日本アニメの躍進はまだまだ続く? 『呪術廻戦』新章に『まどマギ』完全新作…2026年の注目作たち

2025年は、日本のアニメをめぐる話題が、これまで以上に世界へと広がった一年だったのではないだろうか。7月に公開された『鬼滅の刃 無限城編 第一章』は、公開初日に観客動員115万人、興行収入16億円を記録し、日本映画史上最高のスタートを切った。その勢いは衰えることなく、全世界興行収入は日本映画として史上初めて1000億円を突破。『チェンソーマン レゼ篇』の劇場公開、『少年ジャンプ+』発の『怪獣8号』『ダンダダン』の続編のアニメ化も話題を呼び、配信プラットフォームを通じて世界中のファンを熱狂させた。

『呪術廻戦』は死滅回游編へと突入する【画像:(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会】
『呪術廻戦』は死滅回游編へと突入する【画像:(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会】

テレビアニメでは人気シリーズの新章が目を引く

 2025年は、日本のアニメをめぐる話題が、これまで以上に世界へと広がった一年だったのではないだろうか。

 7月に公開された『鬼滅の刃 無限城編 第一章』は、公開初日に観客動員115万人、興行収入16億円を記録し、日本映画史上最高のスタートを切った。その勢いは衰えることなく、全世界興行収入は日本映画として史上初めて1000億円を突破。『チェンソーマン レゼ篇』の劇場公開、『少年ジャンプ+』発の『怪獣8号』『ダンダダン』の続編のアニメ化も話題を呼び、配信プラットフォームを通じて世界中のファンを熱狂させた。

 そして2026年、その勢いはさらに続いていく。

 まずテレビアニメでは、人気シリーズの新章が存在感を放つ。『呪術廻戦』は1月から『死滅回游 前編』の放送を開始。2023年に放送された渋谷事変編では、衝撃的な展開が話題を呼び、制作を担当するMAPPAの圧倒的な作画も高く評価された。続く死滅回游編は、呪術師同士が殺し合う強制参加型のゲームを描く新章で、物語はさらに激しい局面へと突入していく。

 同じく1月には『葬送のフリーレン』の第2期もスタート。かつて魔王を倒した勇者パーティの一員だったエルフのフリーレンは、仲間である勇者ヒンメルの死に際し、彼のことを何も知らなかった自分に気づく。長命なエルフにとって、人間との10年はほんの一瞬にすぎない。だからこそ見過ごしてきたもの、理解しようとしなかったことへの後悔から、フリーレンの新たな旅が始まる。静謐でありながら深く心に残るフリーレンたちの旅路が、第2期でどのように続いていくのか楽しみだ。

 冬クールでは、日常や人間関係を丁寧に描く作品のアニメ化も目立つ。阿賀沢紅茶による漫画『正反対な君と僕』がその一つだ。主人公は、空気を読みすぎて自分の意見を言えない元気な女子・鈴木と、周囲を気にせず思ったことをはっきり言える物静かな男子・谷。タイトル通り正反対の性格を持つ二人が付き合い始め、互いの違いに戸惑いながらも少しずつ理解を深めていく。恋愛の甘さだけでなく、価値観の違いから生まれるすれ違いや成長も丁寧に描かれており、等身大の高校生の姿が若い世代を中心に支持を集めてきた。

 ヤマシタトモコの同名漫画を原作とする『違国日記』も、1月からアニメ放送が始まる。人見知りで不器用な小説家・高代槙生は、姉夫婦の突然の事故死をきっかけに、15歳の姪・田汲朝を引き取ることになる。血のつながりはあっても、これまでほとんど関わりのなかった二人。年齢も価値観も生活リズムも異なる叔母と姪が、手探りで関係を築いていく姿を描いた本作は、他者と暮らすことの難しさ、そしてそれでも誰かと共にいることの意味を静かに問いかける。繊細な心理描写に定評のあるヤマシタトモコの世界が、アニメでどう表現されるか注目だ。

