「地下アイドルに近い感覚」 春風亭一之輔、「早朝寄席」復活に「青春ですね」

東京・上野鈴本演芸場で2018年9月まで開催されていた「早朝寄席」が、来年2月15日に7年半ぶりに復活することになり、17日に同所で会見が行われた。「復活のきっかけになったのは私です」と説明する落語家の弁財亭和泉(49)は「あまりこうしてほしいとか提案せず、(出演する)二ツ目さんたちに自由にやってほしい」と解放区としてはじけることを期待。落語協会理事の春風亭一之輔(47)は「青春ですね。出演者がお客さまからお金(木戸銭)を受け取ったりしますから、こういう人が自分の背中を押してくれてるんだと、地下アイドルに近い感じでしたね」と懐かしんだ。

会見に出席した春風亭一之輔(真ん中)【写真:ENCOUNT編集部】
会見に出席した春風亭一之輔(真ん中)【写真:ENCOUNT編集部】

復活を直訴した弁財亭和泉「失敗しても次がある」

 東京・上野鈴本演芸場で2018年9月まで開催されていた「早朝寄席」が、来年2月15日に7年半ぶりに復活することになり、17日に同所で会見が行われた。「復活のきっかけになったのは私です」と説明する落語家の弁財亭和泉(49)は「あまりこうしてほしいとか提案せず、(出演する)二ツ目さんたちに自由にやってほしい」と解放区としてはじけることを期待。落語協会理事の春風亭一之輔(47)は「青春ですね。出演者がお客さまからお金(木戸銭)を受け取ったりしますから、こういう人が自分の背中を押してくれてるんだと、地下アイドルに近い感じでしたね」と懐かしんだ。(取材・文:渡邉寧久)

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 会見には和泉、一之輔の他、蝶花楼桃花(44)、鈴本演芸場の鈴木敦社長(43)が出席し、新「早朝寄席」の番頭(=責任者)を春風亭一花(38)とともに担う三遊亭萬都(36)が司会を務めた。

「昭和の終わりごろに始まって、2018年9月30日をもって『役割は終わった』という理由でやめていた『早朝寄席』を来年2月15日から再開させていただきます」と鈴木社長。「定席(普段の寄席のこと)に出演する二ツ目は、後ろの師匠に気を使って当たり障りのないネタをやるので個性が見えななかった。若い芸人を育てることも寄席の仕事」と、しゃべりの場としての復活を後押しした。

 早朝寄席とは、毎週日曜日午前10時に始まる会で、出演者は落語協会の二ツ目4人。彼らだけでお客様の行列を整え、木戸銭を受け取り、太鼓を叩き、高座返しをして云々と一切を取り仕切る。

「青春ですね」と振り返る一之輔は「シャッフルして顔付けが組まれる(=出演者が決まる)ので、仲良くない者、そりが合わない同士の時もある。最初(の出番)の人が大ネタをやって、後の人に時間を残さない先輩もいましたね。意地悪されました」と、激しいつばぜり合いがあったことを告白。「終わった後、昼の12時から飲み始めて、愚痴とか悪口とか、最終的には芸論になって、気が付いたら(夜の)12時になっていたこともありました」と思い出話を披露した。

 普段は高座と客席という間がらの両者だが、早朝寄席の日は、出演者がスタッフ役も担うため、お客さんと接触する場面も多い。

「お客さんをお見送りする際に、『今日はよかったですね』と言われたりする。こういう人が自分の背中を押してくれているのかと思えて、地下アイドルに近いところがありますね」と、一之輔は付け加えた。

 現在、落語協会所属の二ツ目は61人。出演機会は「年に3回から4回ぐらい」と和泉。「1回目が失敗しても次がやって来る。早朝寄席でチャレンジしてほしい」と激励した。桃花は「大ネタとか勝負したいネタをやって、滑ろうが失敗しようが大きな財産になる。いっぱい挑戦してもらいたいと思います」と伝えた。

 初回は2026年2月15日午前10時から11時20分まで。木戸銭は1000円。前週の2月8日には、落語協会理事の五明樓玉の輔(59)、入船亭扇辰(61)、古今亭菊之丞(53)、一之輔が出演する「復活記念早朝寄席」が開催される。

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