コンビニのトイレ、“借りるだけ”はマナー違反か 店側に負担、有料化議論も…ローソンが見解示す
お出かけ中にもよおしてしまい、「近くにトイレないかな」。そんな困り事の際に、コンビニのトイレは“助かる施設”の一つだ。ただ、トイレだけ借りるのは忍びない。ちょっと何か買って行こうか――。悩む人は多いだろう。SNS上では、トイレだけの利用の是非を巡って議論が尽きない。また、トイレを汚したまま出ていく迷惑客の報告も絶えない。年始休暇はレジャー・観光やアルコールを伴った飲食で、外出の機会が多くなり、体調不良を含めた“急なトイレ利用”が増える時期でもある。1997年に業界で先駆けて“トイレ開放”を行った「ローソン」に、コンビニトイレの実情を聞いた。

「仮に有料化を検討する場合」にも言及
お出かけ中にもよおしてしまい、「近くにトイレないかな」。そんな困り事の際に、コンビニのトイレは“助かる施設”の一つだ。ただ、トイレだけ借りるのは忍びない。ちょっと何か買って行こうか――。悩む人は多いだろう。SNS上では、トイレだけの利用の是非を巡って議論が尽きない。また、トイレを汚したまま出ていく迷惑客の報告も絶えない。年始休暇はレジャー・観光やアルコールを伴った飲食で、外出の機会が多くなり、体調不良を含めた“急なトイレ利用”が増える時期でもある。1997年に業界で先駆けて“トイレ開放”を行った「ローソン」に、コンビニトイレの実情を聞いた。
1日の利用者は「約100万人」。トイレットペーパーの数は1年間で約1000万ロール。これが全国のローソン全店舗合計のトイレ使用頻度を表す数字だ。
誰でもいつでも利用できる設備として店舗トイレを位置付けた同社。担当者は「97年当時は、まだローソンの店舗数も少なかったことから、トイレを開放することで、より多くのお客様に来ていただけるのではないかという思いがあったと聞いています。現在は、来店される多くのお客様にご利用いただいており、また、外出時のトイレに不安を抱えているという方にとってなくてはならない存在で、災害時にはセーフティステーションとして開放されるなど、重要な役割を担っています」と、意義を説明する。
一方で、トイレ清掃の費用や水道費、トイレットペーパーなどの備品代は、各店舗が負担している。加盟店の中には、トイレ利用を停止している店舗もある。トイレの開放を続けるための店舗側の負担が大きくなっていることもあり、「いつでも安心して利用できるコンビニトイレのサービス継続」が課題の一つになっているという。
さまざまな検討を進める中で、同社は昨年2025年4月にインターネット意識調査(全国の15歳以上~69歳未満の男女1200人が対象)を実施した。調査では「コンビニのトイレは必要である」または「どちらかといえば必要」と回答した人が全体の約9割に上った。また、コンビニのトイレを利用した人の「約4割」が買い物をせずに退店しているという実態が浮かび上がったという。
SNSを中心にトイレ利用について、「コンビニで買う気さらさらないのに トイレやゴミ箱だけ利用する奴とは仲良くなれん」「自分がトイレで困ってコンビニに助けて貰ったわけだからコーヒー1本でもいいからそのお返しぐらいはしろよって思います」「何か安いもの買うくらい普通だと思う」「もちろんトイレをお借りしたら、何か商品一つは購入します コンビニトイレも有料にして、商品値下げに繋げてもいいと思ってるくらい」「こんなことしてたらコンビニの善意が続かんぞ」など、論戦が交わされている。ローソンの店側から何か商品を買ってほしいとお願いすることはあるのか。担当者は「トイレを使用した方に対して、商品の購入をお願いするオペレーションはございません」と答える。

「店舗が担っている状況をご理解いただきたい」
トイレは“無料が当たり前”といった感覚が浸透している日本。維持への負担は大きく、ネット上では「コンビニトイレの有料化」の議論も起こっている。
同社の姿勢はどうなのか。「現時点で有料化の実証は行っていません。コンビニは多くの方がご利用される場所で、ローソンだけでも1日に約100万人の方がトイレを使用しています。病気などで外出時にトイレの不安を感じる方が多くいらっしゃるので、いつでも使えるトイレは社会インフラとして必要です。お買い物いただくことがありきと考えてはいません」と強調。
そのうえで、「トイレの開放を維持していくためにも、ご使用の際に店舗へのお声がけや、次の方のためにきれいに使っていただくなど、お客様のご協力をいただきたいと考えています。仮に有料化を検討する場合、店舗の負担も考慮しながら慎重に議論していく必要があります」との考えを示す。
コンビニのトイレに入ったまま長時間の占拠、汚く使ったまま放置するといったトラブルの報告がSNSで散見される。長期休みの期間は、トイレの駆け込み需要も増えてくるだろう。
同社担当者は「年末年始や大型連休など、人の動きが活発になるタイミングでコンビニトイレの利用者も増えるので、清掃や備品の補充などの頻度が高まり、店舗の負担が大きくなります。また、年末年始に限ったことではありませんが、酔った方がトイレに入って長時間滞留することや汚いまま放置されるなど、心ない利用も見受けられます」と現状を明かす。
こうした中で、同社は「コンビニのトイレの大切さについて考えてもらうきっかけを作りたい」と、2022年11月から、トイレの壁面をアートで装飾する「アートトイレ」の施策に取り組んでいる。「この取り組みを通じて、『きれいに使いたくなるトイレ』の実現を目指していきたいと考えています。アートトイレの設置後は、お客様のご利用マナーの向上により、店舗の清掃・メンテナンスの回数が減るなどの効果が確認できました」。東京や北海道、福岡など導入店舗は拡大しており、現在は16都道府県20店舗となっているという。
利用客側のモラルも問われているコンビニトイレ問題。同社は引き続き、社会インフラとしてトイレ維持を続けていく方針だといい、「病気などで外出時にトイレの不安を感じる方が多くいらっしゃるので、コンビニエンスストアのトイレはなくてはならない存在となっています。店舗が担っている状況をご理解いただきたい一方で、お客様も気持ちよく使ってもらえるように、さまざまな取り組みを今後も行っていきたいと考えています」としている。
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