堀口恭司、“トランプ大統領が計画中”UFCホワイトハウス大会参戦を熱望「そのためにも王者に」

格闘家の堀口恭司は11月22日(現地時間)、カタールの首都ドーハでの『UFC Fight Night: Tsarukyan vs. Hooker』に参戦し激勝した。その後、来日を果たした堀口を直撃。9年ぶりのUFC再挑戦をスタートさせた真意と今後の目標を聞いた。

9年ぶりのUFC復帰戦で勝利した堀口恭司は英語で王座挑戦をアピールした【写真:(C)Zuffa LLC/UFC】
9年ぶりのUFC復帰戦で勝利した堀口恭司は英語で王座挑戦をアピールした【写真:(C)Zuffa LLC/UFC】

「勝つのは当たり前。早くUFCベルトを取りたい」

 格闘家の堀口恭司は11月22日(現地時間)、カタールの首都ドーハでの『UFC Fight Night: Tsarukyan vs. Hooker』に参戦し激勝した。その後、来日を果たした堀口を直撃。9年ぶりのUFC再挑戦をスタートさせた真意と今後の目標を聞いた。(取材・文=“Show”大谷泰顕)

 堀口にとっては丸9年ぶりのUFC再挑戦だった。結果はフライ級11位のタギル・ウランベコフ(ダゲスタン)相手に3R、リアネイキッドチョークを極め勝利。これにより堀口はフライ級8位でのランキング入りを果たした。

「特別感なく普通にいつも通りできましたよ。やることは変わらないので。あとは会場がよかったですね。(開催地のカタールは)初開催とか言ってましたけど、人とかも温かくて。すごい良かったですね」

 想定内の試合だった。「強いて言えば打撃で倒したいと思っていたんですけど、なかなかタフで粘ってきていたので。チョークでもいいやって絞めた感じですね」と話した。

 興味深いのは、試合後、英語で「本当にいい気分だよ。UFCにカムバックできたから、これが俺の夢だった。次? もちろん俺はUFCのベルトを狙う。どこだ? (アレッシャンドレ)パントージャ!(※この段階でのフライ級王者) 彼は俺のチームメイトだ。でも関係ない、お前のケツを叩き潰すぜ。ウォーッ!」と叫んだことだろう。

 これに対し、堀口は「やっぱ英語でしゃべった方がいいかなって。日本でも日本語をしゃべってくれたらファンは盛り上がるじゃないですか」と明かした。

堀口恭司(右)は9年ぶりにUFCのオクタゴンの金網リングで激勝(現地時間11月22日、カタール)【写真:(C)Zuffa LLC/UFC】
堀口恭司(右)は9年ぶりにUFCのオクタゴンの金網リングで激勝(現地時間11月22日、カタール)【写真:(C)Zuffa LLC/UFC】

UFC再挑戦「勝つのは当たり前」

 以下、堀口とのやりとりを記載する。

――う余曲折あってのUFC再挑戦だけに達成感もあるのでは。

「そうッスね。まあまあ、勝つのは当たり前だと思っているので。で、UFCのベルトを取りたいなって。まだ取ってないので。そこにいち早く行きたいなっていうのが一番に来ましたね」

――9年前と違う景色はありましたか。

「オクタゴン上は同じですけど、UFC PI(パフォーマンス・インスティチュート=世界初の総合格闘技の多岐にわたる研究・パフォーマンスセンター。2017年にラスベガス、19年には上海、24年にメキシコシティにて開業)があって。そこの徹底具合がすごかったですよ。現地には1週間くらい前に入ったんですけど、選手が食事のメニューも決められるんです。肉がいいとか魚がいいとか。それを毎朝渡してくれる。今日は減量があるからこれぐらい食べられますよ、とか。それがあったので楽でしたね。徹底的にやっていましたね」

――試合後に、その段階でのフライ級王者、パントージャの名前を出していました。

「当分、負けないだろうなと思っていたので。(※12月7日にラスベガスで開催された『UFC323』でのタイトル戦で敗戦。ジョシュア・ヴァンが新王者に)でも、試合なので何が起きるか分からない。そういうことも想定はしていましたよ」

――試合開始26秒でまさかが起きました。

「それも負けですね。しょうがないですよ。でも、ああいう形になって、より一層フライ級が面白くなったんじゃないかなと思います。他のファイターが『俺がチャンピオンシップに挑戦する』って言い出したじゃないですか。マネル・ケイプ(2025年12月16日付でフライ級ランキング2位)にしてもそうだし。だから、いいことなんじゃないかなとは思いますね」

――日本人選手では、同じフライ級に平良達郎(フライ級3位)選手がいます。

「強い選手だとは思います。でも、対戦が決まれば(いつもと同じように)やりますよ。相手ですから(日本人とか外国人は)関係ないですね。他人は他人、自分は自分。ただ、ファンの方はそう言って盛り上がるのがファンなのでって感じですかね」

堀口恭司(上)はタギル・ウランベコフをチョークでキッチリと仕留めた【写真:(C)Zuffa LLC/UFC】
堀口恭司(上)はタギル・ウランベコフをチョークでキッチリと仕留めた【写真:(C)Zuffa LLC/UFC】

堀口流、運を引き寄せる方法

――最後に、今後の目標を教えてもらえたら。

「早くチャンピオンベルトを取って、できればホワイトハウスでの試合に出たいですね。チャンピオンになれば、そこに出やすくなると思うし、早くそこに絡みたいです」

――堀口恭司がホワイトハウスに! それは夢がありますね。

「そしたら光栄ですよね。ストーリーがありますしね」

――トランプ大統領は過去にWWEにも登場していますし、エンタメに関する理解がある方だと思います。

「いいッスよね、そのほうが。向こうでは国をあげてやってますよね。そういうの(ホワイトハウスでのUFC開催)は、1回やったら(2回、3回と)どんどん続いていく気もしますよね。だから、できれば1回目に出たいですよね」

――話を聞いていると、堀口選手は「0から1にする」のが好きな感じがします

「たまたまそうなってますね。運がいいですよ。それって運しかないじゃないですか。この時代に格闘技をやって、この時代に世界を目指せるわけだから」

――ではなぜ堀口恭司は運を引き寄せられるのか。その方法は。

「うーん……。それはやっぱり基礎を続けているからじゃないですか。みんな(基礎を)ヤメていくじゃないですか。でも、自分はそこを続けているからだと思っています。それがすべてです。毎日練習してっていうのを続けていかないと、ここにはたどりつかないと思います」

【取材後記】
 とくにRIZINに参戦した2016年から今まで、定期的に堀口恭司の話を聞かせてもらってきた。そのため、ある程度は「こう話すだろう」という想定はできる。実際、堀口にそう伝えると、「そうなんですよ。単純ですから」と笑った。

 UFCが1993年11月に誕生してから早くも32年が経過したが、今現在、日本人選手として堀口はRIZINとベラトールの二冠王に輝き、RIZINでは二階級を制覇するなど、MMAにおける最高の実績を誇る。いや、堀口が手にしていないのは、UFCのベルトだけといってもいい。ならば、堀口には是非ともUFC王者に駆け上がってもらいたい。そのXデーはいつか――。

(一部敬称略)

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