人になら任せられる』と思っていただけるような存在になりたいですし、今回このお仕事をいただいて、さらにその気持ちが強まりました」と言葉に力を込めた。
一つ一つの質問に真摯(しんし)に向き合い、自らの言葉で堂々と答える姿が印象的だ。作品ごとに変幻自在な印象を残す“カメレオン女優”としての顔に加え、小説家デビューや海外挑戦という夢も胸に秘める22歳。強い覚悟がひしひしと伝わってくる。その歩みはまだ始まったばかりだ。
□片岡凜(かたおか・りん)2003年10月6日、群馬県出身。21年春に開設したTikTokとインスタグラムで注目を集め、同年末に芸能事務所・フラームに所属。22年にシンガーソングライター・優里のミュージックビデオ『レオ』で俳優デビュー。同年、TBS系連続ドラマ『石子と羽男-そんなコトで訴えます?-』でドラマ初出演を果たす。24年、NHK連続テレビ小説『虎に翼』で高校生・美佐江役を“怪演”し話題に。そのほか、フジテレビ系月9『嘘解きレトリック』、TBS系日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』などにも出演。26年1月期にはテレビ東京系『キンパとおにぎり~恋するふたりは似ていてちがう~』、日本テレビ系『パンダより恋が苦手な私たち』へのドラマ出演も控える。
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