元SKE48東李苑が悩んだセカンドキャリア 選んだ道は“占いと起業”「1本に絞る必要はない」
アイドルグループ・SKE48の元メンバーで、現在はタレントや占い師としても活動する東李苑(29)が、新たなセカンドキャリアを形成しようとしている。今年6月に会社を登記し、起業という道を選択した。その決断の裏には、自身の経験からくるセカンドキャリアへの課題意識と、未来に見据える明確なビジョンがあった。

YouTubeチャンネルを通して夫婦の在り方について発信へ
アイドルグループ・SKE48の元メンバーで、現在はタレントや占い師としても活動する東李苑(29)が、新たなセカンドキャリアを形成しようとしている。今年6月に会社を登記し、起業という道を選択した。その決断の裏には、自身の経験からくるセカンドキャリアへの課題意識と、未来に見据える明確なビジョンがあった。(取材・文=中村彰洋)
会社設立について、東は「まずは形から入りました」と笑う。登記は済ませてはいるものの、すぐに事業を拡大する予定はないと語る。
「会社の事業を大きく伸ばすというよりも、まずは箱を作った感じです。形から入るタイプの人間なので、どうやって会社を大きくしていけばいいのかを手探りの状態です。やりたいビジョンはありますが、ゆっくりとスタートしていければいいかなと思っています」
そのビジョンとは、自身が感じた“セカンドキャリアへの課題意識”から生まれたもの。「転職業界を変えたい」という大きな目標を描いている。そこに自身が“武器”としている占いを取り入れることで新たな形を模索していく。
「セカンドキャリアに悩んでいる人はとても多いと思います。その中で企業と転職希望者をより深くマッチングさせることができないかと考えています。その自己理解ツールの1つとして、占いの数秘術を取り入れていきたいです。すでに社員コーチングの一環として、占いを取り入れている企業もありますが、転職の手助けにもなると思っています」
まだまだ構想段階。「すぐに実現できるものではない」と現実を見据えつつも、まずは「アイドルのセカンドキャリア」から取り組んでいきたい明かす。

アイドル時代にできなかった自己理解「それができていなかったから苦労した」
東自身は、2012年にSKE48の第6期生オーディションに合格し、アイドルとしてのキャリアをスタート。17年3月末のグループ卒業後もタレント活動を続けてきたが、20代半ばにさしかかった頃、「このままでは30歳になった時、理想とする自分にはなれない」と感じ、新しい道を模索し始めたという。
「これだけ長く芸能活動を続けてきましたが、ここから先の自分が思い浮かばなくなってしまったんです。30歳になった時もずっとテレビで活躍していたいかと言われると、そこまで強い思いもなくて……。かといって特別やりたいこともないという状態がずっと続いていました」
自身も悩んだセカンドキャリア。現役や卒業生問わずアイドルから相談されることも多く、そんな中で芽生えたのが「アイドルのセカンドキャリアをどうにかできたら」という思いだった。
「アイドル事情を知れば知るほど、複雑な気持ちになりますし、救ってあげたいと思ってしまうんです。現役時代に自己理解ができていないと、卒業後の土台を作ることができません。未来を考えた活動をしていかないと、アイドル経験をステップにすることができないんです。私は現役時代にそれができていなかったからこそ、とても苦労しました。『今ならまだ間に合うよ』という気持ちがとても強いです。もっと皆さんを自己理解コーチングのような形でサポートしていければと思っています」
一方でタレント業も並行して続けていく。数年前までは悩んでいた時期もあったというが、今では「全部細く長くできたら」とポジティブな考え方に変化したという。
「芸能を辞めようと思った時期もありました。でも、これまで積み重ねてきた経験や応援してくださる方々の存在を思うと、やはりこの場所でできることを続けていきたいと思うようになりました。武器やスキルをたくさん持っていても損はないと思うので、1本の軸に絞る必要もないと思っています。いろんなことに挑戦していきたいです」

目指すはビジョンは“ママタレ”「妊娠に悩む期間も発信することで共感してもらいたい」
プライベートでは、23年8月にインフルエンサー・ひよとの結婚を発表。今後はYouTubeチャンネルを通して、夫婦の在り方についても発信していくつもりだ。
「YouTubeチャンネルは女性にフォーカスした内容にしたいと思っています。私たちはよく議論をする夫婦なので、例えば『ベビーシッターありかなし』『実家帰省をどうする』といった、夫婦間の悩みや、夫婦生活をより快適に過ごしていくためにどのように占いを取り入れているかなど、占いのある生活を紹介していけたらと思っています」
今ではSNS上で夫や愛犬とのプライベートを積極的に発信しているが、もともとは「秘密主義者」だった東にとって、ハードルの高い挑戦だった。
「とても悩みました。それが自慢やのろけに見えるかもしれませんし、いろんな意見が届くことも分かっています。でも、せっかく一緒にいて笑いが絶えない家族がいるのに、そのの日常を発信しないのはもったいないなと思ったんです」
その根底には、夫婦のリアルを発信することで「結婚っていいな」とポジティブなイメージを抱いてほしいという思いがあった。
「結婚に対してネガティブなイメージを持っている人が多いと思っています。旦那さんの悪口で再生回数を稼ぐSNS投稿を見ているとすごく悲しくなっちゃうんです。『結婚っていいものだよ』ということを自分たちで体現したいなと思っています。
それに、ゆくゆくは“ママタレ”として成功したいという気持ちもあります(笑)。まだ出産も経験していませんが、妊娠するまでの期間に悩む内容って、どの夫婦も共通のものだと思うんです。なので、それ以前の葛藤する姿から見届けてもらって、共感してもらいたいです」
タレント活動のみならず、占い、起業と多岐にわたった活動を行っているが、自己理解が深まったことで、今後の道筋が明確になったとも語る。
「自分を占った時に、私はかっちりとした性格で、スピード感がないと読めるんです。だからこそ、自分の中で『この瞬間はリミッターを外してOK』と決めることができたら、一直線になれるんです。人生マップもそれと同じで、『今後はこういう風にする』と道筋を立てることができれば、逆算して組み立てることができるので、それが強みだと思っています。自分の特性を理解したからこそ将来のビジョンがクリアになりました」
自らの武器を知ることで新たなステップへと踏み切ることができた。緻密な戦略で未来を切り拓く東の挑戦は、まだ始まったばかりだ。
□東李苑(あずま・りおん)1996年11月13日、北海道出身。2013年2月にSKE48第6期生としてお披露目。17年3月にグループを卒業した。卒業後は北海道に戻り、18年からは道内でタレントとして活動。23年2月からはディープスキルに所属し、東京を中心に活動を続けている。プライベートでは23年8月にインフルエンサー・ひよとの結婚を発表した。約2年前から占い師としても活動。25年夏からは占いの連載コラムも執筆中。
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