 このほかにも話題作の続編が控えている。夢破れた元スケーターと、才能を秘めた少女がフィギュアスケートの頂点を目指す『メダリスト』は第2期へ。アイドルの光と影、芸能界の残酷さを描き社会現象を巻き起こした『【推しの子】』は第3期へと続く。女子が男子校に潜入するという設定で一世を風靡した少女漫画の名作『花ざかりの君たちへ』も冬クールに登場するほか、春以降には『鋼の錬金術師』の荒川弘が描く双子の運命の物語『黄泉のツガイ』、広告業界を舞台に天才と凡人の葛藤を描く『左ききのエレン』、落語の世界に飛び込む少女を描く『あかね噺』といった作品も控えている。

スーパーマリオブラザーズ40周年の年に『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』が公開される【画像:(C)Nintendo (C)2025 Nintendo and Universal Studios. All Rights Reserved.】
スーパーマリオブラザーズ40周年の年に『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』が公開される【画像:(C)Nintendo (C)2025 Nintendo and Universal Studios. All Rights Reserved.】

劇場アニメが2026年を“特別な年”に?

 しかし2026年を特別な年たらしめているのは、テレビシリーズ以上に、劇場版の存在かもしれない。

 2026年2月には『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉』の公開が予定されている。2011年に放送された『魔法少女まどか☆マギカ』は、かわいらしいキャラクターデザインとは裏腹に、過酷な運命を描くダークな展開で大きな衝撃を与えた作品だ。

 2013年公開の『[新編] 叛逆の物語』は、当時の深夜アニメ発の劇場版としては異例となる興行収入20億円超を記録し、その後も長くファンに語り継がれてきた。それから10年以上の時を経て描かれる完全新作となる本作では、新房昭之総監督、虚淵玄脚本、シャフト制作という布陣が再び集結。悠木碧、斎藤千和ら主要キャストも名を連ねる。

「世界は彼女を赦さない」というキャッチコピーが示すものは何なのか。長く待ち続けたファンにとって、本作は物語の行方そのものを見届ける覚悟を問われる一本になるだろう。

 4月24日には『最終楽章 響け!ユーフォニアム 前編』が公開される。京都アニメーションが手がける『響け!ユーフォニアム』は、北宇治高校吹奏楽部を舞台に、全国大会金賞を目指す高校生たちの青春を描いてきたシリーズだ。2015年の第1期から10年、2024年のテレビアニメ第3期で物語は一つの結末を迎えた。本作は本編のブラッシュアップに加え、新作シーンやテレビでは描かれなかった演奏シーンも盛り込まれるという。部長となった主人公・黄前久美子が90名以上の部員を率いて最後の夏に挑む姿を、劇場で改めて見届けることができる。

 同じ4月24日には『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』も公開される。2023年に公開された『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は、全世界興行収入約13億6000万ドル、日本円にして2000億円を超え、『アナと雪の女王2』を超える驚異的な記録を打ち立てた。続編となる本作は、Wii向けゲーム『スーパーマリオギャラクシー』を題材に、宇宙を舞台にした新たな冒険を描く。スーパーマリオブラザーズ40周年という節目にふさわしい一本だ。

 さらに夏には、ナガノによる人気作品『ちいかわ』が初の劇場映画化。『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』というタイトルで、小さくてかわいいキャラクターたちが織りなす日常を描きながら、時に切なく、時にハードな展開も織り交ぜる独特の世界観がスクリーンに登場する。描かれるのはシリーズ屈指の人気を誇る長編『セイレーン編』で、怪しげなチラシに誘われて島へ向かったちいかわたちを待ち受けるものとは何か。ナガノ自身が脚本を手がける完全監修体制にも期待が高まる。

 ピクサーからは『トイ・ストーリー5』も控えている。今作が描くのは、タブレットに夢中でおもちゃに見向きもしない現代の子どもたちだという。“遊んでもらえない”時代に、おもちゃたちはどう生きるのか。1995年から続くシリーズの新たな一歩が気になるところだ。

 2026年は節目の年でもある。『まどマギ』は12年ぶりの完全新作、『響け!ユーフォニアム』は10年越しの完結編。『トイ・ストーリー』は30周年、『スーパーマリオ』は40周年。

 長く愛されてきた作品たちが、それぞれのタイミングで“次”を届けようとしている。記録ずくめだった2025年に続いて、2026年もアニメから目が離せない一年になりそうだ。

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