天心を倒すとしたら、外的要因“皇治軍団”しかなかったが…冷酷な一戦で感じたこと
RIZINが27日、さいたまスーパーアリーナでRIZIN.24を開催した。午後8時からはフジテレビ系列で約2時間の中継があり、午後8時26分から2試合だけは生中継だった。
RIZIN.24を観た・前編
RIZINが27日、さいたまスーパーアリーナでRIZIN.24を開催した。午後8時からはフジテレビ系列で約2時間の中継があり、午後8時26分から2試合だけは生中継だった。
参考までに、この日の午後9時からはTBS系ドラマ「半沢直樹」の最終回が放送された。RIZIN.24は国民的人気テレビドラマの最終回を相手に真っ向勝負を挑んだことになる。
いや、厳密に言えば、結果的にそうなってしまったに過ぎないが、それでも「いかに世間を相手に闘いを挑むか」を大きなテーマの1つに掲げてきたRIZINからすれば、毎回、平均視聴率20%以上を叩き出す「半沢直樹」と、裏表で闘えるのは強運以外の何者でもないではないか。
少なくとも自分はそう考えていた。実際、今回のRIZINの生中継のメインは「那須川天心VS皇治」の一戦であり、両者が入場し、リング上でコールされていた辺りが、ちょうど午後9時頃だった。
自分はこの試合を会場内で、1人で観た。場所はリング上からそれほど近くない踊り場。会場内で観たかった理由は、注目度の高い一戦だからこそ、会場内の熱や空気感、雰囲気を確認したかった。それこそが現場に赴いた者の特権だからだ。
参考までに説明すると、RIZINでは会場内にプレスルームが設けられており、プレスの中にはそこに陣取って、設置されたテレビ台で中継される映像を見ながら原稿を書く者もいる。
今回の観客は自治体からの要請により上限5000人。本音を言うと、そのうち2000人を占めるという、いわゆる“皇治軍団”がどんな旋風を巻き起こすのか。そこに勝手な期待をしていた自分がいた。
もし天心を崩すことができるとしたら、そういった外的要因以外にはあり得ないのではないか。本気でそう思っていたからだ。なにせ天心は、名だたる強豪を軒並み撃破し尽くし、相手がいないことから、近いうちにボクシングへの転向を本格的に視野に入れているファイター。
しかも、天心にとってRIZINはホームである。確かにRISEももちろんホームだが、ここまで天心の名を広めたのはRIZINであり、天心本人もホームの感覚で闘っていると思う。もしもそのホームがビジターの様相を呈していたら、さすがの天心も、精密なコンピュータが狂い始めるかもしれない。