sumika、「公開生プロポーズ」をバックアップ 祝福の拍手に包まれた全貌【FCツアーファイナルレポ】

ポップスバンドのsumika(スミカ)が16日、東京・Zepp Hanedaで「sumika FANCLUB LIVE TOUR『縁会』2025」を開催した。サプライズゲストも登場し、ツアーファイナルにふさわしい盛り上がりを見せた。

sumikaが「sumika FANCLUB LIVE TOUR『縁会』2025」を開催した【写真:後藤壮太郎】
sumikaが「sumika FANCLUB LIVE TOUR『縁会』2025」を開催した【写真:後藤壮太郎】

『映画ドラえもん』新作の主題歌決定も生報告

 ポップスバンドのsumika(スミカ)が16日、東京・Zepp Hanedaで「sumika FANCLUB LIVE TOUR『縁会』2025」を開催した。サプライズゲストも登場し、ツアーファイナルにふさわしい盛り上がりを見せた。(取材・文=ふくだりょうこ)

 満員のZepp Haneda。ファンの熱気で会場は暑く感じるほどだ。定刻に暗転すると、期待を込めた拍手が沸き起こった。ゲストメンバー、ドラムの荒井智之とキーボードの小川貴之が登場し、奏でられる『Someday』のイントロ。片岡健太が歌いながら姿を現し、ライブがスタートした。

 1曲目を終え、片岡は「最高の日にしようよ!」と呼びかけ、ファンも歓声で応えた。始まったのは『Lovers』。観客はポップなメロディーに合わせてクラップをし、サビでは手を振り上げ、声を出していく。その様子を見て、笑顔になったメンバーはさらに『イノセンス』を披露。テンションを上げたところで、あらためて片岡が「ご機嫌いかがですか!」とあいさつした。

「ファンクラブツアーファイナル、盛り上がらないわけがない!」

 そうあおったところで、小川がボーカルで『ファンファーレ』へ。伸びやかな高音、荒井の力強いドラムが会場の隅々まで満たしていく。そのまま『運命』になだれ込み、響き渡るコール、手拍子、思い切り手を振る姿…。会場全体でボルテージが上がっていく。続く『絶叫セレナーデ』では、小川がステージを駆け巡り、曲を終えると片岡と力強いハイタッチを交わした。片岡いわく、小川が3曲続けて届けるのは珍しいこと。これも「ファンクラブツアーならでは」のことだろう。

 観客に開演までに募集した質問や投稿に応える2回の質問コーナーも「ファンクラブツアーならでは」だろう。「お弁当でテンションが上がるおかずは」「何をおつまみに酒を飲むのが幸せですか」のライトな質問から、「縁会にちなんで『えんかい』で頭文字作文をしてほしい」では、投稿者本人を巻き込んでsumikaが作文をする場面も。「笑顔がいっぱい」(片岡)、「んー、ファイナルですね」(荒井)、「感動的な」(小川)、「いっぱい好きがある縁会」(質問者)といった風にだ。

 そして、この質問コーナーの中で一番の盛り上がりを見せたのは「クリスマスにsumikaがきっかけで付き合った彼女にプロポーズしようと思っている」という投稿。これには続きがあり、「ちなみに今日彼女も一緒に来ているのでこの投稿が読まれたらクリスマスを待たずにバレることになります」。この投稿を片岡が読み上げ、投稿者に挙手を呼びかけると、男性ファンがリアクション。片岡が「土台は整ったといっていいと思います!」と伝え、ここから「公開生プロポーズ」が行われる展開に。そして、彼女から「OK」が出た瞬間、会場は祝福の拍手に包まれ、メンバーも感激の面持ちになった。

 そんな温かい空気の中、『MAGIC』『リビドー』『KOKYU』でさらに会場を揺らしていく。『KOKYU』では、ゲストメンバーもsumikaと横並びでステージ前方に出て全員で盛り上がりを見せた。続いて荒井が空気を震わせるようなドラムを響かせ、『アイデンティティ』。片岡と小川がともに歌い上げ、観客も拳を上げた。そして、小川の「あなたの声を聞かせてくれ」にも応えた。興奮状態の中、片岡と小川が歌いながら肩を組む場面もあった。

 そして、本編ラスト『言葉と心』を前に片岡がギターを手に口を開いた。「子どもの時の約束をするっていうのは、それは守らなければいけないもの」という認識だったが、「このツアーが始まってから約束の価値観が変わってきた」という。「約束は絶対に守られてほしいもの」という大前提があるとしつつ、こう伝えた。

「途方もなく遠い話をする。それに対して、約束をして正直守られたかどうかまでが俺は重要じゃないと思ってて。その約束をしたくなった。その時の気持ちの方が重要なんじゃないかなって思い始めました」

楽曲が『映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』の主題歌に決まったことを報告した【写真:後藤壮太郎】
楽曲が『映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』の主題歌に決まったことを報告した【写真:後藤壮太郎】

バンド結成12年…宣言した「約束」

 その後、片岡は「俺の約束はsumikaをずっと続けていくということです」と言った。バンド結成12年での宣言。何年、何十年も経たないとその約束を守られたかどうかは分からない。それも分かった上で、片岡は続けた。

「俺はこの約束をしたくなったっていう気持ちが、何よりも大事なんじゃないかなって思っています。そんな約束をしたくなるぐらい魅力的なメンバー、ゲストメンバー、スタッフチーム、そして、あなたに会えたってこと、そんな約束をしたくなるような経験をさせてもらったこと、気持ちを俺に教えてくれたこと…。それにどうにかして応えたいなって思うから、俺は『約束をしたくなるんだな』って気づかせてくれる、この縁会というツアーでした」

 アンコールでは新曲『Beatnik -Horse-』の他、sumikaが持ってきた『Door』と『祝祭』の2曲のうち、その場でファンの拍手の大きさで選んだ方を披露するという粋な演出も行われた。充実の表情を見せ、ステージを後にしたsumikaとゲストメンバー。だが、ファイナルは終わっていなかった。ライブのエンドロールの後に流れたのは『映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』(来年2月27日公開)の予告映像だ。

 すでに情報解禁はされていたが、再登場したsumikaは、楽曲『Honto』が主題歌に決まったことをあらためてファンに生報告。ステージにはドラえもんも登場し、sumikaの3人に「主題歌に決まった時、どう思いましたか」と質問する展開になった。

 片岡は当時を振り返り、「『本当かな?』って。壮大なドッキリかと」。荒井は「昔からドラちゃんたちの大冒険を見守っていたからすごくうれしい」。小川は「『曲を作ったら、いつかドラちゃんに会えるのかな』とちょっと期待していたから、実現できてうれしい」と笑顔で返した。

 最後は、ドラえもんをセンターにして観客と一緒に記念撮影。特別なファンクラブツアーファイナルを締めくくった。

次のページへ (2/2) 【写真】sumikaライブツアー 「sumika FANCLUB LIVE TOUR『縁会』2025」の様子
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