「大量のホテル予約が私名義でされた」立憲・藤原議員が怒り 当日キャンセル料発生の悪質行為「こっちは許しませんよ」

深夜、秘書のスマートフォンに次々と届いたホテル予約の通知。しかし、当の本人に予約した覚えはなかった。立憲民主党の藤原規眞(のりまさ)衆議院議員の名前を勝手に使った悪質な嫌がらせが発覚し、波紋を広げている。弁護士資格を持つ藤原氏は16日、都内でENCOUNTの取材に応じ、思い当たる“犯人像”を明かすとともに、断固たる措置を取る考えを示した。

被害を説明した藤原議員【写真:ENCOUNT編集部】
被害を説明した藤原議員【写真:ENCOUNT編集部】

「しかるべき対応を行う」 被害届&開示請求も

 深夜、秘書のスマートフォンに次々と届いたホテル予約の通知。しかし、当の本人に予約した覚えはなかった。立憲民主党の藤原規眞(のりまさ)衆議院議員の名前を勝手に使った悪質な嫌がらせが発覚し、波紋を広げている。弁護士資格を持つ藤原氏は16日、都内でENCOUNTの取材に応じ、思い当たる“犯人像”を明かすとともに、断固たる措置を取る考えを示した。

「大量のホテル予約が私名義でされた。しかるべき対応を行う。あまり知られていないが私は比較的、法律には詳しいほうだ」

 異変が起きたのは12月12日深夜だった。ホテルの予約確認メールが、転送設定されていた秘書のスマートフォンに次々と届き始めた。

「ちょうど深夜、1時半ですね。事務所宛てのメールアドレスが、秘書のスマホにも転送されるようになっていて、ホテルがどんどん予約されていますと」

 予約されていたのは、愛知県内の5軒のホテル。1泊3万円を超えるものもあった。いずれも藤原氏の選挙区に近いエリアで、時刻は13日午前1時30分から1時39分までの、わずか10分間に集中していた。

「例えば一宮、岩倉という地元選挙区のホテルだったり、私が瀬戸市に出張する予定はないのに瀬戸市だったり」

 さらに悪質だったのは、すべてが当日予約だった点だ。

「うまくできてて、当日予約だから、あるホテルからは『これキャンセル料100%かかります』と言われてしまいました。でもうちが予約したんじゃないですからと何度か説明して、やっと認めてくださったという感じです」

 結果的に金銭的な支出は免れたものの、地元のホテルとの関係悪化を招きかねない巧妙な嫌がらせだったと、藤原氏は受け止めている。

「選挙区内のホテルなので、『いやうちじゃないから払いません』と強く言うことを、ホテル側がどう思うかっていうことですよね。悪い印象しか絶対持たないはずですから。そういった意味でも悪質だなというのは感じます」

 これだけではない。明朝、一般社団法人Colabo代表の仁藤夢乃氏から、藤原氏に連絡が入った。

「Colaboの仁藤さんから連絡いただいて、『藤原規眞様、予約承りました』というメールが、Colaboのメールに届いたらしいんですね」

 仁藤氏のメールアドレスを使い、藤原氏の名前でホテルが予約されていた。

 伏線はあった。藤原氏は前日に、仁藤氏とともに新宿で視察を行い、SNSで報告していた。

「いわゆる立ちんぼしてる女性の視察に行って、それをXに上げてたんですよ。だからたぶん、仁藤さんと藤原どっちも嫌いだと。要は仁藤さんと私が買春者の処罰っていうことをずっと言ってるので、それに反対する方がやったんだなという推測がつきましたね」

 藤原氏によると、寄せられた767件のコメントの大半が批判的な内容だったという。

 藤原氏は今年春以降、売買春における「買う側」の処罰を国会で訴え続けてきた。日本では売春を行う女性は処罰対象となる一方、買春する男性は処罰されない現状があり、その不均衡の是正を求めている。

「春ぐらいからずっと言い続けてるんですよ、国会でも。先週ぐらいにちょうどテレビにも出て、仁藤さんにも協力を仰いでやっているんですね」

 藤原氏は、書き込みを行った人々の中には、性産業従事者への差別に反対する立場の人々のほか、売買春から利益を得る反社会的勢力や、実際に女性を買う男性らも含まれている可能性があると見ている。

 このところ、ネット上では炎上続きだった藤原氏。12月8日には、水着姿の女児に「Welcome to JAPAN AKIHABARA」のキャッチコピーが描かれたポスターを批判した投稿が1000万回以上のインプレッションを記録していた。

 当初は表現規制反対派による迷惑行為も疑っていたが、仁藤氏のアドレスが使われたことで、藤原氏は別の見方に至った。「仁藤さんのアドレスに行くということは、仁藤さんにも迷惑かけたい人ですよね」。藤原氏は、犯人が買春者処罰に強く反発する層であると確信している。

想定される罪は? 弁護士として語った見通し

 かつて、注文していない出前が事務所に届いたケースはあったものの、ホテルが予約されたのは初めてだという。

 もともとDVシェルターの顧問弁護士をボランティアで務めてきた藤原氏は、今回の事案について法的な見通しも語った。

「警察に刑事的な手続きの発動を促していくのと、場合によっては民事で徹底的に、名前も明らかにして、損害賠償請求を仕掛けていくということも考えています」

 すでに一宮警察署に相談しており、被害届の提出を準備している。想定される罪名は偽計業務妨害罪で、法定刑は3年以下の拘禁刑、または50万円以下の罰金となる。

「前科があるとか余罪がものすごくいっぱいあるとかがない限り、100%執行猶予がつきます。そもそも起訴すらされない可能性がある」

 それでも、このような不当な妨害を看過するつもりはない。予約は宿泊予約サイト経由ではなく、ホテルの公式サイトから行われたことが分かっている。犯人特定のため、運営会社からログの開示を得る必要があり、場合によっては開示請求などの手続きも視野に入れている。

「ちょっと手間はかかりますけど、徹底的にやろうと思っています。こっちは許しませんよという姿勢を示すという意味でもやろうと」

 今回の嫌がらせによって活動が萎縮することはないのかと問うと、藤原氏はきっぱりと否定した。

「いや、なおさらやろうと思いましたね。こういうことしてくるぐらい嫌なんだなと。だから、来たらこっちもやりますと。けんかはしますと」

 弁護士資格を持つ国会議員への悪質な行為は、どのような結末を迎えるのか。今後の捜査と対応に注目が集まっている。

次のページへ (2/2) 【写真】藤原氏が水着姿の女児のポスターを批判した実際の投稿
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