是枝裕和監督「コンペは必要か?」 東京国際映画祭のあり方に持論、疑問も指摘

カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作「万引き家族」などで知られる是枝裕和監督が29日、東京・六本木の六本木アカデミーヒルズで開催された第33回東京国際映画祭のラインナップ記者会見に出席し、映画祭への不満を口にした。

記者会見に出席し、映画祭への不満を口にした是枝裕和監督【写真:ENCOUNT編集部】
記者会見に出席し、映画祭への不満を口にした是枝裕和監督【写真:ENCOUNT編集部】

第33回東京国際映画祭ラインナップ記者会見に出席 「同じ場所を共有し、集うのが映画祭の本来のよさ」

 カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作「万引き家族」などで知られる是枝裕和監督が29日、東京・六本木の六本木アカデミーヒルズで開催された第33回東京国際映画祭のラインナップ記者会見に出席し、映画祭への不満を口にした。

 是枝監督は、アジアのクリエイターたちによる新たなトークイベント「アジア交流ラウンジ」(国際交流基金アジアセンターと映画祭が共催)を検討会議メンバーとともに企画したことから登壇。会見では、かねてから映画祭へ不満を持っていたと明かし、「日本映画は多様で長い歴史を持っている。その豊かさの下駄を履かせてもらって、僕の作品が評価されていると感じていた。その長い歴史を持っている国々はそれに比例する形で、映画祭を持っているが、東京国際がそれに見合っているか、非常に疑問でした。そういった趣旨をことあるごとに話してきたが、5年前にフェスティバルディレクターに提言書のようなものを手渡したら、(現チェアマンの)安藤(裕康)さんから協力してくれないかと言われ、『監督たちが交流する場所を作れるといい』と提案した」と明かした。

「アジア交流ラウンジ」では中国のジャ・ジャンクー監督と「スパイの妻」でベネチア国際映画祭銀獅子賞を受賞した黒沢清監督、監督デビュー作「はちどり」で50以上の賞を受賞した韓国の新星キム・ボラ監督と、橋本愛らのトークセッションを予定。是枝監督は「コロナ禍でオンラインになってしまったが、同じ場所を共有し、集うのが映画祭の本来のよさだと思う」と話した。

 また、東京国際映画祭の問題について聞かれると、「今回はコロナ禍のため、コンペがなくなり、観客賞のみとなったが、コンペはないほうがいいと思っている。本来の映画祭の目的を考えたら、賞を与えることが必要なのか。映画祭は賞を与える場という認識が多いが、実際に映画祭に参加して感じる豊かさはそこではない。ワールドプレミアにこだわる意味も感じられない。(国際映画祭が複数あるので)、映画祭の方はワールドプレミアの作品を集めることにも苦労したと思うが、違う形の豊かさを追求したほうが東京国際の個性が際立つのではないか、と思っている」と持論を展開した。

 会見には「Japan Now」部門で特集上映される深田晃司監督も出席。「10年に『歓待』が『ある視点部門』で作品賞をもらった。それが国際映画祭での初めて賞だった。それからの10年の節目に呼んでくださったのはうれしかったのですが、私でいいのかとも思った」と話していた。

 第33回東京国際映画祭は10月31日~11月9日まで六本木ヒルズ、EXシアター六本木ほかで開催される。

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(ENCOUNT編集部)

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