YOSHIKI「生きてるのが嫌になる時も」 3度目の首手術、朝型へ激変した私生活…満身創痍で挑む「世界への第一章」
X JAPANのYOSHIKIが、2026年4月3~5日にクラシカルワールドツアー「YOSHIKI CLASSICAL 2026 覚醒前夜 ― Tokyo 3 Nights 世界への第一章」(東京ガーデンシアター)を開催する。2025年4月には米誌『TIME』の「世界で最も影響力のある100人」に選出されたYOSHIKIがあえて「世界への第一章」と位置づける真意、3度目の首の手術を経た現在の体調、そしてリハビリのために「朝型生活」へ激変した私生活について語った。

YOSHIKIインタビューが明かす私生活
X JAPANのYOSHIKIが、2026年4月3~5日にクラシカルワールドツアー「YOSHIKI CLASSICAL 2026 覚醒前夜 ― Tokyo 3 Nights 世界への第一章」(東京ガーデンシアター)を開催する。2025年4月には米誌『TIME』の「世界で最も影響力のある100人」に選出されたYOSHIKIがあえて「世界への第一章」と位置づける真意、3度目の首の手術を経た現在の体調、そしてリハビリのために「朝型生活」へ激変した私生活について語った。(取材・文=平辻哲也)
今回の公演タイトルには「覚醒前夜」「世界への第一章」という重厚な言葉が並ぶ。すでに世界的な名声を得ているYOSHIKIは「ここ何十年もドアをこじ開ける作業をしていた。やっとその道ができてドアが開いた。これからはその開いたドアへ堂々と飛び込んでいく」と、今こそが本当の意味での「世界進出」のスタートラインであることを強調した。
今年4月には、『TIME100』に俳優の真田広之、画家の奈良美智とともに選出された。客観的には、一つの到達点のようにも見えるが、自身の見え方は違うのだという。
「過去の実績というより、これからのポテンシャルを感じて『何かやってくれるんだろう』という含みを持たせてくれたのでは。無理だということはない、何でも可能なんだと証明したい」
尽きることのないハングリー精神は、30年前から地続きだ。
「ロサンゼルスに渡った時、『時間の無駄だ』『過去に成功した日本人はいない』と全員から猛反対されました。自分が通用しないと思うまでは諦めずに帰らないと決めていました。最初は(X JAPANが)解散してしまい、復活して世界ツアーを回ったのが2008~09年頃なので、やはり10年くらいはかかりました。自分の努力だけでなく、インターネットが普及して音楽が自然に世界へ広がっていったという運の良さもあり、またその間も日本のファンが応援し続けてくれて、それらの要素で今ここにいられると思っています」
これまで年齢やプロフィールを「X(非公表)」としてきたYOSHIKI。その理由は「先入観なく、純粋に音楽だけを聴いてほしいから」だった。しかし、今年11月20日、サウジアラビア・アルウラの世界遺産Hegraで迎えた大きな節目である誕生日は、単に年を重ねただけではない特別な思いがあったという。
「素晴らしい場所でオファーをいただき、まさか自分の誕生日にそこにいるとは夢にも思いませんでした。自分は生かされている感じがある。何かの使命を授かっているのではないかという思いを抱きました」。そこには、誕生日を起点とする第一章といった意味合いもあるのだという。
しかし、体調は万全ではない。これまでに3度の首の手術を経験し、回復具合は「70%くらい」だという。
「決して100%じゃない。最悪の時は首も痛い、手もしびれるという状況でした。メンタルを強くするというわけじゃないんですが、やっぱり生きてるのが嫌になっちゃう時って、たくさんあるんです。僕には結構、壊れやすい部分があるので、それをなんとか前向きに持っていく」
現在は肉体だけでなく精神的なリハビリ(治療)も行っていると明かす。かつて「破滅の美学」を体現するかのように突き進んできた男が、自身の脆(もろ)さを認め、それを受け入れながら生きる道を選び始めている。
それは、生活習慣にも劇的な影響を及ぼしている。長年、深夜の静寂こそが彼の創作の場だった。「ずっと何十年間も夜型で、暗闇の中で作曲していた。誰もいない真夜中、みんなが寝ている時に作曲するみたいなことが多かった」と振り返る。
しかし、リハビリのためには生活を「朝型」に変えざるを得なかった。「リハビリのコーチなどが夜型だと対応できないので、朝にするしかない」という物理的な理由だが、「体がどうしていいか分かっていない。体がびっくりしている」と苦笑いを見せる。
元来「3、4時間睡眠だと辛くて、5時間だと調子が良い。6時間寝られたらラッキー」という過酷な日々。それでも彼は、移動の機内や滞在先で、懸命に「朝の光」に順応しようともがいている。
なぜ、そこまでして走り続けるのか。満身創痍の体を突き動かす原動力について問うと、独自の哲学を口にした。

YOSHIKIが動き続けられる理由とは
「ある種のカテゴライズをされるのが、僕はあんまり好きじゃなくて。みなさん『NO』から入る人もいると思うんです。『俺だからできない』とか。僕は、YESから入るタイプ。無理だということはない、何でも可能なんだということを、僕は証明したい」
そんなYOSHIKIはすべてのカテゴライズを拒否してきたが、今は少しずつ「X」(非公表)のベールもおろしつつある。慈善家としての顔も持ち、数々のチャリティでは自らが積極的に寄付を明かしている。2019年の台風15号による被害の際には、出身地が千葉県館山市であることを明かした上で、日本赤十字社へ寄付。さらにボランティアとしても駆けつけ、泥にまみれて瓦礫を動かした。
「自分の作る芸術に救われたこともある。自分がそういう活動(チャリティなど)をすることによって、『あ、自分は生きてていいんだ』と。自分の心の傷が癒えるんです。僕自身が表明することで支援の輪が広がっていけばいい」
年齢という概念さえも“X”の彼方へ消し去り、「弱さ」を受け入れた上で「可能性」を証明しようとするYOSHIKI。「覚醒前夜」と銘打たれた公演では、傷だらけの体で奏でる音楽が、再び世界への「YES」を証明するはずだ。
「YOSHIKI CLASSICAL 2026 覚醒前夜 - Tokyo 3 Nights 世界への第一章」概要
日程: 2026年4月3日(金)、4月4日(土)、4月5日(日)
会場: 東京ガーデンシアター
概要: 2023年のワールドツアー「REQUIEM」以来、約2年ぶりとなるクラシカル公演。日本人として初めてサウジアラビア・アルウラ(世界遺産Hegra)での公演を成功させたYOSHIKIの凱旋公演となる。
内容: ピアノとフルオーケストラによる壮麗なアレンジに加え、海外から招聘した一流ソリストと共演。X JAPANの代表曲や、自身が手掛けた最新曲などを披露する。
チケット: アリーナ前方確約・指定席や、サウンドチェックパーティーへの招待など、豪華特典を備えたVIPパッケージも用意される。
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