「これ全部、生で食べてしまった」加熱用カキに絶句…容器洗った瞬間に気づいた“最悪のタイミング”
カキが旬を迎え、店頭に多く並ぶこの季節。しかし、「生食用」と「加熱調理用」の違いを正しく理解していないと、思わぬ事態を招くことになる。X上で「加熱調理用のカキを全部生で食べてしまった」という投稿が大きな話題となり、投稿者の身を案じる声が殺到した。一人暮らしの投稿者が、フォロワーからのアドバイスを頼りに取った行動とは。

「aki終了のお知らせかもしれません」投稿に心配の声相次ぐ
カキが旬を迎え、店頭に多く並ぶこの季節。しかし、「生食用」と「加熱調理用」の違いを正しく理解していないと、思わぬ事態を招くことになる。X上で「加熱調理用のカキを全部生で食べてしまった」という投稿が大きな話題となり、投稿者の身を案じる声が殺到した。一人暮らしの投稿者が、フォロワーからのアドバイスを頼りに取った行動とは。
X上で、大きな話題を呼んだのは、aki(@am1_92)さんの投稿だ。
「フォロワーの皆様。aki終了のお知らせかもしれません これ全部、生で食べてしまった もうどうしようもないみたいなのでポカリだけ買って時を待っています みなさん応援よろしくお願いします」という、不安を隠せない内容だった。
投稿には、開封前のカキの容器の写真が添えられていた。パッケージには「生牡蠣」の文字が躍るが、左下には、小さく「加熱調理用」と記されている。
akiさんによると、カキを酢ガキにして完食した後、容器を水洗いしようとした際に「加熱調理用」の表示に気づいたという。まさに後の祭りだった。
生食用と加熱調理用の違いは、菌の保有状況や処理方法にある。加熱調理用のカキを生で食べると、食中毒のリスクが高まる可能性がある。
投稿後、多くのフォロワーから心配の声とアドバイスが殺到。akiさんは一人暮らしということもあり、コメント欄で教えてもらった情報を元に行動を開始した。
「症状が出た際に必要なものをコメントで教えてもらい、買い物に一度行きました」とakiさん。嘔吐症状が出た時のために絶食がよいとアドバイスを受け、実践したという。ただし、紅茶、ポカリスエット、梅干しは口にしていたため「絶食ではないかもしれません」と付け加えた。
紅茶や梅干しを選んだ理由について、akiさんは「菌を無くさなきゃと思い殺菌しようと思った」「熱いもので殺菌できそう」「もともと梅干しは健康のために食べていたので、なんかよさそうだと思った」と説明。絶食については「嘔吐するものが少ないほうが楽かな」という判断だった。
基本的には家で過ごし、念のため寝て様子を見ていたとのこと。発症のリスクが高いとされる食後48時間が経過し、「体調は何も変わっていません」と、症状が出ていないことを明かした。
投稿に対しては、メーカーのパッケージ表示が分かりにくいという批判的な意見も多く寄せられた。しかし、akiさん自身は「私はそのような考えはなく、普段から説明など見ないタイプだったのでしっかり読まなくてはと思っています」と冷静に受け止めている。
「軽い気持ちでポストしたので反響に素直にびっくりしております。メーカーさんの批判が多くあり、迷惑になったかなと不安ではあります」と語る一方、「総合的に優しい心配してくれる方が多く、そのおかげで不安も減りました。経験談などたくさんの知識もいただき感謝してます」と、フォロワーの温かい反応に感謝の言葉を述べた。
なお、メーカーとのやり取りは行っていないという。
カキによる食中毒は、特に冬場に注意が必要だ。厚生労働省は、カキなどの二枚貝によるノロウイルス食中毒について注意を呼びかけている。
「もう二度と食べたくない」と生涯にわたって敬遠する人も
ノロウイルスは感染力が非常に強く、少量のウイルスでも発症する。主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱など。通常は1~2日程度で回復するが、乳幼児や高齢者では重症化することもある。カキに当たると、その強烈な症状から、「もう二度と食べたくない」と生涯にわたって敬遠する人は少なくない。
加熱調理用のカキの場合は、中心部まで85?90度で90秒間以上加熱することが重要だ。また、カキを調理した後は、まな板や包丁、手指などをしっかり洗浄・消毒することも感染予防に欠かせない。
多くの人が誤解しているのが、生食用と加熱調理用の違いだ。「生食用のほうが新鮮」というイメージを持つ人もいるが、どちらも鮮度は同じで、採取される海域と細菌数の違いとなっている。そのため、生食用=無菌という証明にはならない。
akiさんの投稿には、食中毒経験者からの悲痛なエピソードも多数寄せられた。「寝ていても波のように吐き気が襲ってきて一晩で5回トイレに駆け込みました」「高熱+脱水症状で、目も見えなくなったで」「スーパーで売ってる生食用のパックの牡蠣、去年だけど、生で食べて2回ともやられました…」「私は、生食牡蠣で過去4回当たっているので牡蠣自体もう食べてない」「一週間ぐらいトイレと友達でした。カキを舐めてました」
身が乳白色でぷりぷり。ミネラルなどの栄養も豊富で「海のミルク」と呼ばれるカキ。鍋やフライ、焼きなどさまざまな食べ方で楽しめるが、適切な取り扱いによって食中毒を予防したい。
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