ME:Iライブは「温かな空間」 女性ファン7割…日プ女子から続く優しい物語【記者コラム】

11人組ガールズグループのME:I(ミーアイ)が14日、東京・有明アリーナで、全国アリーナツアーのアンコール公演『2025 ME:I1ST ARENA LIVE TOUR“THIS IS ME:I” ENCORE IN TOKYO』最終公演を開催した。11人のうちRAN、COCOROが療養中で、SHIZUKUが活動休止中。年内ラスト単独公演となったこの日も8人(MIU、MOMONA、AYANE、KEIKO、KOKONA、RINON、SUZU、TSUZUMI)でのパフォーマンスだったが、観客と一体になって会場を優しく温かな空間に作り上げていた。

最終公演を開催したME:I【写真:(C)LAPONE GIRLS】
最終公演を開催したME:I【写真:(C)LAPONE GIRLS】

年内ラスト単独公演を8人でパフォーマンス

 11人組ガールズグループのME:I(ミーアイ)が14日、東京・有明アリーナで、全国アリーナツアーのアンコール公演『2025 ME:I1ST ARENA LIVE TOUR“THIS IS ME:I” ENCORE IN TOKYO』最終公演を開催した。11人のうちRAN、COCOROが療養中で、SHIZUKUが活動休止中。年内ラスト単独公演となったこの日も8人(MIU、MOMONA、AYANE、KEIKO、KOKONA、RINON、SUZU、TSUZUMI)でのパフォーマンスだったが、観客と一体になって会場を優しく温かな空間に作り上げていた。(取材・文=柳田通斉)

 観客の6、7割は女性だった。メンバーと同世代の10代後半から20代前半のみならず、小中学生、30代以上の姿もあった。そんな会場で係員に「男性のトイレはどこですか」と聞くと、こうささやかれた。

「あちらの方ですが……今日は女性用のトイレを多めにしていますので、男性用はかなり混み合っています」

 なぜ、ME:Iは女性たちに支持されているのか。30代女性が端的に解説した。

「日プ女子時代から見ているので、こうして成長する姿を追えるのがうれしいんです。トークの時は等身大でわちゃわちゃしているけど、歌やダンスではかっこいい面を見せてくれる。そして、11人それぞれが個性的で得意ジャンルがあるので、多くの人が個人的な“推し”を見つけて応援していると思います。それは、日プ女子の頃からですが」

 日プ女子とは、ME:Iを誕生させた韓国発オーディション番組『PRODUCE 101』の日本版ガールズグループ版『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』の通称。2023年10月5日から配信が始まり、同12月16日に視聴者(国民プロデューサー)投票によって11人のデビューメンバーが選ばれた。グループ名もその場で発表され、大きな盛り上がりを見せた。

 ME:Iは練習期間を経て翌24年3月25日、デビュー曲『Click』をデジタルリリースした。華々しいスタートだったが、同7月1日にTSUZUMIが体調不良のため、一時的に活動を休止すると発表。同27日には復帰を果たしたが、8月3日には「適応障害」と診断されたことを公表し、長期療養に入った。

 その後は10人で活動していたが、今年3月からCOCOROが体調不良で休養。7月1日には、優れたダンススキルでグループをけん引してきたRANが「精神的疲弊」で休養に入ったと発表された。一方で、体調が回復したTSUZUMIが同31日のライブ出演から復帰。9人での活動が始まっていた。
 
 それから2か月半の10月15日にSHIZUKUが離脱。所属事務所のLAPONE GIRLSは「弊社の規定に反する事案が発覚したため」と公表した。そして、大みそかの『第76回NHK紅白歌合戦』出場者には、名を連ねることができなかった。デビュー年で初出場を果たした昨年と比べ、2025年は「つらくもあった1年」に見えるが、ライブでの8人は元気いっぱい。復帰5か月のTSUZUMIもはつらつとし、パワフルな歌声を披露する場面もあった。

「いつかは11人の完全体に」とファンの思いも強い【写真:(C)LAPONE GIRLS】
「いつかは11人の完全体に」とファンの思いも強い【写真:(C)LAPONE GIRLS】

療養中のメンバーへ「復帰を焦らないで」

 会場には、不在と分かっていても、COCORO 、RAN、SHIZUKUのうちわを持つファンの姿があった。「いつかは11人の完全体に」の思いが強い証しだが、20代後半の女性は「無理はしてほしくない」と言った。

「デビュー後、いろんな重圧を受けてきたと思います。そんな中で体調を崩してしまうのは仕方ないことですし、完全に回復するまでは復帰を焦らないでほしいです。戻って来たTSUZUMIさんの元気な姿は大きな希望ですが、『飛ばし過ぎないで』と思ったりします。SHIZUKUさんついては、プロ意識に欠けた点はあったと感じます。ただ、彼女も頑張りもずっと見てきたので、このまま終わってほしくないです」

 つまり、日プ女子で始まった「物語」は続いている。当時、それぞれが壁に当たり、涙も流しながら、心を震わせるパフォーマンスを披露していた。彼女たちに感情移入した国民プロデューサーたちは、今もME:Iを見守り続けている。その6、7割が女性ということなのだろうか。

 そんな「温かい目」は、同じ日プ女子出身のIS:SUE、HANAのメンバーになったMOMOKA、CUTIE STREETの桜庭遥花らへも注がれている。こうした現象は、他のオーディション番組でも起きており、ファンが離れない要因になっている。

トップページに戻る

あなたの“気になる”を教えてください