棚橋弘至、引退試合で飛び出した中邑&柴田の技 最後は4万6913人に向けて「愛してまーす!」
『サンセイアールアンドディ presents WRESTLE KINGDOM 20 in 東京ドーム』が4日、東京ドームで開催された。メインイベントでは棚橋弘至と棚橋のプロレス人生26年の中の半分、およそ12年に渡りしのぎを削ってきたオカダ・カズチカが対戦した。

渾身のエアギターも
『サンセイアールアンドディ presents WRESTLE KINGDOM 20 in 東京ドーム』が4日、東京ドームで開催された。メインイベントでは棚橋弘至と棚橋のプロレス人生26年の中の半分、およそ12年に渡りしのぎを削ってきたオカダ・カズチカが対戦した。
2012年1月4日。14年前、オカダが凱旋帰国を果たし、メインで勝利した棚橋弘至に挑戦表明。大ブーイングの中だったが、1か月後の大阪で『レインメーカー・ショック』によりIWGPヘビー級王座(当時)を戴冠したオカダは、以後棚橋と幾度となく戦ってきた。
オカダにとっては2年ぶりの新日マットだった。外道を伴い、AEWで使用している『C.U.R.I.O.S.I.T.Y』で入場。対する棚橋の入場では七色の火柱が上がり、その姿を現すとこの日一番の大歓声に包まれた。
午後7時19分、運命のゴングが鳴った。館内からは大・大・大・棚橋コール。序盤はリストの取り合い、グラウンドでお互いの力量を測る展開に。オカダはクリーンブレークと見せかけ、ガットショットを放ちブーイングを浴びる場面もあった。
棚橋はダイビングボディーアタック、ジャンピングエルボードロップ、セントーンなど惜しみなく得意技を披露していく。しかしセカンドロープからのセントーンは放つ前に回避され、オカダのドロップキックにより場外へ転落してしまう。場外でもオカダはペースを渡さず、棚橋は防戦一方。リング内でも、棚橋はDDTで頭から真っ逆さまに突き刺さってしまう。場内からは「GO ACE」コールが起きた。
ここから棚橋は反撃開始。フライングフォアアーム、セカンドロープからのローリングセントーン、ドラゴンスクリューを立て続けに決めていく。テキサス・クローバーホールドは回避されるも、低空ドロップキックへ。そして場外へ逃げたオカダへ、追撃のハイフライアタック。
リング内に戻ったオカダは苦悶の表情を浮かべながらも、カウンターのリバースネックブリーカーからダイビングエルボードロップへ。そして嫌みたらしくレインメーカーポーズかと思いきや中指を突き立てた。
しかし棚橋は反撃のツイストアンドシャウト。さらにスリングブレイドを狙うも、カウンターのツームストーンパイルドライバー。オカダがショットガン・ドロップキックを放つと、棚橋は場外へ。するとオカダは棚橋を花道に連れ出し、ツームストーンパイルドライバー。
動けない棚橋はカウント20ぎりぎりで転がるようにリング内に戻るが、旋回式ツームストーンドライバーを食らってしまう。オカダはカウント2で棚橋の肩をあえて上げる。この憎たらしいフォールを繰り返すオカダ。レインメーカーに対し張り手を繰り出す棚橋だが、オカダは構わず起き上がりこぼしラリアットへ。しかし棚橋は掟破りの逆レインメーカーを放った。
ここでスリングブレイドに行くが、レインメーカー・ショック時と同じようにカウンターのレインメーカーを食らってしまう棚橋。カウント2で何とか返すも、オカダはボストンクラブへ。棚橋はギリギリのロープエスケープ。

オカダは挑発するように棚橋の頭に蹴りを入れ、ドームがどよめくとんでもない高さのドロップキック。しかし、追撃に来たオカダに棚橋はついにスリングブレイドを決め、スリーパーホールドへ。そしてPK、これは盟友・柴田勝頼の技。
同じく盟友の中邑真輔の技・ボマイェが不格好ながらさく裂。さらにハイフライフロー。オカダは意地でキックアウト!そしてドラゴン・スープレックス。背中へのハイフライフロー。とどめのハイフライフローはオカダが剣山を突き立てる。両者にダメージが残り、ダブルノックダウン状態に。
何とか立ち上がった二人はエルボー合戦へ。棚橋が優位に立つも、この時間帯ではありえない高さのドロップキック2発目、30分経過と同時に、オカダがデスティーノ風に叩きつけ胸を叩くポーズを取り、旋回式ドライバーへ。
そしてレインメーカーがついにさく裂するも、棚橋はキックアウト。オカダは棚橋に立ち上がるよう、観客に声援を送れとアピール。そしてボディースラムからダイビングエルビードロップ、さらにはレインメーカーポーズ。“新日本のオカダ”が、33分3秒、レインメーカーでカウント3を奪い、これで二人のシングル通算成績は、オカダの9勝5敗3分けとなった。
試合後、オカダは立ち上がれない棚橋に座礼。そしてマイクで「棚橋さん、お疲れさまでした。ひとつだけ言わせてください、ありがとうございました!」。そしてバックステージへ。リングに残された棚橋はすでに号泣。
その後、引退セレモニーが行われ、棚橋に縁のあるレスラーが続々登場。ジェイ・ホワイト、ウィル・オスプレイ、ケニー・オメガ&飯伏幸太、柴田勝頼、武藤敬司、藤波辰爾。武藤はセルフィーまで撮ってしまった。
そしてこれまで登場した選手が去ると、内藤哲也がBUSHI(GO ACE仕様特注マスク)とともに、GHCタッグのベルトを持ちながらニューエントランステーマに乗って登場する。しかし、のんびりしすぎているため棚橋は時計を気にするポーズ。内藤はマイクで「俺は武藤選手に憧れ、あなたを見て新日本プロレスに入門しました。去年、退団した俺にまた東京ドームの花道を与えてくれてありがとうございました。もう二度と戦うことはないでしょうが、またいつかこの新日本プロレスのリングで会える日を楽しみにしているぜ。その日まで、アディオス」。そして、右の拳を天高く突き合わせた。
最後にマイクを渡された棚橋は「本日はご来場ありがとうございました。僕が新日本プロレスで夢見た(東京ドームの)“超満員”が見られました。今日僕は引退しましたが、これからも新日本プロレスの選手は全力で戦っていくので、応援よろしくお願いします」。
そして渾身(こんしん)のエアギターを披露し、ダブルアンコールを敢行。その後、ウェーブのおねだりをしてから、10カウントゴングへ。
「プロレスを好きになって本当に良かったです。26年間、最高のレスラー人生を送られたのは、ファンの皆さんの声援のおかげ。完全燃焼、やり切りました。最後に、東京ドームの皆さーん、愛してまーす!」……2026年1月4日。“100年に一人の逸材”と呼ばれた男のレスラー人生は、4万6913人・超満員札止めという東京ドームの大観衆に見守られながら終わりを告げた。
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