「アメリカだったら怒鳴り合い」新幹線の荷物スペース“違反横行” 外国人も苦言「自分で調べるべき」
過去最高規模になっているインバウンド需要で、年の瀬の観光地は海外客でにぎわっている。観光・旅客業界を中心に多大な恩恵を受ける一方で、外国人旅行客による新幹線の荷物トラブルなど、マナー違反が取り沙汰されている。例えば、新幹線の予約制「特大荷物スペースつき座席」に、他人の荷物が無断で置かれており、予約者が困ってしまうといったケースだ。外国語での発信など周知の取り組みが行われているが、「これ本当迷惑」などと困惑の声が絶えない。実際に来日した外国人客はどう思っているのか。“本音”を聞いた。

「その感覚のまま日本に来てしまっているんでしょうね」
過去最高規模になっているインバウンド需要で、年の瀬の観光地は海外客でにぎわっている。観光・旅客業界を中心に多大な恩恵を受ける一方で、外国人旅行客による新幹線の荷物トラブルなど、マナー違反が取り沙汰されている。例えば、新幹線の予約制「特大荷物スペースつき座席」に、他人の荷物が無断で置かれており、予約者が困ってしまうといったケースだ。外国語での発信など周知の取り組みが行われているが、「これ本当迷惑」などと困惑の声が絶えない。実際に来日した外国人客はどう思っているのか。“本音”を聞いた。
日本政府観光局(JNTO)の統計によると、2025年の1月から11月までの訪日外客数は3906万人超で、通年で最多だった24年の約3687万人を上回った。来日ブームは過去最高レベルに達している。
一方で、トラブルも。電車内で荷物を占拠するように置いたり、指定席のチケットを持っていないのに座席を使ってしまったり……。飲食店でのマナー違反など、SNSを中心に迷惑報告が相次ぐ。
米国から日本旅行に来たエンジニアの女性は、新幹線の予約制の荷物スペースを巡る問題について、「そこを予約したのなら、アメリカだったら、みんなすごく怒ると思いますよ。怒鳴り合いになるかもしれません」。率直な思いを口にする。
旅行者側の“意識”について言及。「みんな、自分が何をすべきか、もっと自覚を持つ必要があると思います。特にチケットを買う時に、ちゃんと確認すべきですね」。
女性自身も、乗り方についてあらかじめちゃんと調べて、新幹線旅を楽しんだ。「私は、外国人側であっても『自分で知っておくべきこと』だと思います。自分で調べるべきです。私は新幹線に乗る時、事前に調べましたよ。『どうやって乗るのか』『何をする必要があるのか』を。だから、乗る時にはルールを知っている状態であるべきなんです」。“自己責任”について強調する。
それでも、迷惑事例が起きてしまう現状。女性は「失礼と言うよりは……。自分の国で電車に乗るのと同じ感覚なんだと思います。その人の国では、荷物置場に予約なんて必要ないのかもしれません。その感覚のまま日本に来てしまっているんでしょうね」と肩をすくめた。
いよいよ年末年始の長期休暇に入り、新幹線や特急の利用はピークになる。鉄道・観光業界による、ルール周知などの有効な対策が求められている。ただ、人には勘違いやミスがあるもの。海外客への偏見に結び付けることはあってはならない。

「食事は店内か店舗前で!」「少人数で動こう!」
また、年末年始は買い出しに勤しむ人も多いだろう。東京・築地場外市場は“年の瀬の台所”と呼ばれる一方で、インバウンド客の定番観光スポットでもある。
同市場では、観光業界に向けて、12月中の団体ツアーや食べ歩きなどを控えるよう呼びかけ。公式サイトでは「12月買物客 応援宣言!」として、「観光ガイド(案内・食べ歩き案内・団体誘導)の活動は、ご遠慮ください。一般の方にも、年の瀬の買い物を安心して楽しんでいただくためのルールです」と注意喚起している。ほかにも、「食事は店内か店舗前で!」「少人数で動こう!」などのマナー順守を掲載している。
12月下旬の午前中、築地場外市場を訪れると、多くの観光客の姿が。路地は買い物客や外国人客らであふれ、飲食店もにぎわいを見せていた。施設の一部には「食べ歩き禁止」を、日本語・英語・中国語・韓国語で知らせる看板などが設置されていた。人でごった返す光景を見て、女性の外国人客が思わず、「すごく混雑しているわ」と驚きの声を上げていた。
ニュージーランド出身で初めての日本旅行を満喫している家族連れは、念願のうどんを食べるなど、「和食」に感動しきりの様子。注意呼びかけに関しては「YouTubeで見ました。ガイドが案内しているのを見かけましたが、私たちはルールがあることは分かっています」と話していた。
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